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〇〇は『モンスターチルドレン育成所』に行くそうです その7

 その頃、モンスターチルドレン育成所の外では、五十万のゴブリンたちがワラワラと集まりつつあった。すると、立派な玉座に座っている体長三十メートルほどのゴブリン王が急に吠えた。

 これは止まれの合図。言葉より、大声で脅すようにした方がゴブリンたちは言うことを聞く……しぶしぶだが……。

 ゴブリンたちは、いつのまにか横一列に並んでいた二十一人の戦士たちを発見した。

 そして、その中央から明らかに幼女体型な吸血鬼が三歩前に出ると、ゴブリン王を指差し、バーン! と額を狙い撃つ仕草をした。

 それを見たゴブリン王は歯ぎしりをするとゴブリンたちに向かって大声で叫んだ。全軍突撃……と。


「よしよし、うまく挑発に乗ってくれたわね。それじゃあ、行くわよ! みんな!!」


『了解!!』


 みんなは走り出した。ゴブリン五十万に対し、こちらの戦力は二十一人。

 だが、モンスターチルドレンは一騎当千……いや、一体でも世界を破壊しる力を持つ存在である。

 それが十人もいるのだから有利なのは、ミノリたちの方であった。

 ____数分前……作戦会議。(なお、育成所の中をものすごい勢いで走っているため、ミノリの固有スキル『意思の伝達(メッセージ)』で念話していた)


「ナオトのことだから、誰も殺すなとか言うと思うけど、さすがに大将の首を取らないわけにはいかないから、ザコはみねうち、大将は全力で潰すこと。いいわね!」


『了解!』


 ミノリ(吸血鬼)による作戦会議……これにて、終了!!


 *


「はぁああああああああああああああああああ!!」


 ミノリ(吸血鬼)は自分の血液で作った【日本刀】でゴブリンたちをバッサ、バッサと切り裂いていた。


「かかってきなさい! あたしに勝てる自信があるならね!」


 ゴブリンたちは恐れを抱いてしまった。そのため、本能に従い、後退しようとした。しかし……。


「絶対に!」


「逃がさないよー!」


 その時、マナミ(茶髪ショートの獣人ネコ)とシオリ(白髪ロングの獣人ネコ)がゴブリンたちの頭上から現れ、ゴブリンたちを拳で吹っ飛ばした。


「ミ、ミノリちゃん! ここはいいから!」


「先に行ってー!」


 ゴブリンたちを拳で倒しながら、そう言った二人に対して、ミノリは。


「分かったわ。ここは任せたわよ!」


『うん!!』


 二人にそう言って、ゴブリン王のところへと急いだ。


「さあ! どこからでも!」


「かかっておいでー!」


『獣人型モンスターチルドレンの力を思い知れ! 悪いゴブリンさんたち!!』


 マナミとシオリは背中を合わせると、獣のように戦い始めた。


 *


「もー! しつこいわよ! あんた!」


「…………」


「なんとか言いなさいよ!」


「………………」


「あー! イライラするー!」


 ミノリ(吸血鬼)は突如として現れた『ゴブリン侍』を相手にしていた。

 日本刀を持ち、立派な黒い甲冑を身にまとった『そいつ』は一言も言葉を発さず、黙々とミノリに斬りかかっていた。

 ミノリが手を焼いていると、水でできた手裏剣が飛んできて『ゴブリン侍』の頬をかすめた。


「ミノリさん! ここは!」


「私たちに任せて先に行きなさい。アホ吸血鬼」


 その時、ミノリの背後から、ツキネ(黒髪ポニテのアパートの管理さんの姿に変身している変身型スライム)とコユリ(銀髪天使)が現れた。


「あ、あんたたち! 何やってるのよ! ここはあたしに任せ……」


「それはダメです! それにミノリさんは、一騎打ちが得意でしょう?」


「というわけで、今回は手柄を譲ります」


「あ、あんたたち……ありがとう! 必ず、あのブサイク王の首を取ってくるから、期待しててね!」


 ミノリ(吸血鬼)はそう言うと、『ゴブリン王』がいる方に走り始めた。


「さて……やりますか!」


 両手を水刃にしたツキネは、戦闘態勢をとった。


「そうね……さっさと倒しましょう」


 コユリは二枚の翼を広げると、羽をマシンガンのように発射できるようにした。


『いざ……参る!!』


 二人は協力して、『ゴブリン侍』を倒すことにした。


 *


「あー! もう! なんであたしのところには変なのしか来ないのよー!」


 ミノリ(吸血鬼)オーガ三体と戦っていた。


「もうー! 棍棒がでかすぎるのよ! 反則! 反則ー!」


 ミノリは棍棒に潰されかけた。しかし……。


「吹き飛べー!」


「ドーン!!」


「おらぁ!!」


 棍棒を風で吹き飛ばし、オーガ三体がいる地面が崩れるように地面に拳を打ち込み、崩れた地面に埋まったオーガ三体の顔面に一発ずつ拳を打ち込んだ者たちがいた。


「チエミ! ミサキ! カオリ! あんたたちの持ち場はここじゃないでしょ!」


「ミノリさんを助けちゃダメだなんて指示はなかったですから、命令違反ではありません」


「そうだね。僕たちはただ、ゴブリンを倒しにきただけだから、命令違反ではないね」


「ああ、そうだな。あたしらは強いやつと戦いたいからここに来ただけだ。だから、早く行け! ここはあたしらに任せろ!」


 チエミ(体長十五センチほどの黄緑髪ショートの妖精)。

 ミサキ(黒髪ベリーショートの巨大な亀型モンスターの本体)。

 カオリ(ピンク髪ロングの首から下が包帯のゾンビ)。

 その三人は、ミノリにそう言った。


「うん……わかった。じゃあ、またあとでね!」


 ミノリ(吸血鬼)は、オーガが落ちたところを避けながら、前進し始めた。


「さてと!」


「それじゃあ」


「やるか!」


 三人は、穴から這い上がってきたオーガ三体の相手をすることにした。

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