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5.本部、到着。

次回、オープニング終了かな。

※なんかジャンル10位でした。記念に追加更新、よければブクマ評価よろしく。






「いやー……! まさか、あんな大物をいきなり倒すなんてな!」

「俺もまだ、実感がわかないよ。ホントに無我夢中でさ」



 戦闘を終えて、俺と圭司はワルキューレの本部へと向かって歩く。

 先ほど聞こえた声の主。その正体は分からないが、それでも彼を守ることができて良かったと、心の底からそう思った。

 ただ一点だけ、小恥ずかしい点があるとすれば……。



「いーや、それでも真人はオレの命の恩人、ってことに代わりねぇさ!!」

「そんな大袈裟な……」



 あの悪魔を倒して以降、しきりに圭司が俺をそう呼ぶことだ。

 それを言えば、彼の方こそ最初にこちらを助けてくれたのだから、命の恩人だという点については完全におあいこではないだろうか。

 俺はそう答えるのだが、圭司は至って真剣な顔で首を左右に振った。



「一緒にすんな、って! あんな力が眠っていたなら、下級悪魔なんて相手にならないはずだろ? とにかく、お前は凄い!!」

「お、おー……」



 さすがに、そこまで押されると気が引けて何も言えない。

 そんなことを考えていると、やけに小奇麗な建物の前に到着した。



「もしかして、ここが?」

「あぁ、歓迎するぜ。ここがオレら、ワルキューレの本部だ!」



 鉄の防壁に、張り巡らされた金網。

 構造としては本部というより、要塞といった方が良いだろうか。圭司は門番を担当している男性に何か声をかけてから、こちらを手招いた。

 そして、そのままついて行くと――。



「天道隊長、ただいま帰還したっす!」

「あぁ、賀東か。今日はずいぶん、遅かったようだな」



 ある部屋に通され、一人の少女と対面することになった。

 武骨な部屋の中で背筋を正して立つのは、同じ年頃の女の子。金色の長い髪に、深い青色をした鋭い眼差し。顔立ちは息を呑むほどに整っており、きっと実年齢以上の風格を持っていた。

 それでも同じ年頃と分かるのは、彼女が身にまとうのが学生服だからだ。スラリとした四肢を紺色のそれに通しており、さながら女子生徒会長、といった風貌。



「……でも、あの制服ってどこかで?」



 ただ少しだけ、何かが気になった。

 でも俺が思案し切る暇もなく、天道隊長が声をかけてくる。



「なるほど、キミが賀東を救ってくれたのだな」

「え、あ……いや、それはお互い様ですけど」



 凛とした涼しい声に、俺は思わず震えて答えた。

 すると、彼女は小さく笑んでから続ける。



「なに、謙遜する必要はない。賀東は我がワルキューレの貴重な戦力だ。そんな彼を助けたのだから、もちろん丁重に扱わせてもらうよ」

「……あ、ありがとうございます」



 なんだろうか。

 この子の前に立っていると、意図せずに畏まってしまう。これが俗に言う『カリスマ』というやつか。そんなものを同世代の女の子が醸し出すなんて、世の中は広いのだと、少し間の抜けたことを考えてしまった。



「――さて、賀東。先ほどの敵性反応について、詳しく報告を願えるか?」

「了解っす!」



 そうこうしているうちに、天道隊長は厳しい表情になって圭司に告げる。

 彼は途端に背筋を伸ばして、例の件について話し始めるのだった。







「なるほど。……それは、前例がないな」



 一通りを報告し終えると、隊長は眉をひそめて考え込んだ。

 そして、しばし黙してから言う。



「これは、あの方に意見を仰ぐ必要がありそうだ」

「……あの方、って?」



 俺は思わずそこで訊き返してしまった。

 すると天道隊長は、一つ頷いてからこう語るのだ。



「あぁ、キミは知る由もないだろうね。このワルキューレを統括している最高責任者さ」

「ワルキューレの、最高責任者……?」

「そうだな。より簡潔に言ってしまえば――」



 そして、思わぬ言葉が飛び出してくる。




「彼は人間に非ず、しかし人々を見守る者。すなわち――」




 真実だと、信じざるを得ない声色で。





「神と呼ばれる存在、なのだよ」――と。




 

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