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暁光の勇者と運命の指輪  作者: 茶太郎
第十三章
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第四話 真の光

星牙せいが

奴をたおす良い策は無いのか⁈』


『ショータ、はっきり言って今のままではまずい!

魔王は地上から魂を取り込み、さらに手が付けられないほど強くなっている!』


星牙の言う通り、魔王から感じるオーラは、確実に強さを増していた。


「おい……勇者。

われの脇腹を抉った男が、随分と弱気になったものだな?」


魔王の声が、低く響く。


黒き翼をはためかせ、空に浮かぶ魔王。

その異形の姿は、禍々(まがまが)しく――

まさに、この世の終わりを告げる悪魔そのものだった。


「さあ、来い!

我をもっと楽しませろ!

弓でも、竜の炎でも、存分に撃ってくるがいい!」


「ほれ! ほれ!」


魔王は指先から炎弾を放ち、

星牙が必死にそれをかわす様を、たのしむかのようにわらう。


『くっ……!

これ以上、強くなられると本当にまずいな……』


俺の心は、焦りと弱気に呑み込まれかけていた。


『星牙、やはり……

俺たちも、あの小さな魔王を倒しに行くか⁈』


『駄目だ、ショータ!

魔王本体を斃さない限り、小さな魔王たちはいくらでも生まれてくる!』


『みんな、ショータを信じて地上で戦っているんだ!』


星牙の言葉は、弱気になっていた俺の心に、深く突き刺さった。


『くそっ……!

やるしかないのか……この化け物を!』


『覚悟を決めよう、ショータ』


星牙の声は、静かで、しかし確かだった。


『僕は君となら――

この世界を守るための、精一杯なら……

どうなったって構わない!』


『僕の心も……みんなと同じなんだ!

君が魔王を斃すためなら!

何だって、やってやるさ!』


その言葉のすべてが、

まるで血流のように、俺の身体を駆け巡った。


『星牙……すまなかった』


『俺が弱気になってちゃ、どうしようもないな……』


『ショータ……』


『本当に……いつも、いつもだ。

俺は、まだ変われていなかった……

自分に腹が立つ』


『最初から、逃げる場所なんて無かった。

そうだ……俺はもう、前に踏み出すしかないんだ』


『この世界と……リアナを救うために!』


力が、俺の身体にみなぎるのを感じた。


『……来た、来た、来た……!』


星牙の声が、高揚する。


『そうだ、ショータ!

感じるよ! 君の力を!

湧き上がる、その力を!』


『行こう! 一緒に!

さらなる力の、その先へ!』


『星牙!

行くぞーーーーーー!』


――――


レキルは、ノブナたちの方へ疾駆しっくしていた。


「なんだ……あの光は⁈

まさか……ショータ殿と星牙なのか⁈」


魔王本体の向こう側――

巨大な白い光が出現し、

ターナの空は、純白に包まれていく。


――――


「この光は⁈」


ヒキガが空を指差す。


「……ショータ殿だ!」


ノブナが叫ぶ。


「おい! 気を抜くな!

ショータ殿は必ずやってくれる!

そのために――

こっちは、こっちの仕事をやり抜くぜ!」


ライラは小さき魔王の激しい炎弾を防ぎつつ、仲間を叱咤しったする。


――パリィン。


ツムリは、両手に一つずつ、悪魔の魂核こんかくを握り潰した。


「……これで、あと二体……」


息を整え、前を睨む。


「みんなの力で、こいつらは斃せる。

これ以上……

くそったれのチビ魔王たちに、好き勝手はさせませんよ!」


「続けていくぜ!

《分身・雷撃斧らいげきふ》ーーー!!」


――――


「勇者よ……」


魔王が、白く輝く空を睨む。


「なんだ、その光は……?

天竜てんりゅうまでも……白く輝いておる……」


「まさか……

我の脇腹を抉った、あの力を……

天竜までも、覚醒させおったか……?」


『魔王……

俺の覚悟は、決まったぞ』


「……なんだ?

これは……頭の中に、勇者の声が……?」


『次の一撃で、すべてが終わる。

俺には分かる……

お前の力では、受け切れない』


「何を言う……

我の力は、お前を遥かにしのぐほどに育ったぞ!」


「では……力比べと行こうか。

勇者よ!」


魔王の身体があかく発光し、

大気が震え、渦を巻く。


「焼き尽くせーーーーー!!

我が《紅蓮ぐれんの焔》よ!」


『世界を護れ……

《真・月光》ーーーーーーーーー!』


星牙と俺は一体となり、

光り輝く巨大な体から、白き光を放つ。


紅と白――

二つの巨大な光が激突し、

天は薄紅色に染め上げられた。


世界全体に響く衝撃波が大気を震わせ、

地上には巨大な竜巻が生まれる。


巻き上げられた土埃と瓦礫が空を覆い、

一瞬で、世界は闇に包まれた。


「ぐぬぬう……!

この力……!

我の力を……さらに超えたと言うのかーーーー!」


『魔王ーーーー!

これで!

最後だーーーーーーーーーーーーーーーー!』


白光は、さらに輝きを増した。


――――


「ぐっ……!

な、何という光と波動だ……!」


ライラは大斧を地面に突き立て、暴風に耐える。


「ショータ殿……

こっちは、すべて斃した!

信じてるぜ……

私が惚れた、最高の男よ!」

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