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〇〇は『赤き雪原』に向かうそうです その144

 ナオト(『第二形態』になった副作用で身長が百三十センチになってしまった主人公)があたしの作業部屋に入っていった直後、シオリ(白髪ロングの獣人ネコ)があたしにこんなことを言った。


「ねえ、ミノリちゃん」


「なあに? シオリ」


「固有武装って、ナオ兄とキスすればもらえるの?」


「うーん、まあ、キスというか何かしらきっかけがあればもらえると思うわよ」


 そんなのでもらえるのなら、この家にいるモンスターチルドレンはみーんな固有武装所有者になってるわよ。


「へえ、そうなんだ。じゃあ、今からナオ兄とキスしてくる」


「そうそう。きっかけは何でもいいのよ……って、あんた今なんて言った?」


「へえ、そうなんだ」


「そのあとよ! そのあと!」


「じゃあ、今からナオ兄とキスしてくる」


「そう、それよ! あんた、ナオトのファーストキスを奪うつもりなの?」


「え? 奪っちゃダメなの?」


「だ、ダメに決まってるでしょ! というか、ナオトには心に決めた人がいるの! ファーストキスはその人に捧げるって決めてるの! 分かる?」


 シオリ(白髪ロングの獣人ネコ)は小首を傾げる。


「ミノリちゃん、何言ってるの? ナオ兄のファーストキスの相手はナオ兄のお母さんだよ?」


「あのねー、家族はノーカンよ。だから……」


 あれ? あたしたちはみんなナオトの家族よね?

 ということは、ナオトにキスしてもノーカンなの?

 あれ? あれあれ?


「シオリ、あんたいつからナオトのこと狙ってたの?」


「私はナオ兄の家族になった時から、いつかはしたいなーと思ってたよ。ミノリちゃんはそうじゃないの?」


「あ、あたしは……」


「おーい、ミノリー。ちょっと来てくれー」


「あっ、はーい! えっと、と、とりあえずこの話は保留ってことでいい?」


「うん、いいよ。いってらっしゃい」


 普段はボーっとしてて何考えてるのか分からないやつだけど意外と自分の欲望に忠実なのね、シオリって。

 ミノリ(吸血鬼)ちゃん、私だって言う時は言うんだよ?

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