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元傭兵ですが士官学校に入学します。  作者: アクアマリン
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⑦戦いを前にして

「リーダー」


リーダーが広場で仲間達と作業をしていると門の方から一人の自警団に所属していると思われる、一人の男が広場に向かって走ってきた。


リーダーのいる広場に着くと、リーダの近くに行き焦った形相でリーダーに話しかけた。


リーダーはその顔を見るなり、敵に異変があったのだと思い自分の焦りたい気持ちを抑え冷静に身構え、周りで作業をしている仲間を一度解散させ、そいつの話を聞くことにした。



「どうした、そんな焦った顔をして何かあったのか?」


「それが一時間ほど前、敵がこちらへの進軍準備思しき行動を起こしましたので、報告に上がった次第です。」


思った通りの報告を受けた、リーダーは予想が当たってしまったことに残念にお思いながら、真剣なおももちで話を続けた。


「そうか、わかった。この話は他言無用で頼む。もしこの話が今広がればいらん動揺を皆に与えることになる、確実にこちらに進軍した報告が入り次第皆に報告する。」


「かしこまりました。」


報告に来た自警団に所属している男は、報告が終わると門の方に去って行った。



リーダーはまず、報告を受けた内容を整理し先ほど一緒に作業していた仲間を集め、今回の偵察兵に出ていた自警団員の報告と傭兵との交渉の結果を話すため、今この村にいる隊長級の者とサットを村長のいる家に集合させることにした。


リーダーは隊長級の者に集合の命令を出すと、皆よりも早く村長の家に向かい報告の概要とリーダーの知っている傭兵の情報を報告することにした。


村長に報告が終わると同時に隊長級の者が集まりだし、サットも隊長級の者と一緒に集まった。


命令を受けた全員が集まるとリーダーは隊長級の者とリーダーが向かい合う形でおもむろに話だした。


「今回皆を呼んだのは報告しないといけない重要な報告が二つあり、皆で協議したいと思ったからだ。」


呼ばれた隊長級の者は顔色を変えず冷静に耳をリーダーに向けた。


「まず一つ目の報告だが偵察に出ている自警団員の一人からの報告だが、敵に進軍の準備と思わしき行動をしていると報告が入った。」


一つ目の報告が終わると、先ほどとは違い村長の家には緊迫した空気が流れだし、村長の家は静寂に包まれた。


「二つ目の報告はサット・ミドルが交渉をしてきた傭兵の話になる。私も詳しい話をまだ聞いていないのでサットから報告を頼む。」


指名を受けたサットは真剣な面持ちで、隊長級の集まる一番後ろから、リーダーの隣に歩みを進めた。


皆を前にしサットはさすが強い精神力を持っているといわれるように、堂々と隊長級の者を前にし話し出した。


「今回傭兵との交渉の結果報告をいたします。まず結果から言いますと交渉は成功いたしました。」


結果を受けた隊長級の者は緊張が緩まり先ほどの緊迫した空気と静寂がなくなり、周りではその報告を口に出して喜ぶ者もいた。


サットは皆が一度落ち着いたところを見計らい、先ほどの話を続けた。


「報告を続けますが、準備をしたら2日以内にはこちらに向かうと受けましたので、傭兵は今日か明後日には到着すると思われます。そして仲間の傭兵の数は不明ですが、私が敵の規模を話した時勝てると断言してくださったことから、それなりの人数はこちらに救援に来ると思われます。」


それを聞いた村長やリーダーを含め、皆先ほどの緊迫した空気を忘れたかのように村長の部屋はいつもどうりの平穏な空気に戻りだした。


サットは、みんなの表情を見てにこやかに笑ったが、すぐ冷静な口調で顔に戻った。 


「みなさん最後に一つお話ししなくてはならないことがあります。傭兵を呼べるようになりましたが、傭兵とは元来金で動くものです。前金として金5枚、戦勝報酬として金15枚の契約を交わしてきました。皆様に前もって協議してから交渉にあたるのが適当なのでしょうが、急を要したため私の村から出せると思った範囲で交渉にあたらせていただきました。」


金額が金額だけに村長とリーダーを含め皆は驚きを隠せなかった。


この国には銅貨、銀貨、金貨とあり銅貨1000枚で銀貨一枚、銀貨100枚で金一枚価値にあたる。さらに一年一所懸命村の男が働いて稼げるのが銀貨50枚といわれている。


サットは隊長級の者を見回し、村長の家が再度静寂した重い空気に包まれたが、サット気にせず冷静な口調で話を続けた。


「しかし前金に関しましてはリーダーからいただいた、お金で賄えましたので、残りの金貨15枚を村で集めることになるでしょう、みなさん申し訳ありませんがご協力お願いいたします。」



サットの話が終わるとサットは隊長級の間を抜け最初にいた一番後ろの場所に戻った。


静寂した重い空気を断ち切るべくリーダが皆に話しかけた。


「これで今回の報告は以上となるが敵の情報に関しては他言無用で頼む、それと傭兵にかかるお金に関しては皆にすまないと思う、だがもし村を失った場合の損害は我々に想像できないものとなるだろう、だから今回は目をつむって協力してくれ。」


リーダーが深く隊長級の者に頭を下げると後ろにいた村長もリーダーの隣に来て深く頭を下げた。


その光景を見た隊長級の者はリーダーと村長に頭を下げないでくいいながら村長とリーダーの近くに行き、皆は村長とリ―ダ―の手を握り一人の隊長級の者が優しい口調で話かけた。


「なに言ってらっしゃるんですか、我々は仲間じゃないですか頭を上げてください、お金に関しては我々隊長級の者も協力させていただきますので。」


その後、村長の家は穏やかな空気が流れ初め、皆は心も一つにし皆は全力で敵に挑むと再度誓ったのであった。


リーダーの話が終わるとリーダーと村長を含め皆は持ち場に戻り始めた。


しかしサットだけが残っており、重要な話があるといいリーダーと村長を引き留めた。


















読んでくださり有り難うございます。


今回は戦い直前の話になりましたが楽しんでくれましたでしょうか?


何かご意見ご感想がありましたらお願いいたします。




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