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log-057 交じり合うは日差しの中で

…グラビティ王国の学園に来て、そこそこの月日が経過し、季節が移り替わろうとしていた。


 前世の世界の季節と似たような感覚で、そろそろ夏のような熱くなる季節。

 この時期になってくると、後1~2週間ほどで夏季休暇が出てくるらしく、その期間は一か月ほどで、その間に故郷へ一時帰郷するものや、バイトに励んで稼ぎまくるものなど、色々といるらしい。



「でも、その時期がずれるのはなんでだろうか」

【モンスターの遭遇情報や、野盗や盗賊の活動範囲、その他馬車の都合等で変化するらしいですね】

【全部一律でないのなの】

【まぁ、それでも事前に予定が出るのは良いことだ】


 ずぞぞぞっと、本日の学食のメニューで、この季節では大人気の冷やしうどんを食べつつ、ジャックたちは集まってそう話す。


 なお、この冷やしうどんを冷やすものにはルミの凍り付く炎が使用されており、かなりキンキンに冷えている様子。

 この季節だからこそ冷たいモノの需要は高く、ギルドでの買取価格も倍以上になっているらしい。


【それで、主殿はどうする気なのだ?夏季休暇の休みには何かするのか?】

「うーん、他の生徒の例にもれず、一時帰郷を考えているけど…カトレアやルミは、初めてのナモアリ村に訪れることになるよね」

【そういえば、そうなのなの】

【この中だと、ハクロはナモアリ村での滞在はあるよな?】

【当たり前ですよ。私のほうが、一緒に過ごしていた時期が長いですからね】


 故郷へ向けての手紙も一応書いており、彼女たちに関する話も伝えてある。

 だから、故郷へ戻ったとしてもそこまで驚かれることはない…はずである。多分。


「ハクロの家も、今の状態が気になるしね。ずっと放置して大丈夫なの?」

【大丈夫ですよ。私の作った家は、そう簡単に壊れないですし、燃えさえしなければ特に問題は無いはずです】


 思うところはあるが、一時帰郷も悪くはないだろう。

 しばらく学園で過ごしていることだし、久々に両親の顔を見たくなってくるものだ。


「それじゃ、これで決まりかな。皆、夏季休暇中はナモアリ村へ、一時帰郷しよう」

【【【了解!!】】】


 全員の了承も得て、夏季休暇の時期は帰郷を決めるのであった…




【ああ、でもその前にちょっとやっておいていいか、主殿】

「何を?」

【王都にいない間に、我が炎の需要が高まって在庫不足になるのは困るだろうし…少し多めに、出しておきたいと思ってな】

【そういえば、私の糸も出したほうが良いですね。ブランドが出ているようなのですが、結構人気で忙しい悲鳴が聞こえるようなので…】

【ミーも、木の実出しておくのなの!!…日持ちが悪いものは売れないけど、良いものは売れるのなの!!】


…何気に人々の生活に関わってきたなぁ、彼女たち。

 まぁ、それだけ需要があるのだろうから別に良いけど…


一時的な帰郷を考え、色々とやっておく

こういうところで生活に根付き、受け入れられているのは良いことなのだろう

まぁ、平穏な時間と言うのは短いもので…

次回に続く!!


…最近の暑さは辛い。同じ凍る炎が欲しい‥

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