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殺戮勇者の蹂躙譚  作者: まことのすけ
14/21

福袋

 あれから2週間ほどだろうか。

 ブースト無しでの戦闘訓練を始めたものの、なかなか進展していない。全く進展無しと言う訳ではないのだけれど。

 まずは身体能力の問題がある。平和な地球では殺し合いなんて無かったし、あったとしても銃撃戦になるだろう。それに、俺は格闘系の部活やクラブ活動をしていなかったしな。

 つまり、こっちの世界で鍛えまくった奴らと戦うには、ブースト無しでは無理な訳だ。じゃあ、何でブースト無しで訓練してるのかと言うと、ブーストがあると技術無しで戦えてしまうため練習にならないのだ。それに、俺はRPGをするときに序盤で上げれるだけレベルを上げて物理で殴るのが好きだったからな。最低武器で、周辺のモンスターを楽に倒せるようになるまで上げていた。

 ブースト無しでベテラン兵士と戦えるようになれば、ブースト有りにしたときに動きが止まって見えるようになるだろう。……たぶん。



 2週間もムサい男と訓練して来たが、そろそろ替えどきだな。自分でも良くもったものだと思う。

 今度は自分で拉致しに行く事にした。どうせなら綺麗な女で訓練したい。それなら、自分の目で確かめてから選べば、満足出来るサンドバックと巡り会いやすいだろう。

 方法は簡単だ。肉体強化魔法と防御魔法を全力で掛けつつ、戦場を走り回るだけだ。見つけた敵兵は転移魔法で部屋に置いてある檻に送ればいい。檻の中には召喚陣が描かれており、そこに向けて転送する。

 ユリさんに会うために転移魔法と召喚魔法を練習しておいて良かったな。こんなところで役立つとは思っていなかった。



 戦場には召喚して貰った。さっそく拉致っていきますか。

 けっこう女の兵士は多いが、フルフェイスで金属製の鎧をガッチリ着込んでる奴しかいない。フルフェイスじゃないのは、なんかゴリラみたいな厳つい外見をしている奴がほとんどだしスルーだ。

 全身を鎧で覆っていても、女という事は分かる。体にフィットするように作られているから、男とデザインが少し違うのだ。それをポンポン転送していく。フルフェイスの下が見えないから一人一人選んでいられないから。

 帰るまで中が分からないなんて、おみくじみたいだな。福袋っぽくもある。


「フッ、人間福袋には在庫切れとは無縁みたいだなぁ」


 人間福袋という言葉の響きが、思いのほかツボに入ってしまった。一人で笑いながら女の兵士だけ消していく姿は、端から見たら不気味なのだろう。自分の姿を想像してしまうと、ますます笑えてくる。

 ちなみに、今の自分の服装は、黒のシャツとパンツとブーツ、その上に黒のローブを着込んでいるだけだ。戦場だと全身黒は逆に目立ってしまったが、少しの間だけだし我慢する。顔は今後の活動に支障が出るかもしれないので、フードを被って隠してある。

 

 肉体強化魔法と防御魔法でも、全力で使うと長時間の活動は出来ない。それでも、敵陣に突っ込む部隊にはそそられる。そそられてしまう。

 女の兵士を回収していきながら走り回っていたが、その間に邪魔な男とぶつかる事が何度もあった。最初はビビってタックルしたが、紅い霧になってしまった。服がびちゃびちゃになってしまったが、戦場だし諦めよう。ただ、次からはそんな事をしなくても大丈夫だと分かったから無視して突っ切る事にした。そしたら面白いのなんの。触れた瞬間、ボーリングのピンみたいに吹っ飛んでいく。


「ストラーーイク!」


 あぁ、楽しくてたまらない。




読んで下さってありがとうございます。


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