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〇〇は『赤き雪原』に向かうそうです その156

 合体の副作用で苦しんでいるマナミとシオリ。俺はコユリ(本物の天使)が言っていた方法で二人を助けようとしている。


「二人とも俺の血を吸え。そうすれば多分苦しくなくなるから」


「い、いいんですか?」


「ナオ兄、いいの?」


「ああ、もちろんだ。さぁ、早く」


「は、はい、分かりました」


「オッケー」


 俺がゴロンと横になると二人はガブリ!と俺の首筋を噛んだ。


「ふ、二人とも! あんまりがっつくな!」


「おいしい……おいしい」


「ダメ……止まらない」


 はっ! そういえば注意事項その三は『食欲が増すかもしれない』だった! というか、なんか二人とも目赤くなってないか?


「ふ、二人とも! 少しだけ休ませてくれ。このままだと失血死しちゃうから!」


「……嫌です」


「……無理」


 く、くそ! いったいどうすればいいんだ!!

 俺が意識を失いかけた時、ようやく二人が正気に戻った。


「ごちそうさまでしたー。とってもおいしかったですー」


「ナオ兄、ごちそうさま。あれ? ナオ兄、大丈夫?」


「あ、ああ、大丈夫だ」


 合体はかなり強いけど副作用が厄介だな。よっぽどのことがない限り使わせないようにしよう。


「マナミ、シオリ」


「何ですか?」


「なあに?」


「副作用が厄介だから、なるべく合体しないでくれ」


「えー!」


「そ、そんなー」


「副作用がなくならない限り、俺が毎回死にかけることになるんだぞ? それでもいいのか?」


「ナオトさんの血、また吸いたいですー」


「ナオ兄の血、また吸いたーい」


「ダメだ」


「うう……」


「……ケチ」


「なんとでも言え。さてと、少し外の空気を吸いに行くか」


 俺が立とうとすると目眩めまいに襲われた。

 あー、やっぱりダメだ。血を吸われすぎ……た。


「ナオトさん!」


「ナオ兄!」


 マナミ(茶髪ショートの獣人ネコ)、そんな心配そうな顔をするな。

 シオリ(白髪ロングの獣人ネコ)、そんなに動揺するな。少し休めばきっと良くなるから。

 あー、ダメだ。意識が……遠の、く……。

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