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暁光の勇者と運命の指輪  作者: 茶太郎
第十三章
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第五話 決着

ターナに吹き荒れた竜巻が止み、

砕けた雲の隙間から、ゆっくりと陽光が戻り始める。


巻き上げられた土埃の隙間に差す光が、

まるで戦いの終わりを確かめるように、地上へ降り注いだ。


「ショータ殿…。」

ライラは祈るように天を仰ぐ。


ーーーー


星牙せいが…。見えるか?』


『……魔王の姿は…、消し飛んだ…?

何も…ちり一つ残っていないよ。』


『俺たち、ついにやったのか?』


紅い光がはしった。


ーーズドン。

鈍く何かを貫く音。


『ショータ…。油断した…、奴は…僕らの上だ…』

『星牙…!  上っ⁈』


見上げた遥か上空。


下半身は吹き飛び、

それでもなお――

上半身と片腕だけを残した魔王が、そこに“いた”。


再び堕ちてくる紅い光。


「《真・月光》ーーーー!」


先ほどの白光を放つことは出来なかった。


(星牙との繋がりが……消えた……!)


「《月光》!《月光》!《月光》!ーーーーー!」


エルフの弓を連射する。


紅い光をかろうじて跳ね返す。


「星牙ーーーーー!」


星牙は力なく、地上へと堕ちて行く。


「あの野郎! 《月光》!ーーーー」


白き光の矢が魔王の頭を貫いた。


「消え去れ! 魔王ーーーーーーーー!」

三本の白矢が、魔王の身体を更に撃ち抜いた。


地上に堕ちて行く星牙は止まらない。


「まずい! 星牙ーーーー!」


「“サンドリッジ商団”の名にかけて!

あの天竜を落とすなよーーーー!」


突如、空に太い声が響いた。


四体の天竜が現れ隊列を組み、一つの大きな網を張った。


「お、お前は!

ファルゴ! なぜ! ここに⁈」


「ショータさん! 私の“しょうの力”! 

今、ここに商機ありと出ましたのでな!

この天竜は特別です!

私が必ず救いましょう!」


「ファルゴ!

ターナの湖に、王城がある!

そこにいるリオンという治癒ちゆ師に頼んでくれ!」


「このファルゴ! 任されましたぞ!」


「俺は…! 奴に必ずとどめを刺す!」


遥か上空の魔王は、月光に撃ち抜かれてなお、徐々に身体を再生している。


「再生など! 追いつかない速さで! 行く!」


まるで、光の速度だった。

再び――魔王と対峙たいじする。


「本当にしつこい、悪魔って奴は…。」


「ふ…ふふ…。油断するからだ…

大切な天竜を失ったな。

我は、まだ、消えておらぬぞ。」


「そうだな…。

だが、もう、お前の最後は近い。

俺は…もう、容赦も油断もしない…」


「終わりだ…」


俺は、光の速さで魔王を貫く。

白く輝く右手の中に、えぐり取った魔王の心臓があった。


「ぐふうっ…! は、速い!」


魔王は黒い血を吐いた。


「この紅い心臓が、お前の“魂核こんかく”か?」


「さ…さあな。」


「まあ、いい。

潰せば――分かることだ。」


「ひ、ひぃいい! ま、待て!

我は、まだこの世界をたのしみたいのだ!

こんな…、まさか…!

やめろ! 我の心臓を潰さないでくれーーーーー!」


「どうやら、当たりのようだな…」


ーーブシャァッ!

俺は心臓を躊躇ちゅうちょなく握り潰した。


「ギィヤアアアアーーーーーーーーー!」


断末魔だんまつまの叫びか。地獄へ戻れ! 悪魔野郎!」


最後に残った魔王の身体を、消えゆくまで粉砕した。


「終わったか…。」


ーードクン。


(何だ……?

今、誰かに――

心の奥を、覗かれたような……)


「くっ…。身体の自由が…効かない…。

無理をし過ぎたか…。落ちる…」


「ショータ殿ーーー!」


ノブナが俺を受け止めた。


「見ていたぞ! 良くやった! 

戻ろう!  メサイアに!」


「ああ……。

もう……限界だ……」

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