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第58話:「ナポリ♪ タンタン♪ ナポリターン♪」

「重要だから繰り返す!! 素敵なプレゼントを設置するのだぁぁっ(≡ω)b」

 ああ、もうエゼルが壊れ始めた。ちゃきちゃきと、罠の設置を始めましょうかね♪


 ――ということで、あっという間に3時間が経過した。途中、休憩も入れずにぶっ通しで討論を重ねていたおかげで、7階層~1階層までの罠と魔物の設置が完了できた。

 時計を見ると夜の19時を回っている。結構、集中&熱中して時間を忘れてしまっていたようだ。


「ああ~っ、全部の罠と魔物を設置してしまった~(≡ω)ノシ もっとたくさん罠と魔物を設置したいぞ~!!!」

 大きく伸びをしながら、エゼルが天井に向かって吠えている。

「そうだよね、俺もそう思う。――でも、今日はとりあえずダメだよ? 8階層までにしようって最初に決めておいたし、階層や罠や魔物以外にも、今後はDPが必要だからさ?」

「そうですよ、日々の細々とした生活費にもDPは必要ですし、今後、柔軟にダンジョンを改良していく予備のDPも必須です。緊急時に、追加の罠や魔物さんを設置召喚するためのDPも忘れちゃいけませんね」


 俺とエゼルに否定されたことが嫌だったのか、エゼルがぷくっと頬を膨らませて唇を尖らせる。

「ぶーぶー! こうもりさんが稼いでくれたDPの他は、エゼルのアイテムボックス内の不用品を供出したんだぞ? ここは1つ、エゼルのわがままを聞いてくれても良いんじゃないか? 例えば、あと1階層分、ダンジョンを追加してみるとか。実験ダンジョンとか名前を付けて、色々な実験や訓練が出来る場所を作るのだ(≡ω)b」

「ん~、却下」

「却下ですね♪ そんな無駄na――もとい余裕と言えるDPは、うちにはありません!」

「ぅぁあっ、分かっていたけれど、2人とも容赦ないのな……otz」


 エゼルが少し大げさに言いながら、机に突っ伏す。

 一応、エゼルも本気で言っているのじゃないんだろうけれど、念のためにDMの俺から釘を刺しておこうと思う。

「いや、ここでずるずる行っちゃうとさ、今後の俺達とエゼルの関係がこじれちゃうと思わない?」

 俺の言葉に、エゼルの動きが止まる。

 そして、ディルが首を縦にコクコクと振った。

「ですです。アイテムボックス内の物を供出してもらう時にも、言ったじゃないですか」


 そして、俺とディルは言葉を重ねる。

「「エゼルがうちのダンジョンを襲撃しなければ、大量のDPを消費することは無かった(ですよ)ね?――って」」

「うにゃぁぁぁ~~~っ! エゼルは、エゼルは、今猛烈に傷ついているッ(Tω)ノシ」

 そう。俺達は、エゼルに放ったDPアタック他、ダンジョンの損害諸々の補填も含めた「計26万DP+数万DP分」を、エゼルのアイテムボックス内の不用品から供出させたのだ。

 それでも、事実上では±ゼロになっただけ。

 仲間になったサービス分として、俺達は実費のみの請求をして、エゼルが1万DPと端数で色を付けてくれた形になったけれど……それはまぁ、お互いに譲歩した形になる。


 ちなみに、さっきの俺とエゼルの口撃は、言葉面だけみるとかなり辛辣に聞こえる表現だ。けれど――

「エゼル~、それ、さっきもやったよね?」

「私ちゃんも見たのです。突っ伏して泣き真似していないで、早く起きるのです」

 俺達の言葉に、エゼルがムフフッと言いたげなドヤ顔を作って復活した。

 あ、やっぱり余裕あるのね?


「コレは様式美というやつだ! 人生、お約束とか鉄板とかは大切なんだぞ?」

「はいはい、エゼルはそういうの大好きだよねー?」

「本当にそうですねー♪」

「むー! 何かエゼルの扱いが適当だぞ!?」

 そう言って再び頬を膨らませるエゼル。そしてふと気が付いた。

 何というのか、このまま話が脱線したままでエンドレスになりそうな予感がすることに。早いところ、元の話題に戻した方が良いのかもしれない。


「まぁまぁ、エゼル。お約束とか鉄板も大切だけれどさ。もう19時半を回っているから――そろそろ晩御飯にしない?」

「するっ! するするっ!!」

 さっきまでのちょっと拗ねた表情は引っ込んで、キラッキラに目を輝かせるエゼル。狼耳と尻尾がパタパタ動いている。


 それが可愛く感じて、俺は思わず小さく笑ってしまっていた。

「それじゃ、エゼルとディルは晩御飯に何が食べたい? お肉? お魚?」

「エゼルはお肉でもお魚でもなくて、昨日のお昼に食べた『ナポリタン』が良いぞっ!! 少し硬めのスパゲッティに、トマトのソースと具材、そしてチーズが奏でる無限重奏。エゼルはアレを再び食べたいのだっ!」


「私ちゃんも、ナポリタンでOKです♪ アレはとっても美味しいですから!」

「了解。それじゃ、キッチンへ移動してからちゃちゃっと準備をしようか。ナポリタンは前回同様『某レストラン』から取り寄せするつもりだけれど、スープは自分達で味見をしながら作った方が自分好みに作れるからさ♪」

「「了解です(なのだ)!」」

 ディルとエゼルの声が重なったのを聞いてから、早速俺達はキッチンへと向かった。


 とりあえずは、ダンジョンの改良を無事に終えることができた俺達。

 この後は簡単なスープを作って、3人で一緒にナポリタンとスープを食べて、温泉のお風呂に入って(※男女別ですよ?)、寝る時間までゆっくりとしようと思う。


「美味しい♪ 美味し~い♪ ナポリタンを食べる準備をするのだ~ぁ♪ ナポリ♪ タンタン♪ ナポリターン♪」

 エゼルの楽し気なオリジナルソングが俺の耳に残った。この歌、なんか癖になるなぁ。



(次回に続く)


===

(煮)「ナポリタンと言えば、『あのレストラン』ですよね? とても大好きなので、思わず作中にナポリタンを登場させてしまいました」

(エ)「ナポリタンは命の食べ物なのだ♪」

(デ)「なのです!」


(煮&エ&デ)「「「ナポリ♪ タンタン♪ ナポリターン♪ アディオス(≡ω)ノシ」」」

===

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