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〇〇は『護衛任務』をするそうです その6

 ____四月十七日。午後十四時十五分。


「えーっと、それで、エリカの国はどこにあるんだ?」


 巨大なちゃぶ台の周りに十人のモンスターチルドレンとその他の存在たち(エージェンツ)とエリカ姫と竜人リザードマンの『ドライ・チェイサー』……そして、ナオトが座っている。

 ナオト(『第二形態』になった副作用でショタ化してしまった身長『百三十センチ』の主人公)がエリカ姫にそうくと、彼女はこう言った。


「えーっと、今どこにいるんですか?」


「あっ、そうだな。地図がないと分からないよな。チエミ、すまないが地図を持ってき……」


「もう持ってきましたよ! はい、どうぞ!」


「おっ、気が利くな。ありがとな、チエミ」


「いえいえ、これくらいお安いご用ですよ!」


 チエミ(体長十五センチほどの黄緑髪ショートの妖精)はそう言うと、ナオトの頭の上に乗った。

 現在、ナオトが黒い鎧を外したくても、外せない状況にあるせいか、チエミは少し残念そうであった。


「えーっと、今俺たちがいるのは……俺の世界で言うところの高知県あたりかな?」


 俺は地図を広げながら、それを指差した。


「コウチケン? それはもしかして、ハイノウ国のことですか?」


 エリカ姫は俺にそう言った。


「ハイノウ国って、『高い』と『知る』を英語にしただけじゃねえか……。誰だよ、それ考えたやつ」


「それはわかりませんが、ここから私の国までは、ここから西に進むのが最短ルートです。ですが……」


「どっちにしろ。海を渡らなければならないってことだろ?」


「はい、その通りです」


「そっか。なら、またミサキに頼るしかないな……。なあ、ミサキ。すまないが、そこまで俺たちを……」


「うん、いいよ。僕に任せて!」


 ミサキ(巨大な亀型モンスターの本体)は俺が最後まで言い終わる前に、あるのかないのかわからない胸を叩きながら、そう言った。


「え、えっと。それはいったいどういうことですか? まさか、船も使わずに海を渡るというのですか?」


「あー、そうだな。わかりやすく言うと……って、ことだ」


 ナオトは、ここが巨大な亀型モンスターの甲羅と合体しているアパートの二階だということをエリカ姫に伝えた。


「な、なるほど。とても便利な家ですね」


「ああ、すごく助かってるよ。ありがとな、ミサキ」


「ご、ご主人に褒められた……えへへへ」


 その時、コハルが俺に抱きついてきた。


「お兄様ー! 私も褒めてくださーい!」


「おいおい、コハル。今はよしてくれよ。みんなが見てるだろ?」


 ナオトがそう言うと、コハル(藍色髪ロングの藍色の湖の主。ミサキの妹)はこう言った。


「私はそれでも構いません! ですから、私も褒めてください!」


「あー、わかったから、今は控えてくれよ。な?」


「……わ、わかりました。けど、あとでいっぱい褒めてくださいね?」


「ああ、またあとでな」


「はい! それでは、失礼します!」


 コハルはそう言うと、ミサキのとなりに座った。


「コホン。じゃあ、これからのことをまとめるぞ。まず、ここから西に進んで海を渡る。そしたら……」


「もう少し西に進むと到着です!」


「よしよし、まあ、そんな感じかな。というか、エリカって、地図読めたんだな」


わたくしはこう見えてもビッグボード国のプリンセスなのですよ? 地図くらい読めて当然です!」


「そうか、そうか。エリカはすごいなー。それじゃあ、ミサキ。しばらく頼んだぞ」


「うん、わかった……。進路そのまま! 速度倍増! とりあえず海まで突き進め!」


 ミサキがそう言うと、ミサキ(巨大な亀型モンスターの外装)は、そのままの進路で速度を倍増させた。


「よし、それじゃあ、しばらく自由時間にしようか。各自、休息をとるなり、好きにしていいぞ。それでは解散!」


 ナオトがそう言うと、コハルを除いたみんながそれぞれ好きなことをやり始めた。

 その直後、コハルはナオトに抱きついた。


「お兄様ー! 私を褒めてくださーい!」


「約束どおり、ちゃんと待てたな。えらい、えらい」


「えへへへー、お兄様に頭撫でられてますー」


「まあ、この鎧はしばらく外せないから、直接(さわ)れないけどな」


「えへへへ、それでも私は満足ですー」


 満足そうな顔で黒い鎧の腹部に顔を埋めるコハル。

 しかし、ナオトはコハルの体温を感じられないからか少し悲しそうな雰囲気を漂わせていた……。


 *


 その頃。ビッグボード国の城内では。


「ハイド様。グリフォンの手配が完了致しました」


「よし、では、行くとしよう」


 エリカ姫の補佐役『ハイド・シューティングスター』はグリフォンに乗って、ハイノウ国に行こうとしていた。


「待っていろ、『漆黒の堕天使』。我がシューティングスター家に代々、伝わる『聖剣スターブレイカー』で貴様の息の根を止めてやるからな!」


 頭部以外を銀の鎧で覆った彼は、お城の庭にある『グリフォン専用飛行場』に行くと彼専用のグリフォンにまたがった。


「ハイド・シューティングスター!! スターインパクト……出るぞ!!!」


 彼がそう言うと、そのグリフォンは大空へと飛び立った。

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