気付いたら異世界
「クッソ。またやられた。上手すぎだろ、このスナイパー。」
FPSで廃人にキルされっぱなしの俺こと真淵条介は、この後、人生が変わるくらいの出来事が起こるなんて微塵も感じることなくふて寝した。
そして異世界である………。
言いたい事は分かる。分かるが、なんの前触れもなく異世界に来てしまっていた。
ここが異世界だというのも、召喚した魔王に聞かされて分かったのだ。
もちろん、最初の言葉は
「はぁ?」
であった。
それはさておき、事のあらましを説明していこう。まぁ、そんなに難しい話ではないのだが。
なんでも、寝てる間に召喚してしまったらしい。それだけである。
せっかく異世界に召喚されたのだから、もっとこう………『光に包まれて』とか『意味深な模様が足元に広がって』とか、そういった感じを味わいたかった。
一応聞いてみたのだが、やはり召喚される時は、足元に召喚陣が広がって、光に包まれながら召喚されるらしい。
想像してたのが、どちらもである。
「体験したかったなぁ」
と落ち込んでいたら、体験させてくれた………。
(おいおい、そんな簡単に召喚なんて出来るものなのか?)
顔に出ていたのか、魔王様は説明してくれたが、話が難し過ぎて全然分からなかった。まとめると、世界を超える召喚は大変らしい。それだけ分かれば十分である。
この世界では、遠くの仲間に用がある時に召喚を使うらしい。2~3mを召喚で移動させてもらったけど、その光景は綺麗の一言だった。感動したと、しきりに騒いでいたら魔王様に笑われてしまった。
話が逸れてしまったが、召喚の理由は敵対国への侵略を手伝ってほしいとのこと。
人間の国を支配して、魔族の食生活を改善したいらしく、協力を求められたのだが…………。
(断るなんて無理だろ)
なんて思いながら話を聞いていた。だって目の前には魔王なんだもの。断ったら殺されるでしょ普通。
読んで下さってありがとうございます。
詳しいことは、次話で