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殺戮勇者の蹂躙譚  作者: まことのすけ
13/21

分かったこと

 大きな発見をしてしまった。

 まぁ、魔族の連中には普通の事かもしれないが。


 なんと、召喚魔法や転移魔法の消費魔力が少ないんだと。正確には、俺にとっては少なくてすむ、と言った法がいいかな。


 俺の持久力の問題は、数値で表現するなら、容量が1000だったとしても、それを毎回100ずつ消費してしまう過大出力のせいだった。

 一回で100もの魔力を消費してしまうなら、10回ほど魔法を使っただけで魔力切れになってしまうのは当然の流れだ。

 しかし、召喚魔法や転移魔法は少ない出力ですむ。召喚と転移では、移動させる物体の大きさや距離によって消費魔力が決まるからだ。

 他の魔法の消費魔力が多いのは、その威力や範囲を小さな出力に調整するには、俺の魂が強過ぎて上手く出来ないからだ。


 これなら、戦場に出向いても、ユリさんのもとへ帰って来れる。

 やる気が出てきた。いろんな意味で。




 いきなり戦場に出陣するのも良いが、先ずは戦闘の練習をしなければならないな。俺が担当するのは強敵限定なのだから、雑魚をブーストした肉体で無理矢理蹴散らしても戦闘経験なんて磨けない。

 そこら辺の魔物も一緒だ。対人戦の練習に、魔物との戦闘は効果が薄いだろうし。

 ということで、人間の兵士を拉致してくる事にしました。ベテランの雑魚を拉致って来て、肉体をブーストしないで戦う訓練だ。



「くっ、放せ!」


 さっそく拉致って来させた人間の兵士は、いかにもベテランという雰囲気を出している。しかし、うるさくて仕方がない。


「黙れ。死にたいのか?」


「うっ…………」


「お前には、俺の練習台になってもらう。一回、致命的な攻撃を受けると弾ける防御結界を張る。それを突破出来れば、お前の命は1日延びるから頑張れよ。」


(最初はブーストした状態で攻撃を避けていくか。慣れたら、だんだんとブーストを弱めていけば良いだろうしな。)


「ほら、かかってこい。ふふっ、訓練終了までに突破しないと死んじゃうぞ。」


「クソ!やってるさ!」


 おお、凄い形相で突っ込んでくる姿は心臓に悪いが、これも訓練のためだし我慢しよう。次に拉致って来る奴は女にしてもらおうかな。もちろん綺麗で強いのに限るが。

 初めは跳び回ったり、大きな動きで無理に剣を避けていたが、次第に慣れていった。若干のブーストは解けないがな。

 少し怖いが、当たっても痛くないのが分かっていると、大胆に練習できる。

 


「やった?!やったぞ!」


 あぁ、突破されてしまったか。

 魔法のコントロールには、なかなか慣れない。肉体強化魔法は他の魔法よりも使いこなせるようになってはいるが、一定以下の出力になると難しくなるから意図せずにブーストが解けてしまった。


「良かったな。これで1日だけ寿命が延びた。今日の訓練は終わりにするけど、明日は俺も攻撃するから気を付けてね。君の替わりはいくらでもいるんだから。」


 嬉しそうな表情にイラッとしてしまった。俺にとって、こんな嫌味を言うほどの存在では無いのだけれど。それこそ、嫌味の通り、替わりは腐るほどいることだしな。

読んで下さってありがとうございます。



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