フラグ建設は計画的にどうぞ
テクテクテク…
(それにしてもなにも起こらないねー…つまんないの)
『通学路になにを求めとるんじゃお主は…』
あの後、スキル【念話】を創生し、ずっと動物と話してるのもなんかすごい痛い人みたいなのでこれで会話をするようにした。
まじこの能力便利。
「なんかこーさ、転生したら定番イベントとしてなんか巨大な脅威が…」
ドガァァァァァァァン!!
突如、視界の右側が砂埃で埋め尽くされた。
「ぬおあぁぁぁ!?」
(な、なに!?)
『…こんだけフラグ乱立すりゃあそうなるわな……』
砂埃の中から出てきたのは、オオトカゲであった。
しかし巨大も巨大、軽く20階建てのビルの高さくらいはあるであろうものであるが。
(え!?ちょ、なんなの!?この世界の通学路ってこんなに危険だったの!?)
『んなわけあるか!今日が特殊なだけじゃ!』
(てかあれなんなのよ、見た感じトカゲだけど)
『いや、鑑定スキルを使えばよかろう』
(ふぇ?あたしそんなの持ってたっけ?)
『儂がお主に付与したんじゃ。どれ、ちょっとやってみい』
(いややり方も何もわからないんだけど)
『心の中で鑑定スキルを使う、と念じればよい。すぐに発動するぞ』
(ふーん…)
《鑑定スキル発動、対象、ヒュージ・ リゼリオム》
『ほれきた』
(おおぉぉぉ、なんか一気に情報が流れ込んでくる!)
《ヒュージ・リゼリオム:体長54m、体重5.2t。能力:尻尾叩きつけ、尻尾ぶん回し、頭突き、火炎放射、突進、自爆》
(なんかモン○ンみたいな能力だね)
『危ないからそういうの本当にやめて!?』
(さて、で?どうやって倒せばいいの?)
『それくらい自分で考えろ。せっかくお主には特異中の特異[魔法創生魔法]まで付与したのじゃからな』
(ああ、そっか、そんなのもあったねー)
『忘れてたんかい!』
『とりあえず、思いついた魔法をあのデカブツに向かって打ってみい』
(うーん…まあやってみる)
(イメージ…そうだ、ラノベで培った知識…前世で好きだった魔法のうちのひとつ…あれにするか。あれは確か…炎属性。魔法陣が周りに無数にできて…)
《魔法陣展開、属性、炎》
(それで…螺旋状のホーミングブラスターみたいなのが沢山出て…)
《エネルギー充填開始。必中魔法、発動。対象、ヒュージ・リゼリオム》
『…!?ちょ、ストップストップ!!』
「へ?」
《充填完了。【スパイラル・ヘルフレイムブラスター】、発射》
という無機質な声が脳内に響いた次の瞬間。
まず、とてつもない轟音で耳が正常に機能しなくなる。
次に、ブラスターが的に当たった光で目が見えなくなる。
ああ、早速、やってしまったーー。
……………
光が収まり、砂埃が晴れると、そこには体のど真ん中をブラスターで貫かれたヒュージ・リゼリオムの姿があった。
この様子ならば、もう生き絶えているだろう。
ただ、周りの建物もかなり被害を受けているようだが。
(ああ…やってもうた…)
『いや…思いついた魔法を創生しろと言ったわしが悪かった』
(てかまずなんなのよあの魔法名。スパイラル・ヘル…なんだっけ?よくわかんないけど、あんな中二病こじらせたみたいな…)
『こちらの世界の魔法自体が向こうでは全て中二病として扱われるからの。はじめのうちはそう感じるかもしれんな』
(…まあ、今回は無事に敵は倒せたから、それで良しってことで!)
『それでいいならわしは何も言わんが…』
ポッ。
その声を遮るようにして、小さな音が聞こえた。
(ねえ、今の音って…)
そう言い終わらないうちに…
ドガァァァァァァァァァァン!
後方でいきなり大きな音がしたかと思うと、全身が一気に熱くなった。
見てみると、全身が炎に包まれている。
一体何が起こったのか。
ああ、そうか、ヒュージ・リゼリオムの能力のひとつを今思い出した。
《自爆》
自分の命と引き換えに、一度だけ限界を超えた高威力の魔法を行使できるというとてつもなく傍迷惑なものである。
(え!?ちょまっ!あっつ!!どどどどうすんのこれ!死んじゃう!まじで死んじゃう!!)
『落ち着け!イメージじゃ、イメージ!水系魔法!なんかないのか!てかわしもまじで焼け死ぬ…早く早く』
(こんなフラグ立てるんじゃなかったぁぁぁぁ!!!)
この先のネタが全然思いつかない(泣)
行き当たりばったり感満載で、不安しかないままもう第3話。
さあ、かなり中途半端ですがどうなるんでしょうか。
ここまできたらやるっきゃねぇ…(ウォォォォォ