4話「変人総進撃」
Hero4:変人総進撃
・5月。
某紅い瞳で人工生命な少女を賭けて
男子高校生二人が3本勝負を行なっていたのと同じ頃。
大学のグラウンドでは3人の変人が覇を競っていた。
「やれやれ・・・。明代がその気になったらすごく厄介だってのは
分かってたがまさか智恵理がここまでぶっ飛んでるとは・・・」
鉄柱の上に立つ零。
「・・・うふふ・・・。」
グラウンドに空いた無数の穴。
その隙間に立つは頭にパンツを被った智恵理。
「アハハハハ!!!アハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
そして、零の向かい。
炎上する民家の屋根の上に立つは明代。
・それは今朝のこと。
前日の夜から部室で徹マンしていた零、トゥオゥンダ、ジキル、由良。
持ち点10万点で誰かが飛ばされるまで続けるルールで
11時間の死闘の末に零が他3人全員の持ち点を500点にしてから
国士無双をツモって皆殺しにしてから購買に向かう途中。
「ん?」
自販機の前にまほろがいて激しく側面を殴っていた。
「まほろちゃん・・・?何してるの?」
「あ、お兄ちゃん。お兄ちゃんが持ってたゲームでね。
120円入れて殴るとジュースが出てくるのが
あったからやってみたんだけど・・・。」
「まほろちゃん、それはフィクションだ。
もしくは微ポンコツで且つあの作品でほぼ唯一年齢が判明していながら
18禁作品に出ているあの夏の代表者たるポニテさんじゃないと無理だよ。」
零が普通にボタンを押して炭酸水を購入してまほろに手渡す。
「お兄ちゃんどこ行くの?」
「なにか食べ物でも買おうと思ってね。
・・そういえばまほろちゃんこの大学に住んでるんだよね。
何か買ってあげようか?パンツとか。」
「甲斐さん、甘いですね。」
と、そこへ智恵理が来た。
「まほろちゃんのパンツなら私が調達していますよ。
一番近い幼稚園に潜入してそこの子達から頂いていますとも。」
「お、おお、そ、そうか・・・。」
「という訳でまほろちゃん。今履いてるパンツください。」
「おい変態淑女そこまでにしておけよ。」
「いえ、甲斐さんといえどここは引けません!」
そう言って智恵理はまほろからパンツをひったくって頭にかぶる。
「パンツ・かぶる・智恵理。パ・カ・チ!パカチ・コンボ!!」
何故か変身するとまほろを抱えて外に走り出した。
「その格好は色々とまずいぞ智恵理!!」
零も追いかけて場所はグラウンド。
智恵理が担いで爆走する中そのまほろの
ノーパンを100万画素のデジタルビデオカメラで撮影するため
無駄に無駄がない断じて無駄だといえる無駄な動きで
追跡する零。
このふたりの攻防によって生じた意味ありげな意味不明衝撃波によって
次々とクレーターが発生したり周辺民家の窓ガラスが割れたり
某働かない漫画家のハワイ旅行が決まったり様々な被害が起きる。
「もう甲斐さん?あまり暴れるとまほろちゃんが怪我するじゃないですか。」
「なら下ろしてそのコンボを解除するんだ。」
「仕方ないですね。」
智恵理はまほろを置くと、
「ドリル・つばさ・智恵理。ドォリィィバリィィィ!ドリバリーコンボ!!」
智恵理は翼を生やし右腕にドリルを構えて飛翔した。
「ちえりちゃんすごいね。」
「きゃー!きゃー!まほろちゃんに名前で呼ばれましたよ!きゃー!!」
「ええい!!空の上でドリル持って喚くな!!」
と、そこへ。
「ふ、二人共・・・すごい・・・ジンジン来ちゃぅよぉ・・・////」
早くも発情した明代がやってきた。
「・・・・や、」
「やばいのを呼び寄せちゃった・・・!!」
「もっと・・・・もっと!もっともっともっともっともっともっともっと!!
あなた達の強さをあたしに見せてぇ~・・・・!!!」
宙に浮きだした明代が恍惚のポーズを取ると
正面の地面に大きな穴が空いた。
明代の背後には巨大なマンモスっぽい何かのイメージがうっすらと見える。
「幽波紋・・・!?」
「アハハハハ!!!アハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
明代の狂気じみた笑い声が響くほどに
周囲の地面に穴が開けられていく。
「くっ・・・!智恵理も相当やるのは分かってたけど
明代がここまでぶっ飛んでるってのは想定外だった・・・!」
鉄柱の上に飛び移る零。
穴と穴の間のわずかな足場に立つ智恵理。
そして炎上する民家の上に立つ明代。
その背後には相変わらずうっすらとしか見えないがマンモスのような
巨大生物のイメージが唸りを上げている。
「・・・メダルの王に幽波紋か。
一気にインフレだな。早いな、インフレ。まだ4話だぜ?」
ブツブツ言いながらも明代の攻撃を回避しながら
まほろの撮影をやめない零。
「もう甲斐さんったら!これ以上やるとプテラとトリケラとティラノの
コンボを使わざるを得ませんよ?」
「それを使ったらこの小説が発禁になる!」
「そうだよぅ・・・もっと!もっともっともっと!
強いのを見せてあたしにぃ~!!」
明代が身をよじると一際大きな穴がグラウンドに開けられ
深くまで地面が粉砕された。
その結果打撃地点は震源となってしまった。
「あ、やべ・・・・」
結果。戦場を震源に日本全体に震度6の大地震が発生。
「わ、なんだ!?」
部室でと○メモをやっていたトゥオゥンダのゲーム機に
花瓶が降ってきてオジャンに。
「・・・やばいな。今ので日本が冗談抜きで沈みかねなくなった。」
「どういうことですか?」
「・・・日本列島の地層に穴が開いた。
こりゃ地震とか地割れとかそんなもんじゃない。
もっとでっかい事が起きるな。・・・とりあえず、」
「あ」
「お前は今は眠っとけ。」
一瞬で明代の背後に回り込んで後頭部にチョップ。
あっけなく気絶させた。
「・・・で、どうするんですか?」
「・・・治してくる。」
そう言って零は穴の中に飛び降りた。
数時間後。すべての穴を塞ぎながら零が戻ってきた。
「・・・そう言や徹夜してたんだった・・・」
完全に体力が尽きて零はそのまま倒れた。
結果その後30時間以上の眠りに就いた。
「・・・私の一人勝ちでいいですよね?」
そう言って智恵理はまほろを担いで寝室へと向かった。