表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

プロローグ

時代背景や設定がまだアバウトでツッコミ所が多いと思いますが、細かいことは徐々に明らかになっていく予定です。

 かつて人間の細胞再生技術が開発されていなかった時代…人々はこの世に生を受けた時より、いつ訪れるかわからない『死』を恐れていた。

  医療は意味をなさず、しかし『死』を恐れる当時の人々は僅かに生きながらえるための延命治療にすがった。

 また、『殺人』と呼ばれる、人を『死』においやる犯罪まで存在したという。



 しかしそんな時代も終わりを告げたーー



 *


「あーーー!エンってばまたこんなこんな所にいたの⁈」


 書庫に聞き慣れた声が響く。

 その声のする方に俺ーー幸峰 縁(こうのみねえん)は振り向いた。


 書庫のドアの前には、ワンピースタイプの白の制服を着た 肩くらいの漆色の髪の少女が立っていた。


「なんだ、ラナか」


「なんだじゃないよ!もう、お昼休み終わっちゃうよー?」



 彼女の名は音無(おとなし)ラナ。を俺の幼馴染…というかくされ縁で、俺の世話なんかをよくやく、お節介なやつだ。



「ごめんって。もうそんなに時間絶ってたのか…」


「ほらほら、早く行かないと。次の授業は現社だよ!」



 *


「かつて 『暗黒時代(あんこくじだい)』と呼ばれた時代、世界では争いが絶えなかった。何千年もの間繰り替えされた『戦争』では、多くの者が兵器や毒薬によって『殺害』されていた。教科書にも暗黒時代の歴史が記載されているが、我々『未来人(みらいびと)』はそんな過去の無益な争いのことからは何も学ばない。学ぶ必要はない。暗黒時代は永久に過去に封印されるだろう!」


 教師が話し終わると同時にどこからともなく拍手がおき、次第に一人、またひとりと生徒が立ち上がり、それは教室中で喝采となった…らしい。


「ねえ、エン!起きてってば!」


 俺は寝ていたので覚えていない。



 *


「かつて『暗黒時代』では、医学に乗っ取った保健の授業をしていたらしいですが、それももう過去の話。えぇ、今はもう必要ではないですからね。再生細胞技術が開発されてからは、私たち人類のライフスタイルは大幅に変わりました!皆さんが常用している『カプセル』。今ではもう当たり前のものですが、これが昔と今を決定的に分けています。私たちはカプセルを24時間に一度投与して月に一度『検査』を受けていますね。それによって我々未来人は…」




「…不老不死となったのです」







「ちょっとエン!また寝てるの⁉︎今日はもう保健の授業で終わりなんだから、おーきーてーーー‼︎」


 隣の席からラナが小さな声で俺に何度も何かを言っていた気がしたが、俺は寝ていたので(以下略)。




 *


「ふぅ。やっと一日が終わったな」


「ほとんど寝てた人が言えた台詞じゃないと思うけど…」


 

 放課後、俺はいつも通りラナと話をしながら帰る。

 歩く度にサラサラと揺れる、漆色のラナの髪を見るのが俺は好きだ。


「それにしても、もう大分『未来人』増えてきたよねー。もうクラスのほとんどがそうみたい」


「クラスだけじゃないだろ。もう俺たちの周りに投与してないやつはいねぇよ」


「え!そうだったの⁈」


「お前、本当に知らなかったのか…」


 俺は少々呆れたが、そういう少し…いやかなり天然な所も含めてラナだ。それに、ラナがあまりクラスメイトと話をしないのはら俺の世話を焼きすぎているからでもある。彼女の世間知らずは、俺が原因なのだ。


「し、知らなくたっていいよーだ!エンこそ、次の試験の範囲、私に泣きついてきたって知らないんだから」


「すみませんでしたあぁぁぁラナ様‼︎」


「わかればいいんだよー、わかれば!」



 そう言ってラナはニッと笑う。 ちくしょう、可愛いじゃねぇか!!

  しばらくして、ラナが口を開く。


「ねぇ、エン」


「おー、なんだ?」


 何気なくラナの方を見た俺は、息をのんだ。ラナの目が、真っ直ぐ俺を見据えていた。ずっと一緒にいたのだ。ラナが真面目に何かを訴えようとしているのなんてすぐにわかる。


「…どうした?」


「…」


 

 俺もラナの目を見る。彼女の口がゆっくりと開き、そしてはっきりと告げる。



「この世界は間違ってる」




 瞬間、俺とラナ以外の音が消えた気がした。



「そうだな」


「私は絶対にカプセルなんか飲まない。私は最期まで、この身体で生きる」



 それは俺に告げたのか、自己暗示なのか定かではないが、この時俺もラナと同じ目をしていたに違いない。俺もラナと同じ思いなのだから。


 俺もそうだ、と伝えようとした時、ちょうど鞄の中の携帯が鳴った。こんな時に…と思って送信元を見ると、俺たちの育ての親…倉良(くらら)さんからだった。


「悪ぃ。ちょっと出ていいか?」


「倉良さんから?」


「あぁ、なんだろ…夕飯の買い出しかな」


「あ、あれ?私も倉良さんから不在着信がある…」



 ラナが言い終わらないうちに、俺は電話に出た。



「もしもし、縁です。」


「あぁ、やっと出た‼︎ 縁くん、今どこにいるの⁈」



 電話から聞こえる倉良さんの声は、やけに切羽詰まった様子だ。



「もうすぐで家に着きますよ。ラナも一緒です」


「そう…よかった、ラナちゃんも無事なのね」



 無事、という言葉に嫌な予感を覚えた。



「何かあったんですか?」


「えぇ…落ち着いて聞いてね…。さっき、ついに…





  不老不死化が義務化された…‼︎」


初投稿になります。まだ展開的にタイトルの意味が全くわからない感じですね…すみません。まだ登場人物が少ないですが、これからはバトルや女の子たちをたくさん書いていく予定です。不定期更新になるとは思いますが、読んでくださるとうれしいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ