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殺戮勇者の蹂躙譚  作者: まことのすけ
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デスサイズ

 地球の知識が役に立たなくても、出来ることはあると思う。

 何にもしないで人間の国を落とす事は出来ないし、褒美も貰えないからな。


 魔王軍の戦術はシンプルなもので、適材適所だ。

 空を飛ぶ事に長けている種族は、堀や壁を飛び越えて魔法を降らせるし、上空からの偵察もする。

 自分の肉体に自信がある奴は、防御魔法で銃弾をものともせずに突っ込んで、肉体強化魔法を使った攻撃で敵兵を薙ぎ倒す。

 素速い奴は、伝令や奇襲をしたり、塹壕を走り回って敵兵を刈っていく。

 そして、その分野で一番優秀な者が隊を指揮する者となる。


 配属は自分で決める事が出来る。

 自分の能力を最も発揮できる部隊に入り、殲滅の効率を上げている。

 いくら殲滅の効率を上げても、それを越える物量で押し寄せてくる人間に討ち取られる魔族は少なくないが。

 

 肉体強化魔法と防御魔法で無双するのも悪くないが、物量で押し切られて死ぬのは嫌だ。

 種族特性が無い俺が空なんて飛べば、魔力はすぐに切れてしまう。

 奇襲はそそられるが、伝令なんてやりたくないし、護衛を付けて行動なんて出来なさそうだから無理。

 こうなれば、相手の勇者同様に少数精鋭での強敵の各個撃破しかないだろう。

 持続力は無いが、部下に特攻させて出来た隙に強力な一撃を放てば討ち取れるだろうし、魂容量を増やす効率も良さそうだ。

 護衛に強い魔族を用意して貰おう。





 さっそく魔王様に掛け合うことにした。

  

「魔王様、私が召喚された理由は敵国の勇者に対抗しての事と聞きました。私の魔力持続力では、そのまま敵軍に突撃するよりも、勇者や強敵を討ち取っていく事が、より侵略に貢献できると考えました。」


「何が言いたい?」


「少数精鋭での敵陣の潜入と各個撃破のために、優秀な部下を私に付けて頂きたいのです。」


「そうか、ではどの様な者を望む」


「少数で敵陣に入り込む事になりますので、一通りの事は自分たちでやらなければなりません。空を飛べる者、敵の攻撃から味方を守れる者、素速い者、攻撃に長けている者、味方の回復が出来る者が必要になります。」


「よかろう。それぞれの部隊から優秀な者を寄越そう。部隊名を決めねばな。」


「『デスサイズ』というのは如何でしょうか。地球の死を齎す神の持つ大鎌の事です。人間共にとってのデスサイズになってみせましょう。」


「うむ、良い名だ。死神の鎌とは気に入ったぞ。期待しておる。」




 

 雑談もそこそこに、魔王様への謁見は早々終わった。

 案外簡単に優秀な部下を付けて貰える事になったが、指示に従うような奴ならいいけど。

読んで下さってありがとうございます



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