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〇〇は『橙色に染まりし温泉』でまったりする? その5

 四月十八日……。午前八時十五分……。ビッグボード国。


「く、来るならこい!」


「グルルルルルルルルルルルルルッ……」


 モンスター化したその男は一般男性に襲いかかろうとしていた。その時……。


「伏せろ!」


 上空から誰かの声が聞こえた。

 襲われそうになっていた男性は、その場に伏せた。

 その直後、何者かがこの地に舞い降りた。


「モンスターの力をその身に宿そうとしたんだろうが、お前のその姿はあいつらとは違う。今のお前はただの化け物だ!」


 襲われかけていた男性がその声の主の方を見ると、真っ赤な鎧と四枚の真っ赤な翼と先端がドリルになっている真っ赤なシッポが特徴的な少年がそこにいた。

 しかし、彼はミノリ(吸血鬼)の血液によって、それらが真っ赤に染まっていることを知らない。

 ナオト(『第二形態』になった副作用でショタ化してしまった身長『百三十センチ』の主人公)は黄緑色の瞳を光らせると、モンスター化してしまった男性の背後に回った。

 そして、後頭部をチョップした。


「グアッ……!」


 モンスター化したそいつは倒れたが、この国には、こんなやつらがまだうじゃうじゃいることをナオトは知っていた。

 ナオトは先ほど助けた男性のところに行くと、こう言った。


「このまちを一度、離れた方がいいと思うが、危険を承知した上で戦うというのなら、無茶をしない程度に頑張れ……」


「は、はい……」


「じゃあ、気をつけろよ。まだその辺にいると思うから」


「は、はい、ありがとうございます」


「おう、じゃあな」


 彼はそう言うと、真っ赤に染まった四枚の翼を羽ばたかせながら、大空へと飛び立った。


「まだ確信は持てませんが、おそらく彼は私と神社で会話をした人物ですね」


 灰色の火の玉は、その様子を空から見ていた。

 その火の玉の正体は『グレー・アイランド』。この事件のきっかけを作った『漆黒の裏組織(アポカリプス)』の幹部の一人である。


「さてさて、それでは彼の後を追うとしましょうか」


 彼はそう言うと、ナオトの後を追った。


 *


 その頃、二班は……。


「ちょっと銀髪天使! あたしの邪魔しないでよ!」


「あなたこそ、私の邪魔をしないでください」


「くっ……! やっぱりあたしとあんたは水と油みたいな関係みたいね」


「同感です。しかし、今はこの状況をなんとかする方が先です」


「まあ、それもそうね。ここは一時休戦にしましょう」


「そうですね。そうしましょう。というか、最初からそうしてください。時間の無駄ですから」


「もうー! あとで、覚えときなさいよ!」


 ミノリ(吸血鬼)とコユリ(本物の天使)はそんなことを言いながら、モンスター化した人たちと戦っていた。


「……うーん、このままでは埒が明きませんね……。あっ、そうだ。あれを使えばなんとかなるかもしれませんね


 一緒にその場にいたハーフエルフ族の『メルク・パラソル』は二人にこう言った。


「ミノリさん! コユリさん! 一旦、その場から離れてください!」


 メルクの声を聞いた二人は、一旦その場から離れた。


「ハーフエルフ族の力……とくとご覧あれ!」


 メルクはそう言うと、巨大な白い魔法陣を上空に展開した。


「白魔法……『超極太の白い光線(ビッグホワイトレイ)』!!」


 その直後、巨大な白い魔法陣から超極太の白い光線が放たれた。

 それにより、その場にいたモンスター化した人たちは戦闘不能になった。


「ふぅー、久々に使いましたが、やはり改善の余地がありそうですね。魔力の消費が半端ないです」


 メルクがそう言うと、ミノリ(吸血鬼)とコユリ(本物の天使)は目を輝かせながら、メルクにこう言った。


「ねえねえ! 今の何! 今の何! もう一度、見せて!」


「あなたは、そんなことができたのですね! ま、まあ、私が本気を出せば、あれくらいできますけどね」


 この子たちは、やっぱりまだまだ子どもですね。

 でもまあ、そこがとても可愛いらしいのですが。


「残念ながら、今のは一日一回限定なんですよ。なので、また今度にしてください」


「そう……やっぱり、あれだけの魔法を一日に何回も使うとなると、結構厳しいわよね……」


「当然です。あんな大規模な魔法を一日に何度も使えるなら、今回の騒動は十秒以内に片付きます」


 本当はあと二回くらい使えますが、残念そうな顔も可愛いので、今回は黙っておきましょう。


「そうですね、私もまだまだ修行が足りないようです。ですが、さっきの人たちがまだ建物の中にいる可能性もありますから、この辺りを探索してみましょう」


 メルクがそう言うと、ミノリ(吸血鬼)とコユリ(本物の天使)はこう言った。


「それもそうね。なら、早く行きましょう」


「私もメルクさんの意見に賛成です。早く行きましょう」


「決まりですね。それでは、二人とも私についてきてください」


「はーい!」


「はい」


 ミノリ(吸血鬼)とコユリ(本物の天使)はそう言うと、メルクの後に続いた。


 *


 その頃、三班は……。


「えーい!」


「とうー!」


「よいしょー!」


 マナミ(茶髪ショートの獣人ネコ)とシオリ(白髪ショートの獣人ネコ)とツキネ(変身型スライム)がモンスター化した人たちと戦っていた。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


「マナミちゃん、大丈夫?」


「う、うん、私は大丈夫。だけど、さすがに私たちだけでこの辺りにいるあの人たちを倒すのは難しい……かな」


「そっか。それじゃあ、私と合体してみる?」


「えっと、合体ってどういうこと?」


「ほら、ナオ兄とミカンちゃんは今、合体してるでしょ?」


「う、うん、それは知ってるけど、それがどうかしたの?」


「だからね、ナオ兄にできて私たちにできないってことはないってことだよ」


「つ、つまり?」


「今からマナミちゃんと私で、それをやるってことだよ」


「そ、そそそそそ、そんなこと急に言われても、やり方なんかわからないよ!」


 シオリ(白髪ロングの獣人ネコ)はマナミ(茶髪ショートの獣人ネコ)の頭を撫でると、こう言った。


「大丈夫だよ。全部、私に任せて」


「シ、シオリちゃん……」


 その時、ツキネ(変身型スライム)が咳払いをした。


「あのー、そろそろ合体するのかしないのか決めてもらえませんか?」


「あっ、す、すみません。こんなことしてる場合じゃないですよね」


「あー、そうだったね。うっかりしてた」


「いや、私は別に構いませんけど、一応ここは戦場なので油断は禁物です。分かりましたか?」


『はーい!』


 その直後、うじゃうじゃと例の人たちが現れた。


「さあ、気を引き締めていきますよ!」


「は、はい!」


「りょうかーい!」


 三班のみんなは、例の人たちと戦い始めた。


 *


 その頃、四班は……。


「もうー! しつこいですよー!」


 チエミ(体長十五センチほどの妖精)はそう言いながら、風で例の人たちを吹き飛ばした。


「ほんと、しつこいね。君たちは……!」


 ミサキ(巨大な亀型モンスターの本体)は例の人たちを殺さないように殴っていた。


「まあ、あたしにはそれくらいがちょうどいいけどな!」


 カオリ(首から下を包帯でグルグル巻きにしているゾンビ)は、そんなことを言いながら、例の人たちを殺さない程度に殴っていた。


「まあ、ミサキ。一ついてもいいか?」


「なんだい? 一応、今は戦闘中だよ?」


「まあ、そうだな。けど、余裕があるなら答えてくれ」


「うん、わかった」


 カオリ(ゾンビ)は戦いながら、ミサキ(巨大な亀型モンスターの本体)にこういた。


「なあ、ミサキ。お前はさ、マスターとの旅が終わったら、どうするんだ?」


「うーん、そうだね……。できれば、ご主人が死ぬまでそばにいたいよ。けど、僕は『四聖獣』の一体だから異世界に行くことはできないんだけどね」


「そうか……。けど、もし、その呪縛から解放されたとしたら、お前はマスターと一緒にマスターの世界に行きたいんだな?」


「それはそうだけど。どうして今そんなこと言うんだい?」


「まあ、あれだ。お前は、ミノリの次にマスターとよくしゃべってるから、マスターのことをどう思ってるのか気になっただけだ」


「そうか……。けど、今は戦いに集中しないといけないよ」


「ふん、そんなことは……あたしが一番、よく……わかってるよ!」


 カオリは、そんなことを言いながら、例の人たちを次々にぶっ飛ばしていった。


「そうだね。僕が言うまでもなかったよ。けど、僕だって戦う時は戦うよ!」


 ミサキは、そんなことを言いながら、例の人たちを殺さないように倒していった。


「二人ともすごいですね。けど、私だって負けませんよ!」


 チエミはそう言うと、巨大な竜巻を発生させた。


「『荒れ狂う竜巻バイオレンス・トルネード』!!」


 チエミは、その竜巻を例の人たちが集まっている場所に解き放った。

 すると、ミサキやカオリよりもたくさんの例の人たちを倒していった。


「へえ、チエミちゃんはあんなことができたんだね」


「まったく……これは、うかうかしていられないな!」


 その後、ミサキとカオリの進撃はさらに勢いを増していったそうだ……。


 *


 その頃、五班は……。


「せいっ!」


「やー」


「はぁあああああ!」


 シズク(左目を黒い眼帯で隠しているドッペルゲンガー)は例の人たちと戦っている時、こんなことを言っていた。


「ナオトと一緒に温泉に入りたかったなー。というか、この人たち、うざい!」


 それを聞いていたルル(白魔女)は棒読みでこんなことを言った。


「それは、私も同感だよー。けどー、まずはここにいる人たちを倒さないといけないんだよねー」


 ルルは金属系魔法のスペシャリストであるため、金属の鎧を作り、それを身にまとうことなど、彼女にとっては手足を動かすよりも容易である。

 その頃、例の人たちを次々にぶっ飛ばしていくルル(白魔女)の様子を見ていたコハル(藍色の湖の主)は、こんなことを言いながら、戦っていた。


「私は! 私の計画を邪魔するあなたたちを決して許しません! はぁあああああああああああああああ!」


 彼女の計画とは、実の姉であるミサキ(巨大な亀型モンスターの本体)とナオトと一緒に温泉に入ることである。


「これが……! 私の……! 怒りだああああああああああああああああ!!」


 コハルは、水製のむちで例の人たちを次々と倒していった。


 *


 その頃……六班は……。


「そおれ!」


「でいっ!」


「吹っ飛べー!」


 キミコ(狐の巫女)は薄紫色の『狐火』を例の人たちに向けて、投げまくっていた。


「お兄ちゃんと一緒に温泉に入れないのは残念だけど、なんで私はこんなところで変な人たちと戦わないといけないのよー!」


 どうやら、キミコは戦いながら、ストレスを発散しているらしい……。


「私の出番を……! もっと……! 増やしなさいよ!」


 カリン(聖獣王)は自分の金髪ツインテールをむちのように使いながら、例の人たちを倒していた。

 どうやら、もっと出番を増やしてほしいようだ。


「私は師匠みたいにはなれないけど、師匠の戦い方を真似することはできるよー!」


 ライカ(悪魔)は敵の攻撃は回避するか防ぎ、自分は敵を殺さない程度に攻撃するという戦法で、例の人たちを倒していった。

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