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元傭兵ですが士官学校に入学します。  作者: アクアマリン
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④救援交渉

エルはサットを和風の客間に案内すると、早速要件について聞こうとすべてを見透かしたように、偉そうな顔で話かけた。なぜならば昨晩サットが寝ている山の中間地点まで行き、サットの主な用件そしてサットという人物と少し会話をしたため信用できる人物だと思ったからだ。


エルはサットと相対する形であぐらをかきながら、偉そうに話しだした。


「で、要件とはなんだ?」


サットはエルの方から話しかけてきたことに驚きを隠せずにいたが、正座をし背をっかり伸ばし落ち着いた口調で冷静に要件を話出した。


「エルデスト・フリーゼル殿はご存じかもしれませんが、先の大戦が終わり帝国軍は中心都市の復興や警備で忙しいため、村々への帝国兵の派遣は厳しい状況にあります。」


サットは今の現象がとても悔しく思いながら、エルの目をじっと見ながら話を続けた。


「さらに大戦終了後、職を失った傭兵どもは山賊の物真似をし、標的となった村々から略奪を繰り返しています。そして標的となった村々は農地は荒らされ、村は破壊され、復興に多大な費用と時間がかかるため、略奪にあった村は再度そこに住むことが困難になってしまうのです。」


エルデストフリーゼルは天井を見上げ両手も一緒に上げ後ろに倒れ込ながら頷き、ため息をついた。


「同じ傭兵稼業をしていた者として嘆かわしいな。」


サットは、倒れていくエルにつられるように片手を伸ばし少し前のめりになった。


その後きを取り直し、真剣な顔つきで話を続けた。


「ここからが本題なのですが、その標的に私たちの村がなってしまい今一刻を争う状況にあります。そのため自警団のリーダーからご紹介されたあなた方に助けていただきたいのです。」


組んでいるあぐらを辞め、立ち上がり腕を組むとエルデスト・フリーゼルは即答で返事をした。


「よかろう」


あっけない返答にサットは目、冷静さを失い驚きの顔で斜め上にいるエルを見た。


「本当ですか、まだ報酬の話や相手の規模やここちらの状況など話していないのに。」


大きな声で笑い自信満々の声で返答した。


「私は偉いのでな構わん。だがやはり報酬と敵の規模が気なるな」


サットは懐にしまってあったお金を取り出し、エルの足元にさしだした。


「報酬は前金として金貨5枚、成功報酬として金貨15枚でどうでしょう。」



エルは足元をちらっと見た後、サットの目を前のみりになりながら見ると、偉そうに笑ながら一言呟いた。




「よかろう。」


エルはあぐらに戻るとサットの話の都筑を聞き出した。


「次に敵の規模ですが、相手は総勢300、騎兵100 歩兵200です。ですがこちらは自警団を含め戦闘初心者が過半数を占める歩兵200のみです。」



サットは落ち着きを取り戻し、いつもの冷静さを取り戻すと、落ち着いた口調で話を続けた。


「早速ですが傭兵達に準備をさせ、至急救援に来てくださいませんでしょうか?」


エルは頷きながら返答を続けた。


「あいわかった、明日か明後日までに用意し向かおう。」


「では、準備ができましたらお迎えに上がります。」




「いや、よい先に村に帰り、仲間に我々が来ることを伝えるのだ。」

「ですが…」


エルは片手でサットをあしらうような動作をした。 


「はよ行けこちらも準備があるのでな、行かんと救援に行かんぞ」


サットはエルの言葉に戸惑いつつ村に向かう支度をした、支度と言っても客間にある物をとっていくだけだが。


「サットとやら、もし私が来る前に敵が攻めてきたら、どのように動けば良いか、ここに書いておいた。この書簡も持っていけ、だが敵が攻めてくるまで開けてはならんぞ」


エルは昨日書き留めたのであろう書簡を懐から出すとサットをに手渡した。


エルデスト・フリーゼルの偉そうに笑った顔を見ながらサットは、書簡を受け取った。


そして、エルに村の地図を渡すと村に向かう準備をした。


「感謝いたします。では早く仲間に伝えるため至急村に向かいたいと思います。」


エルは偉そうな顔で見送った。





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