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〇〇は『蒲公英色に染まりし花畑』に行くそうです その15

 四月十七日。この日、主人公ナオトたちは『蒲公英たんぽぽ色に染まりし花畑』にやってきた。

 そこで出会った『ゴールデンサファイアント』の案内に従って歩いていくとラフレシア(ポ○モンじゃない方)サイズの『イエローズ』に出会った。

 しかし、モンスターチルドレンを元に戻せる薬の材料であるその花を花畑からってはいけなかった。

 そこでナオトはその花の種子だけをもらうためにその花と交渉した。

 結果、無事に種子を入手できた。

 ついでにナオトの触覚も治してくれた。(五感の方)

 そのあと、人型になった『イエローズ』の寿命が尽きかけていることを知ったナオトたちは『ゴールデンサファイアント』の仲間である十一月の誕生石を探そうとしたが、ナオトがすでに連れてきていたことに気づいたため、その手間は省けた。


 *


「おーい! ローズ! 連れてきたぞー!」


 彼は『ハトパーズ』と『ウシトリン』を連れて『ローズ』(イエローズのこと)のところに戻ってきた。(ダッシュで)


「よく見つけたな。どこにいたんだ?」


『ローズ』のその言葉を聞いた俺はこう言った。


「え? その辺にいたぞ?」


「……そ、そうか」


「ああ、そうだ。というか、みんなはどこに……」


 その時、イエローズ(身長『百三十センチ』の金髪ロングと金色の瞳が特徴的な幼女)はナオト(『第二形態』になった副作用でショタ化してしまった身長『百三十センチ』の主人公)を正面から押し倒した。


「お、おい、『ローズ』。いきなりどうしたんだ? 俺なんかしたか?」


 それを聞いた彼女は不気味な笑みを浮かべながら、こう言った。


「別にお前のせいではないさ。だが、ここまでお人好しな人間がいることに驚いているのは事実だ」


「えーっと、話が見えないんだけど、お前は俺に何をする気なんだ?」


「何をだと? そうだな、いい機会だから教えてやろう。察しが悪いのは時として自分の身を危険にさらすことになるということをな」


「だから、お前は何をする気なんだよ……って、口から、よだれが溢れ出てるぞ。腹でも減ったのか?」


「そうではないが、まあ、今から食事をすることには変わりはないな」


「えっと、もしかして今からお前が食べるのって」


「ふっふっふ。ようやく気づいたか。そうだ、今から私が食べるのは……お前の体だ」


「え、えーっと、何を言っているのか俺にはさっぱり分からないなー」


「ふん、まあいいだろう。私の計画を聞かせてから、あの世に送ってやる」


「ありがとう。それでその計画というのはどんなものなんだ?」


「ふっふっふ。では教えてやろう。私の完璧な計画の全貌を……!」


 その時、血液でできた日本刀が『イエローズ』の背中めがけて一直線に飛んできた。

 彼女は瞬時にそれを手刀で弾き返すと、それを投げた者に向かってこう言った。(立ち上がりながら)


「なんだ、もう来たのか」


 それに対してミノリ(吸血鬼)は。


「悪いわね、あたしたちモンスターチルドレンはどこにいても感情が高ぶっている人間の心の声が聞こえちゃうのよ」


「ほほう、モンスターチルドレンにはそんな能力もあるのか。あなどれないな」


「別に、そんな能力がなくても、家族に危険が迫っていることくらい普通に分かるわよ」


「愛されているのだな、ナオトは。しかし、そのナオトは私の手中しゅちゅうにあるぞ?」


「それがどうかしたの? あたしたちの未来の夫をあまり舐めないでほしいわね」


「さて、いつまでそんな口が聞けるかな? ……って、ナオトがいない! 一体どこへ行ったんだ!?」


 ナオトがいるはずの場所にナオトがいなかったことに気づいた『イエローズ』は慌てふためいていたが、その直後、空から声が聞こえてきた。


「おーい、俺ならここだぞー。びっくりしたかー?」


「な、なんだと!? あの短時間でどうやって空に!」


 ふわふわ飛んでいるナオトには一見何も付いていないように見えたが、『イエローズ』は数秒後にようやくそれに気づいた。


「さっきやってきた『金色のハト』がナオトの背中に張り付いて、まるでハチドリのように高速で翼を羽ばたかせているだとー!?」


「ピンポーン! だいせいかーい! お前がミノリと話している間に助けてもらったのさ。どうだ? 驚いたか?」


「ふん、どうやら、お前はただのお人好しではないようだな」


「当たり前だろー? そんなんじゃ、この世界で生きていけねえよ」


「ふふふ、そうだな。たしかにその通りだ。だが、お前は一つ重要なことを忘れているぞ?」


「重要なこと?」


「ああ、そうだ。とても重要なことだ。知りたいか?」


「知りたい! 知りたい!」


「そうか、そうか。お前がそこまで言うのなら、特別に教えてやろう。この状況において、とても重要なこと。それはな……」


『イエローズ』がそれについて話し始めようとした時。


「全員かかれー!」


『ウラアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』


 ミノリ(吸血鬼)の合図で十一人のモンスターチルドレンとその他の存在たち(エージェンツ)は一斉に『イエローズ』に襲いかかった。

 完全に油断していた『イエローズ』は全員の気迫に圧倒され、その場で動けなくなってしまった。


「観念しなさい! イエローズ!!」


「こんなはずじゃ……ない。だって、私はこの世界の真の女王に……」


「ごちゃごちゃうるさいわよ! あたしたちの前から消えなさああああああああああああああああい!!」


 ミノリ(吸血鬼)が自分の血液で作った刀で『イエローズ』の首を切ろうとした時。


「全員その辺にしとけ! もしそうしないのなら、全員ここで野宿だ!!」


 ナオトがみんなの方にふわふわと降下しながら、そう言うと。


『それだけは嫌だあああああああああああああ!!』


 そう言いながら、全員が急停止した。


「まったく、人の命も花の命も天秤にかけるまでもなく同価値なんだから、むやみに殺すなよ」


 ゆっくりと地面に着地しながら、そう言うナオトの元にみんなは集合した。


「さてと、おしおきは何がいいかな? 野宿はしないとしても、それ相応の罰は受けてもらうぞ」


『ご、ごめんなさい』


「俺じゃなくて『ローズ』に謝れよ」


『は、はい』


 全員がシュンとしていたが『イエローズ』のところに集まると。


『いきなり襲いかかったりして……ごめんなさい』


 ちゃんと頭を下げて謝った。


「え、あっ、えーっと、その……わ、私の方こそ、ごめんなさい」


『イエローズ』もそれに便乗したのか、ちゃんと頭を下げて謝った。その直後、ナオトがやってきて。


「よしよし、ちゃんと仲直りできたな。それじゃあ、早速、罰を受けてもらおうか。うーん、そうだなー、それじゃあ……」


 その時、ナオトは背後から何者かに刺された。

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