log-072 大人のほうも解析してもちょっと進まず
―――グラビティ王国、王城内。
そこでは今、とある報告が行われていた。
「…つまり、黒い魔石のほとんどは、穢れのような物だと」
「ええ、そうでしょう。我が聖王国で、かつてはある悪魔によって滅ぼされた国の記録があり…その中にあった穢れを持つものとしての特徴がほぼ合致しております」
王城内にいるのは国王及びその重鎮たち。
その中心には、先日の竜種騒動で廃棄が決まりつつも、その正体を暴くために集められた人たちがそろっており…呼び寄せられた他国の学者たちから、とある聖王国の出身者たちがそう告げた。
「悪魔の実験により生み出されたとありますが、だからこそ出てもおかしくはない。放置しておけば周囲を穢し、毒を生み出し腐敗させ…様々な危険性を有していくため、廃棄するのは確かに間違っていない判断でしょう」
「ううむ…そこまでの代物とは、厄介なものだな」
元が魔石なのだから、もっと扱える方法は無いか。
そう考えるものたちもいないわけではなかったが、それでも危険な代物だという認識が高くなる以上、置いておく必要もない。
未だにドクンドクンと脈打つような、魔石の成れの果てと言うような代物を見ながらそうつぶやく。
「そもそも、穢れとは何だ?」
「基本的には、悪しきこと…その定義は未だにふわっとしているところもありますが、ひとまずはやばいことをしまくった結果溜めてしまい、命そのものの敵になるようなものにも変貌させるものだと考えていただければいいかと思われます」
「放置しておけばそこからは瘴気が、毒ガスなどに似ていますがそれとは似て非なるものであり、周囲をより悪しきものへと変貌させたり、悪い結果へ導きだしたり…ろくでもないものという認識でくくればいいでしょう」
今回の騒動で出てきたこれらの魔石全てが、その穢れに侵され切って、濃縮された最悪の代物だと言えるらしい。
「聖女様や神獣、そのほか聖なるものでも浄化が可能であり、炎で元自体を焼き尽くすことで処分も可能ですが……むしろそうでもしないとできないものが、これほどの濃縮度で出ているのが問題ですな」
悪魔のやりたかったことが、これを創ることなのか。
はたまたは、これは副産物に過ぎないモノであり、特に重視されていないのか。
何にしても、今後同様の事件が起きた際に出てくるのが目に見えており、それだけ処分が大変になるだろう。
「ひとまず処分のほうで進めるは得策で間違いないでしょう。放置して溜めて置けば…気が付けば、大量のえげつない化け物だらけの状態だったり、はたまたは大地へ何もかも沈み込むような腐海のような状態になったりなど、どうあがいてもろくでもない結果を招く代物ですからね」
「本当になんて厄介なものが残されるのやら…」
まだまだ悪魔の目的はわからない。
それでも、その目的のためにこのようなものが出てくることを考えると、頭が痛くなりそうであった…
後始末は後の人へ
押し付けられた感じがしなくもない
一体何を考えて、こんなものを残すのか…
次回に続く!!
…大迷惑は他の人が被りやすい




