ストーリー
*後書きもご覧下さい
[ストーリー]
...... 人々の歴史に隠れるかの如く、人類にはもう一つの歴史が存在した。自然の物質全ての持つエネルギー『アストラル体』を自在に操る者共の歴史である。彼等は自らをいつしか『モリエイター』と呼んだ。
それは古来より存在した。武士の時代において彼等は雨乞いや占い等、まじない事を主な生業としていた。能力者は日本に限ったことではなく、外国にもその力を使用するものがいた。それらは時として『魔法』など様々に呼ばれながらして、それぞれ独自の手法により伝わっていただろう。
対になる者が同時に存在した。彼等は『インビュードハンター』と呼ばれ、人間以上の力を持つモリエイターを刈り取る地球側の抵抗勢力である。モリエイターの歴史はいわば、インビュードハンターとの血なまぐさい争いの歴史と言っても過言ではない。
いつの日か、富士山近辺から謎の石版が掘り起こされた。古来モリエイターの技術により暗号化されたそれは、解読すると謎めいた短い文章へと姿を変えた。
一人は金色の矢を放ち、一人は青の剣で舞い踊る。
そして光の涙により、世界は生命の光で満たされるだろう。
1945年。戦争終了を期に日本軍が解体されたが、その際の人事移動、要人の暗殺、その他の工作等により、モリエイター達は勢力を二つに二分した。
一つは古来からの伝統を守り継承する、少数だが重要な人物が集中する『穏健派』。
一つはインビュードとの正面衝突を前提とした、モリエイターの力を十二分に発揮しようとする『強行派』。
互いの考えは正反対だった。
穏健派は、石版の予言を信じ、息を潜めて『生命の光』で満たされる時を待つという考え。
強行派は、降りかかる火の粉は払いのけんとばかりに勢力を拡大し、インビュードハンターと真っ向から対峙するという考え。
しかし双方の考えはどちらも未来が見えぬものだった。インビュードハンターとは、モリエイターの数だけ増殖する地球の免疫抗体のようなもの。モリエイターが数を増やせば増やすほど、それと同じ数だけのインビュードハンターを増やす事につながる。
そして石版の内容自体、インビュードハンター側から見れば、彼らの敵であるモリエイターのいない世界こそがまさに『生命の光で満たされた世界』であるとも、とれなくはないのだ……。
その二つの抗争は激化を増す一方、同時にインビュードハンターにとって格好の『狩り時』となった。そしてある時、漁夫の利を得たインビュードハンターは混乱に乗じて、双方の首領を始末する。
それから暗黒の時代が始まった。互いに頭脳を失ったモリエイター達は息を潜め、日本の各地へ潜伏した。しかしそれでも『穏健派』と『強行派』の抗争は続いていた。
インビュードハンターは一方的なモリエイターの狩りを行い、逃げ損ねたモリエイター達は成す術もなく始末される結果となった。それは『穏健派』、『強行派』どちらにも該当し、その二つの勢力は互いに争いながらも、第三勢力の脅威に常に晒されているのだ。
その後、闘争本能が強い日本以外のモリエイターほぼ全てがインビュードハンターによって刈り尽くされ、運良くその手から逃れたモリエイターは日本へと集結した。そして二つの勢力に加担する事となる。
争いを避け、ただ安息と平穏を求める者は穏健派へ。
インビュードハンターへの復讐を誓い、殺戮と闘争の炎の中に身を投じる者は強行派へと。
激化する戦線で、何故戦うのか。モリエイター達はその理由を忘れかけていたが、脳裏にちらつく想像したくもない考えが、彼等に不安をあおりかけていた。
この戦いに終わりなどないのではないか、という不安が。
そして20XX年。暗黒の時代は今なお続いていた。モリエイター達の最後の聖地『日本』で、今日もアストラルストームが吹き荒れようとしている……。
資料集的なもの⇒http://www47.atwiki.jp/asutorarusuto-mu/
メチャクチャ単純な話なのに何故か難しい話を読んでいる気分になれる作品……
それがこの、アストラルストームだ!!!!
意味分かんねぇ設定なんぞ理解する必要なし! 誤字脱字もなんのその!
ハチャメチャな展開だけを楽しむ感じで、グダグダと長い文脈は飛ばし読みすりゃー皆HAPPY!
*注意点*
前半の書き方が馴染めないという方は、後半の『13.5章』からお読みください。するといきなり大変なシーンから始まりますが、前書き部分にあらすじを添付したので、どういった状況になっているのかは把握できると思います。具体的に前半は一体どう進んできたのか、と興味が沸いた方は、どうぞ最初のほうに戻ってお読みください。
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これほど『書き方』が変わる作品も珍しいですが、前半から後半にかけてガラリと変わります。しかし作品全体の雰囲気ではなく、あくまで状況描写の変化であり、作品を書くにつれて『作者の描写力』がレベルアップした結果だと思います(雰囲気は気に入っているので、がんばって継続させています)。
前半は『効果音』がそのまま書かれています。
たとえば、
銃を撃つ際の発射音『ドガガガガ!』
つばぜり合いの音 『ガギィン!』
など。
これらは良くも悪くも『子供っぽい』と感じるようになったので、後半(13.5章)からはそういった表現はしておりません。ちなみに13.5章以降は、作品を放置して一年経過した頃に書き始めたものです。
また、前半は『主人公(睦月君)の考え』と『説明文』が混合した描写法になっています。別にそれでもいいかと思いましたが、読んでいるとどうにも乱雑な、汚いイメージがやけに鼻につくので(もちろんそう思うのは人それぞれで、もしかしたら後半になってもかもしれませんが)、主人公の考えはカッコ書きの中へ表記することにしました。
後半に継承されているのは、多分において賛否両論になるであろう『ダメージボイス』と、『読むに耐えないキャラ達の訛った口調』『まさに蛇足と言うべき余計な説明文』などです。
この作品は基本的にシリアスなストーリーでありながら、赤面必須のどうしようもないギャグを連発するという側面を持つため、これは外せないアクターであり、本作の味なのです。もちろんこのような下らないおちゃらけた部分を省略すれば、本格的な殺しの作品ができるのでしょうが、それでは作者のモチベーションがなくなってしまうので、やはり必要です。さらに言うなれば、『読者の大半が「???」とはてなマークを頭上に浮かべてしまうような内容の事柄をゲラゲラ笑い転げたりする登場人物達』は一部に過ぎないので、こういった連中が出ないお話になれば、それこそ真面目な作風となることでしょう。
しかしながら実際は『キャラの喋り方が恐ろしく訛っている』というのは作者も薄々感じており、どうにかならないかと案じてはいるものの、『作者本人がそうであるために』、治すに治せないというのが現状です。
このような問題点満載(言い訳だらけ)の本作ですが、客観的にサラリと読み飛ばしてみて、それでも大丈夫だという方がいて下されば幸いです。