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殺戮勇者の蹂躙譚  作者: まことのすけ
10/21

地球の知識

 それにしても、なんの抵抗も無く魂を奪えた自分に驚きだ。

 少しくらい躊躇や躊躇いがあると思ってたのだが、魔族の姿が動物っぽかったからかもしれない。


 魂吸収訓練で、初めて魔王様やユリさん以外の魔族を見たが、なんか2人より魔族っぽかった。

 魔王様やユリさんは肌と瞳の色や存在感以外、人間にそっくりだが、監獄の兵士は2本の捻れた角を持っていた。

 弱い犯罪者は、体型が人に近くなった猿と豚だったし、強い3人はほぼ熊な奴と狼人間、頭が馬になってる大男だった。


 

 

 パワーアップした俺は、さっそくユリさんから戦争の状況や作戦を聞いていた。

 トリップ物の良くあるやつである。

 そう、地球の知識を使って戦争が有利に出来るのではないかと思ってだ。

 

「え?人間を捕虜にしたり、奴隷にしたりしないの?」


「捕虜にしたところで、人間は仲間を簡単に見捨てます。奴隷にしても非力すぎて役に立ちませんし、弱いくせに魂だけは美味しいですからね。」


 人間の方も捕虜や奴隷はとってないらしい。

 善いことのように思えるが、理由は最悪だ。

 人間は、抵抗の意思がなくても、魔族を問答無用で殺してくる。

 自分たちの魂をパクパク食べてくる相手が恐ろしい気持ちは分かるが、魔族にしても皆殺しにしてくる人間は恐ろしいだろう。

 


 


 いろいろ聞いてみたが、地球の知識は役に立ちそうもないな。

 と言うか、転生者や相手側の勇者から地球の知識はけっこう広まっているらしい。

 塹壕や銃なんて当たり前だし、料理や政治なんかも地球の知識が入り込んでる。

 もっとも、魔法がある事で銃は人間しか使ってないし、アサルトライフルやミサイルなんていう近代兵器は技術的な面で作られてないけど。

 戦車もどきはあるが、強めの魔法で一発らしい。

 政治も人間ならまだしも、魔族は魔素が取り込める知的生命体の総称な訳だから、種族で体質や生活の仕方など様々だし、神も実際に存在しているから、どうしても地球とは勝手が違う。

 政治なんて興味なかったから、たいして知識はないのだけれど。


 

 地球育ちのアドバンテージが役に立たないというのは、侵略の難易度が高くなる事に他ならない。

 それでも、地球の全てが伝わっている訳では無いので、地道に模索していかなければなるまい。


(魂の強度が高くても、人間に対する戦闘能力は別だからなぁ)


 瞬発力は、勇者やそれに順ずる強兵相手なら必要になってくる。

 しかし、普通の人間の兵が相手なら、そこまで強い魔法は必要ない。

 そこそこの強さの魔法を長く使えれば、数に任せた人間の兵達など紙くずのように蹴散らせるだろう。

 いっそ消費魔力の少ない肉体強化魔法で無双するのが手っ取り早いかもしれないが、なかなか危険でもある。

 防御魔法は、受けた攻撃の威力だけ魔力が消費されるし、強い兵に遭遇して魔法を使えば、魔力切れを起こして、死亡が確定してしまう。



 敵国を落とすには、努力が必要ということか。

読んで下さってありがとうございます

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