表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

370/420

〇〇は『赤き雪原』に向かうそうです その139

 無事、闇から脱出した俺たちはミノリ(吸血鬼)の固有武装を鎮圧するために共闘するのだが、その前に少し気持ちの整理をしておこうと思う。


「なあ、ミノリ」


「なに?」


「お前、固有武装なしで飛べるのか?」


「うーんと、なんとなくこうすれば飛べるっていうイメージがあるから血で翼を作って飛ぶわ」


「そうか。じゃあ、もう手をつなぐ必要はないな」


 俺がミノリ(吸血鬼)の手を離そうとすると、彼女はギュッと俺の手を握った。


「おい」


「な、なによ」


「俺はいつまでお前の手を握っていればいいんだ?」


「えっと、固有武装が暴走したのはあたしの気持ちというか強欲な部分が暴走したせいなの。で、あれがあたしとまた一つになった時、強欲な部分が襲いかかってくるのよ。だから、その……」


「要するに今のお前は主にメンタル面が弱くなってるから俺と手をつないでいないと負けそうになるんだな?」


「そ、そう! その通りよ! ナオト! よく分かったわね!」


「そんなの言われなくても分かる。けど、あんまりのんびりしていると、またやつの闇に飲み込まれるぞ」


「そうね。けど、大丈夫。昨夜は一人で戦ってたけど、今はあんたがとなりにいるから」


 そっか。お互いの存在が心の支えになっているんだな。


「そうか。じゃあ、やるか!」


「ええ!!」


「グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


 なあ、ミノリ(吸血鬼)の固有武装。

 お前はミノリ(吸血鬼)を守ろうとしてくれたんだよな?

 けど、結局闇に閉じ込めることになってしまった。

 今さら、もっといい方法があったんじゃないのかと問い詰めたりはしない。

 けど、今のお前を放置しておくわけにはいかない。

 じゃないと、俺の……俺たちの旅を続けることができなくなるから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ