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2-3

結婚式当日、ひっそりと王宮に入り、

フェリシア様の部屋に入り、着替える。


王宮から結婚式が行われる教会まで、

馬車によるパレードが行われ、

私はその間のみ替え玉となる。


私が替え玉になる事を知っているのは、

この国でも10人程、

もちろんウィルにも言えない。


不安な心を抱えていると、

1人の老人が部屋を訪ねてきた。


「デリア師匠!」


「ひさしぶりですね」

かつて公爵の身分であり、

今は指導者である、デリア師匠。


本来、貴族であっても、

そうそう接点がない人物だが、

過去、彼に助けられた経験がある。


前会った時より白髪が増え、

年老いた感じもあるが、

柔和な笑顔は相変わらずだった。


彼は一つのバングルを差し出してくる。


「このバングルの魔法の石は、

 転移魔法が入っています」

貴重な転移魔法が入ったバングルを差し出され、

びっくりしたが、ありがたく受け取る。


「本来の魔法なら思い描いた所に転移しますが、

 このバングルだとどこに転移するか分かりません、

 リスクはありますが、

 身を護る為、あった方がいいでしょう」


しかし、デリア師匠が、

私にバングルを渡してくれたのは、

私ならバングルを使わなくても、

自分の魔法で転移して、

望む所に行けると知っているから。


両親や、ほんの一部の人しか知らない事だが、

私の魔力は公爵をも凌ぐ。


デリア師匠は、その事を知る一部の人なのだ。


そして、その事は、私の希望で、

一般には知られていない。


「いざと言う時は転移魔法で逃げて下さい、

 そのバングルがあれば、誤魔化せるでしょう」

彼の心使いをありがたく思い、

腕にバングルを付ける。


そう、私がこの国でトップレベルの魔法を使える事は、

絶対に秘密・・・


「女神クラスティーナの加護があらん事を」


そう言い残し、

デリア師匠は部屋を去っていった。

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