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勇者病

これが1作目でしたが、投稿に失敗しておりました(T-T)

どうぞお手柔らかにお願いいたします。(^人^)

  この世界はリセルナイルという。リセルは母神ナイルは円卓という意味だ、相手がすっかり絶望に浸っていたので、場の空気を和ませようとして「つまり、おかんのちゃぶ台だな」と言ったら「なんて訳し方するのよ!」と同僚に殴られた、医療職のくせに暴力を振るうなよ、今年の初め、自殺未遂の少女を手当てしていた時の事……


  街道を塞いでいた20匹程の魔獣の群れを商隊にも部下にさしたる被害も出さずに、さくっと討伐して東門の騎士団詰め所に帰還すると、留置場の中で喚いている奴が居た、

「おおい、今戻ったぞ、お疲れさん、留守中何かあった?みたいだな、酔っぱらいか?」

「お帰りなさいドレイク隊長、討伐お疲れさまです、いいえ『勇者病』ですよ、すぐそこの食堂で俺らが交代で昼飯を食ってたら、若い男が食堂の親父も他の客もいる中に入って来て堂々と銭箱の中に手を突っ込んで金を盗ろうとして、取り押さえられたんですが、隣り近所の家も調べたら案の定、服やら靴やら色々と被害にあってましたね。」

 

『勇者病』所謂中二病か、多いんだよな、でもゲームと混同して街中のアイテムを好き勝手に取っても良いとか思い込むパターンの奴は珍しいな、前世の記憶を取り戻したとか騒ぎ出す奴はこのエスタル市でも年に5~6人はいるんだが。大半は前世で身につけた知識と技術で堅実に暮らしている方が多い。外見は他の住人と何も変わらないので実際はもっと多いのかも知れない。


 取り調べしたくねえ~ こうゆう野郎は人の話しを全く聞かない!絶対に聞かない!


  前世は別の世界の住人だったと言うのは実は結構多い。

 そしてこの世界には、魔族も魔王(時々封印されている時期もあるが)も邪神も居る。

 問題なのはこの邪神で、こいつは魂喰らい(ソウルイーター)だ。

 魔族は人や様々な生き物を殺して魔王と邪神に捧げて力を得る、遺体は打ち捨てられ魂は邪神に喰われてそのエネルギーとして消化され、次の転生は当然無い。魂の総数が減るとこの世界も先細る。

 だから魂で溢れているのに少子化で、転生が順番待ちになってる所からきちんと記憶も消さずにかき集めてきたと。この世界の女神様はずいぶんいい加減な神様だな。


 息継ぎしてんのか?と聞きたくなる位の勢いでまくし立てる、勘違いで残念な中二トークは全部聞き流す、当然だ、こっちは危険な仕事をこなして疲れてるってのに付き合ってられるか、馬鹿くせえ。

「この紙に名前、年齢、勤め先と住所、覚えてると言い張るなら、前世の名前、性別、国名、住所、職業、特技、死亡原因と享年その他、この国の文字と、前世の文字と両方で書け。」

「何で両方で書くんだよ?だいたい死亡原因てデリカシー無くね?」


 勘違いな自称転生者、その実態は現行犯逮捕の窃盗犯人は痩せていると言うよりやつれている十代後半の青髪の男だ、全身骨と皮、若いのに皮膚に艶が無く髪もパサパサ、どこからどう見てもかろうじて奴隷に堕ちていない庶民そのもの。とうてい「選ばれた特別な存在」とやらには見え無い。


「偽物が出るからだ、国にとって有益な知識や技術を持っていると認められれば国からそれなりに支援を受けられる、また、お前の様に犯罪を犯した者でも、記憶が戻った事に因る混乱状態と認められるなら情状酌量もありうるから、減刑を狙って転生者のふりをする。」

「偽物じゃねえよ、大体あんた『日本語』で書いたって読めるのかよ」


 口のききかたがなってないぞ、現在庶民兼こそ泥。


「問題ない、文官でも武官でも管理職は最低でも2種類は向こうの言葉を身に付ける、俺は日本語と英語だな」

 今この詰め所で俺しかいねえから俺に面倒が回って来たんだ。でも日本か、他の国の奴なら良かったのに。

 話した感触では偽物のセンは無いだろう、逮捕時の言動を考えれば、教育を受けられない別の国の出身ということも無い、むしろ衣食住満ち足りてゲームとラノベにどっぷり浸かった甘ったれだ。


 どうして何の根拠も無く自分の将来が優遇されるはずだと思い込めるのか謎だ、長くなりそうだな、取り調べ。









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