サンドバッグの叩き心地
我、砂袋ヲ蹂躙セリ
俺は後悔しかしてない。女だけしか拐ってきてないことに対してだ。
だって勿体ないじゃないか、女の子をボコボコにするなんて。
そりゃ、拉致った敵軍の人間なんて魂食うか殺すかするのが魔族の常識ってもんだけどさ。しかも、一人以外は不細工だとしてもだよ。
それにしたって、身体は美しいのだから利用出来そうだし、ただただ殺すか壊すかするなんて俺の労働が無駄だったみたいじゃないか。
無駄は知っててやるのと、知らず知らずにやってたのでは心の持ち様も変わるってなもんだし、なにより糞ほど役に立たない奴らなんて星の数ほどいるわけで。
そんなや役立たずを使って人間共を破滅へと誘うのが私の使命なわけで。
そんな役立たずの中でも、わずかとは言え女体という価値を持った駒をポイポイ捨てるのはいかがなものかと思う訳です。はい。
ようは、俺は人類家畜化計画に人間を利用するつもりなんだよね。
そんな大変な事に挑むのだから、駒はあればあるだけいいのよね。
ってことで、サンドバッグは開封作業の時に五月蝿くした一人目の女になりました。
いや、別に女にしないなんて言ってないからね。
「お前ら、そこでよーく見とけよ。逃げ出そうなんて考えたら、目の前の女みたいになるんだからな。その事をしっかり理解させてやる。」
こいつをボコボコにする事で、拐ってきた女達に、逃げた時の事をしっかり分かって貰いたかったし、なにより訓練に最適なんだよね。
なんか拐ってきた中で一番こいつが強いみたい。
まぁ、分からんでもないけどね。
一番派手な鎧を身に纏っていたし、だから期待して一番最初に開封した訳だし。
それで不細工が出たからもう大変。あっという間に失望に変わり、ぽいっとしてしまったのも頷けるよね。
そんなこんなで、只今滅多打ちにしております。
武器なんか使わずに拳を腹に打ち付ける。肉体強化魔法を駆使した眼にも止まらぬフットワークで、360度全方位からの打撃だ。連打による連打。立ってるのが不思議なくらいだ。
「オラオラオラオラオラオラオラオラァ……どうだ、俺のパンチの味はぁ?」
立たせてるんだけどね。
倒れそうになった方向からアッパーやフックを駆使して立たせたままにさせる技術。
磨いても意味はないけど、なかなか楽しくはある。
それにこ拳に当たる肉の感触もいいものだ。
ドサッという音と共にパンチングマシーンは止まった。俺というパンチングマシーンだ。
勿論、一回で使い捨てるなんて勿体ないから肉体強化魔法は弱めにしておいたが、ギリギリまでパンチは打ち込んでおいた。
いや、楽しくて気付いたらギリギリだった。
当然、拐ってきた女達はドン引きである。ってか絶望の心境である。お顔が真っ青ですね。
「理解しただろう、自分の境遇ってやつを。ボロ雑巾になりたくなかったら、大人しくしておくんだな。」
そう言って、颯爽と部屋を出ていく俺。
カッコ良すぎですわ。
自分に惚れそうな今日この頃だった。
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