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第33話:「……さて、どんな風に戦いますかね?」

「はい、とても不満ですね。――せっかくなので、2人同時に相手しますよ?」

 俺の言葉で、思わず笑いそうになるほど、残念イケメン騎士と残念オジサン騎士の顔が真っ赤に染まった。うん、他人を煽るのって、基本的に小心者で良い人(?)な俺には向いていないかもしれない。


「こ、いつ……」

「ぼそぼそっ(おい、リカルド、冷静になれ。これはチャンスだ!)」

 なるべく俺に聞こえないようにか、小声で言って真面目な顔になるオジサン騎士。

 DMとして身体能力が上がった俺には、しっかりと聞こえているのだけれど……何でかな? オジサン騎士がじっと俺の方に熱い視線を送ってくる。


「アルティ殿、本当に2対1で良いのだな?」

「はい、男子に二言はありません、少なくとも今回は」

「分かった。それじゃ、装備の確認をしたいから、数分だけ時間をくれないか? その後、改めて仕切りなおした上で決闘を始めさせて欲しい」

 流石は、腐っても歴戦の騎士という感じだろうか? ちゃっかりと「作戦会議の時間」を確保しようとしてくるオジサン騎士。

 まぁ、それを理解していて、承諾するつもりの俺も大概だけれど。


「承知しました。リカルドさんもそれで良いですか?」

「……ええ、それで大丈夫です」

 若干震える声でそれだけ答えたイケメン騎士。

 うん、人間って怒り過ぎると顔が白くなるんだなぁ、って他人事のように感じてしまう。

 その怒りの原因は、俺だけれど。


「それじゃ、俺達は装備の確認をしてくるから、そっちも準備をしておいてくれ」

「はい、せっかくなので少し距離を取りましょうか?」

 俺の提案に、男騎士の二人が一瞬驚いたような顔をして、すぐに真面目な顔に戻る。

 そして、オジサン騎士がゆっくりと口を開いた。


「……ああ、そうしてもらえると助かる」

「了解です。それじゃ、エゼル、あっちに行こうか?」

「了解だ(≡ω)♪」

 楽しそうな表情でフリフリ尻尾を振っているエゼルを連れて、俺は泉の近くにやって来る。

 騎士達とは50m程は離れただろうか?


 とりあえず、思考加速をしてからエゼルと打ち合わせをしてみる。

『さて、エゼル? 相手さんはどんなふうに出てくると思う?』

『ん? ここでエゼルが口を挟むのは、無粋じゃないのか? そう思って、さっきも静観していたのだが(≡ω)b』

 ちょぴっとドヤ顔で、嬉しそうに言葉を口にしたエゼル。

 何だか少し格好良いなと思ってしまったのは――夕食の時にでも伝えてあげよう。多分、全力で喜んでくれるから。

『それもそうだね。ごめん、今の言葉は忘れて♪』

『了解だ(≡ω)b』

『ありがと』

 エゼルにお礼を返してから、俺は思考加速を続ける。


 俺が持っている鑑定スキルによると、イケメン騎士がレベル25の『魔法騎士』という職業を、オジサン騎士はレベル35の『探索騎士』という職業を持っている。

 そしてスキルは、職業名に準じた『魔法と近接戦闘向けのスキル』や『戦える探索者としてのスキル』が揃っていた。


 俺のレベルは38で職業は『ダンジョンマスター』である。

 基本的には、ダンジョンの奥にどっしりと構えて、配下の魔物や罠に仕事をさせるのが得意なタイプ。でも近接戦闘や魔法が使えない訳ではない。


『……さて、どんな風に戦いますかね?』



(次回に続く)

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