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6話「慕情の果て」

Hero6:慕情の果て


・トゥオゥンダ。

本名:朝吹勇人は21歳の大学3年生。

3年生組の中では誕生日が早い方なので唯一21歳になっている。

さて、そんな彼だが。

「・・・彼女欲すぃぃなぁぁぁっ!!」

「どうした?ラブ○ラスならこないだ発売されたばかりだぞ?」

「ちげぇよ!本物だよ!人間の彼女が欲しいんだよ!!」

童貞である。彼女いない歴21年の青少年である。

「そう言えばこないだお隣でヤギの子供が生まれたそうだぞ。メスで。」

「だから人類だよ!なんで哺乳類という共通点しか見出せていないんだよ!

どうして偶蹄目の新生児を高校以来の友人の配偶者にしたがるんだよ!?」

零、ジキルと共に大学近くのラーメン屋で昼を食べているこの頃。

「なら赤羽を拉致してこよう。」

「は?」


翌日。

赤羽の高校へと向かった。

「オォジャンヌ!ジャンヌではありませんか!!」

ローブ羽織ってインスマウス顔になった3人が通学時間帯の高校に突入して

次々とこの文句で女子高生達をカメラで収めていく。

「オラ、この中から拉致監禁=お前だけの

好き好き大好きな彼女を調達するがいい。」

「いや、ノリで一緒にやっていたがこれ普通に問題だろぉが!!」

「・・・・何してるんですか?」

偶然通りかかった赤羽が苦悶の表情でこちらを見つめていた。

「おう、コイツがお前に話があるって。」

「Hey,you?お前日本語分かんねぇのか!?」

元の姿に戻ったトゥオゥンダが零を羽交い締めにして締め上げる。

「・・・まあ、そろそろ退散した方がよさそうだな。」

「よし!行くぞ!!」

「え、あ、ちょっと!!」

そして零が赤羽を担ぎ上げて3人は全速力で走り去った。

「・・・あれって・・・」

校門から走り抜けた辺りで同じ顔の少女二人がいたような気がした。


・「・・・で、私に何か用ですか?」

英雄部部室。

フルボッコにされた3人を足蹴に赤羽がドスの効いた声を響かせる。

「何かするんですか?」

「またあんたらは問題を起こして・・・」

「どうかなさったのでぇ~?」

ついでに智恵理、由良、明代の3人も呼んでおいた。

当然部室に住み着いているまほろもいる。

「ほら、女子オールスターだ。間宮○司並みに優雅に爆死するがいい。」

「お前なんぞ恨みでもあるんか!?」

打点の肉を背後にまでぶっ飛ばすつもりでのボディブロー、

斬首するつもりで背後から振り向き際に日本刀でブッタ斬り、

最後にメタリ○ム光線を放った。

「さ、さっきからどうして俺まで・・・・」

「ふう、驚かせやがって・・・。」

煙が晴れると無傷の零が酒をかっくらい、

その足元にジキルがボロボロで倒れていた。

「いやいや、蛾超獣をオーバーキルしたコンボを受けて

無駄口叩けるのは十分すぎるほどタフだぞ。

やったねたえちゃん!これで魚怪獣の顎とか両足とか引き裂けるよ!!

ほら、ヌカ喜びするがいい!この塵芥めが!!フハハハハハ!!!」


数分後。

「ふむ、こんな感じかな。」

トゥオゥンダとジキルがDVDを参考にム○チ虐殺シーンに

良かれと思ってバー○ンによるケ○ジラ虐殺シーンを加えた

始終を零にお見舞いした。

「・・・昭和特撮の2大残虐シーンを一人相手にやるのはどうかと・・・」

「見えないよお姉ちゃん・・・・。」

「どうしてあたしに目隠しするのかな?かな?」

明代とまほろに由良と赤羽が目隠しをして過ごしていた。

「ほら、いいから決めてみろ。何のためにここまで大暴れしたと思ってる?」

「100%お前が暴れたいからだけだろうが。」

そう言ってトゥオゥンダは踵を返した。

「・・・一生童貞。」

「ぐっ、」

「あと9年で魔法使い。」

「ぐぐっ・・・!」

「そのうち自分だけの境地にたどり着いてインフィニティーになるだろうな。

童貞 is your destiny,infinity」

「コオカアアアアアアアッッ!!

カカカカカカカカカッカアーッ!!!カカカーッ!!!カーッ!!!」

発作を起こしてトゥオゥンダは零の頭頂部の髪を毟り始めた。

「あ、バカ!やめろ!男の命の1つが・・・!」

「コカコカコカコカコカコカカカァーッ!!カーッ!!」


数時間後。

21の植毛グッズを涙目ながら頭に捧げる零と

荒々しく呼吸しながらもパカチコンボの智恵理と赤羽に

ねじ伏せられているトゥオゥンダ。

「で、いいのか?ただでさえ高校時代にさえ春がなかったお前だぞ。

学生生活最後の安息の4年間の半分を過ぎたというのに。

まあ本気で枯れそうな花を蘇らせる希望になりたいというのなら構わないが。」

「・・・ふん、ならば言おうじゃないか。

悪いが俺、童貞なんだ。そんじゃそこらの地上人程度に

俺の純潔は渡せねぇなぁ!!」

「・・・あっ、」

「・・・へえ、」

「・・・・・。」

その言葉に反応する智恵理、由良、明代。

「・・・え、何この反応・・・まさかなのか・・・!?」

「ふん、今更遅いわ!フゥゥゥハァァァァハッハッハッハッハッハハハ!!」

開き直り涙目ながら高笑いをこだまさせる男一匹・朝吹勇人。

その後、某電磁戦隊のDVDを購入してより決意と魔力を固めるのであった。

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