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〇〇は『赤き雪原』に向かうそうです その133

 昼ごはんを食べ終えるとナオト(『第二形態』になった副作用で身長が百三十センチになってしまった主人公)は作業部屋に向かった。

 俺はこっそりナオトの後をつけた。


「……ナオト、何をしているんだ?」


「ん? あー、シャドウか。えーっとな俺は今、服を作ってるんだよ」


 服? ただの布じゃないか。

 なぜそこまで手間をかける必要があるんだ?


「服か……。ただの布としか思えないな」


「ま、まあ、そうだな。けど、女の子はその布をまとうとかわいさが倍増するんだよ」


「ほう、そうか。まあ、俺には一生分からないだろうな」


「そうか? 俺はそうは思わないなー」


「なぜだ?」


「なぜって、お前がさっきからそわそわしてるからだよ」


 そわそわ? なんだ? それは。


「俺は別にソワソワ? なんてしていないぞ」


「いやいや、してるから。お前って意外と分かりやすいよなー。本当は興味あるんだろ?」


「お、俺は別に服になんて興味はない」


「そうなのか?」


「ああ、そうだ」


 本当かなー? まあ、いいや。

 興味はあるけど、自分の気持ちに素直になれない。

 多分、そんな感じだろう。


「なあ、ナオト」


「ん? なんだ?」


「お前は……お前たちはどこを目指しているんだ?」


「うーんと今のところ『赤き雪原』を目指してるぞ。多分、最後の材料がある場所だ」


 最後の材料? いったい何の材料だ?


「あー、そういえばお前にはまだ話してなかったな。えっとな、モンスターチルドレンは元々人間なんだけど」


 ナオトの話を要約すると、モンスターチルドレンを元の人間に戻すのに必要な薬の材料を見つけるために旅をしている、だな。


「なるほど。そういうことだったのか」


「まあな」


「え、えっと、何か俺にできることはないか?」


「え?」


 うーん、シャドウにできることかー。

 うーん……何かあるかなー。


「……ないのか?」


「いや、家事とか狩りを手伝ってくれるだけでいいかなーって」


「そうか。なら、そうする」


「お、おう」


 シャドウはしばらくの間、服作りをしている俺をじーっと見つめていた。

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