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〇〇は『赤き雪原』に向かうそうです その151

 モンスターチルドレン同士でも合体できたことをみんなに伝えたマナミ(茶髪ショートの獣人ネコ)とシオリ(白髪ロングの獣人ネコ)。

 今まで前例がなかったそれを実現させたナオト(『第二形態』になった副作用で身長が百三十センチになってしまった主人公)にいろいろたずねようと思ったミノリ(吸血鬼)は彼がいるであろうお茶の間に向かった。

 しかし、そこに彼はおらず代わりにちゃぶ台の上に置き手紙が置いてあった。


『探さないでください』


 彼女はそれを見るなり家を飛び出した。ブツブツと怒りが込められた言葉を吐きながら。


 *


「はぁ……これからどうしようかなー」


 俺がふよふよ飛行していると聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「バカナオトおおおおおおおおおおおおおおお!!」


「うわああああああああああああああああああ!!」


 俺はものすごい勢いで突っ込んできたミノリ(吸血鬼)にずつきされた。背中にもろにくらってしまったため背中がジンジン痛む。


「な、なんだよ、いきなり」


「あんた、何考えてんのよ! 悩みがあるなら、まずあたしに相談しなさいよ!」


「いや、お前に言っても解決できないだろうから」


「どうして決めつけるのよ! 勝手に悩んで勝手に自己完結させて勝手に出ていって……あんた、いったい何様のつもり!!」


「うーんと、ご、ごめん」


「謝らないで! あんたが今すべきことは家出するに至った経緯をあたしに包み隠さず話すことよ!」


 彼女のその言葉で俺はようやく自分が何をしでかしたのか理解した。


「笑わないか?」


「話の内容によっては笑うかもしれないわね」


「うーん、じゃあ、一応話そうかな」


「あんたに話さないという選択肢はないわ。さぁ、さっさと話しなさい!」


「わ、分かったよ」


 俺はミノリ(吸血鬼)に自分がマナミとシオリを合体させてしまったことに罪悪感を感じていることを話した。

 すると、ミノリ(吸血鬼)はクスクスと笑い始めた。


「な、なんだよ」


「あんた、バカねー。そんなことで二人とも傷つくわけないじゃない。というか、あんたがいなくなったら二人以外も大ダメージ受けるわよ。も、もちろんあたしもその一人よ」


「そ、そうか。そうなのか。なら、帰ろう、かな」


「まったく、あんたって本当にメンタル豆腐以下よね」


「言うな。俺が一番よく分かってるから」


「はいはい、いつまでもうじうじしない。さぁ、帰るわよ」


「お、おう」


 こうして俺の家出は十分ほどで終わった。

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