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〇〇は『赤き雪原』に向かうそうです その142

 ミノリ(吸血鬼)の全身全霊全力。

全身全霊全力鮮血刀フルパワーブラッドブレイド』は暴走しているミノリ(吸血鬼)の固有武装めがけて振り下ろされた。


「とっとと……屈服、しなさああああああい!!」


 ミノリ(吸血鬼)の大太刀がやつを脳天から断ち切ろうとしたその時、やつはそれを両手で受け止めた。


「う、嘘だろ!? お前、何考えてんだよ! 死にたいのか!!」


「……マケタク……ナイ!」


 ……! こ、こいつ、しゃべれるのか!?


「悪あがきは通用しないわよ! とっととあたしの中に戻りなさい!!」


「イヤ、ダ!! アタシハ……アンタナンカニ、マケナイ!!」


「武器の分際で主人に歯向かうなんていい度胸してるじゃない! これはおしおきする必要があるわね!」


 ミノリ(吸血鬼)は歯を食いしばりながら腕に力を入れた。


「おとなしく……切られろおおおおおおおお!!」


「イ、イヤダ! アタシハ、ジユウニ、ナリタイ!」


「ふざけないで! あんたがいないと、あたしはナオトのとなりにいられないのよ! だからお願い! あたしの中に戻ってきて!!」


「……!!」


 暴走しているミノリ(吸血鬼)の固有武装は自分が自由になることで主人であるミノリ(吸血鬼)が致命傷を負うことを悟った。

 やつは自分の願望より主人の願望を叶えることにした。


「……ワカッタ。デモ、アキラメタワケジャ、ナイ」


 へえ、考えたわね。


「ええ、それでいいわよ。さぁ、戻ってきなさい」


「……ハイ」


 その直後、やつは小さな黒い球になった。

 それはミノリ(吸血鬼)の胸骨あたりから体内に侵入した。


「……おかえり。『光を喰らう黒影製の翼(ブラック・イカロス)』」


 我が子を抱きしめるように胸に両手を当てている彼女の姿は絵画になっていてもおかしくないくらい魅力的だった。

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