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log-033 学園生活開始

…グラビティ王国の王都内、グラビティ学園。

 その平民用の方では今、転入生たちが紹介されていた。


 各地の村で、各々の優秀さを認められ、学園へ集められた子供たち。

 その才能を活かしてもらうためにということで、流石に入学式に間に合わずとも、転入生の扱いで早々に集められ、一緒に学ぶことになっている。


 どこから誰が来て、どのようなことを学んでいくのかは人それぞれであり、この王都以外の地に住む者たちに関して興味を惹かれる人は多い。


 だがしかし、目立つものということは時として人の嫉妬心等を引き寄せてしまうこともあり、最悪の場合いじめ等につながるリスクもあるため、最大限の注意をする必要もある。


 その対策として、こまめないじめの調査アンケートやカウンセリング、才能発掘所等のシステム等、青少年の健やかな成長のための仕組みが日夜試行錯誤されつつ、取り組まれている。


 そんな中で、本日ジャックは、学園に内のいくつかあるクラスの中の一つに入り、普通の転入生の自己紹介をする形となっていたが…いかんせん、その背後のほうが気になる人が多いだろう。



「---というわけで、ナモアリ村からやってきたのが、ジャック君だ。皆、仲良くしてほしい」


 自己紹介を終えたところで、このクラスの担任であるソソン先生がそう口にした。


「さて、ここまで聞いたところで何か質問事項があれば、手を上げてほしい。まだここに来て短いからこそ、よく知ってほしいが、誰かいるか?」

「「「はいはいはいはいはい!!」」」


 ソソン先生の言葉に対して、教室中の生徒が全員手を挙げた。


「おおぅ、熱心なのは言いが全員か…ならまずは、ドンスケ君」

「はい!!えっと、ジャック君の…その後ろの方々は…話に出た、従魔契約を結んだモンスターってことですか?」

「え?…あ、はい。そうです。彼女たちが、」

【はい!!そうです!!私はハクロ。1番目に従魔契約をした、アラクネです!】

【あっているなの。ミー、カトレア。2番目に従魔契約をした、アルラウネなの】


「…まじかぁ」

「やっぱり、そうなのか…凄い目立つというか、彼女たちが」

「いきなり謎の美少女が来たと思っていたら、既に手の中の者だったという悲劇が…はっ、でもこれはこれでありかと…ううむ」

「色々と惜しい!!人間ならばもっとこう、可愛い学生服を一緒に、いや、ハクロちゃんはちょっと大きいけど、カトレアちゃんならばワンチャン可能では…!!」


 ハクロ達のことが気になっていたのか、回答に関して様々な反応を見せる生徒たち。

 一部おかしいのがいる気がするが、気にしないでおこう。人それぞれの考え方があるものだと、納得したい。

 






 とにもかくにも、入学はできたのは良かったと思う。

 注目の大半がハクロ達に取られた気がしなくもないが、問題は無いはず…と思っていたが、それは少しばかり、認識が甘かっただろう。


 学園での授業は、村の教会以上の学びの機会が多い。

 一年目はまだ基礎的な部分全般の習熟が求められるが、二年目以降からは将来に向けて、様々な専門分野の学びが一気に増えるらしい。

 騎士や衛兵等を目指したいのであれば剣術や体術の授業、商人や薬師等を目指すのであれば経営学や薬学の授業、魔法使いや宮廷術士を目指すのであれば魔法の授業、その他様々なものが存在しており、将来的に国のためになるように生徒たちが確実に学べるように、幅広い授業が用意されているそうだ。


 そんなわけでこの一年は、まずは基礎的な授業からだったが…ここにて、人外の者たちによる人外の能力が生かされることになった。


【ん、ここの植物とこれ、ちょっと違う。似ているけど、葉の形と茎の色合いが異なっている、別物なの】

【この数式、この方法のほうが生徒たちにとってわかりやすくないですかね?】

【薬草の調合は、これが最適。こっちの木の実は熟す前に練り潰すと苦い汁がどぶっと出るのなの】

【これだと計算が違いますよ。ここの数値を、ここで抑えつつ、こちらの公式を使えば…】






「…というわけで、授業のうち、数学、薬草学の教師ををお二人に頼みたいのですが」

【何故でしょうか?私、従魔なのですが】

【教えるほどのもの、無いのなの】

(((いや、貴女方の能力が、生徒と一緒に学ぶどころか教えるがわとして十分すぎるほどの者なので…)))


 授業後、職員室に呼ばれたハクロとカトレアは、そろって教師の役職についてもらえないかの話を受けていた。


 元々、村の教会で子供たちに教える立場になれるほどの頭を持っていたハクロと、トレントから知識を引き継いでるカトレア。

 知識だけではなく理解力や教え方なども授業に自然に混ざりつつ出しており、その能力の高さを教師たちは理解させられたのだ。


 このまま生徒たちに混ざって学ばせるだけでは、少々もったいない部分もある。

 そう思った教師一同は、思い切って彼女たちも教壇に立てないか話すことにしたのであった。



…一応、教職員になるのには資格が必要なため、無資格な彼女たちの教師としての就職は一時見送られたが…それでも、能力の高さはできれば生かしてほしいと思った教職員たち。

 学園の利益ではなく、生徒たちに与える学びの力の増大を見越して、懇願する。


 その結果、ジャックが在学中でかつ、時間があれば、教職員ではなくその手伝いの形でということで、話は落ち着くのであった…



「ですが本当に、将来的に教師の立場を目指してみませんか」

【うーん…そもそも、モンスターが教師になることってできるのでしょうか?】

「前例自体はないですが…あ、いや、似たような事例ならば、有ったはずです。将来の設計を考えるのであれば、一つの道として考えていただけるように、お願いいたします】

【考えておくなの】

入って早々に、起きた出来事

一応落ち着きはしたが、諦めてもらうことはできるのだろうか

いや、将来を考えるのならば、彼女たちの教師としての就職も手だが…

次回に続く!!



…割とガチで、邪な方面で考えずに、生徒のための教師として考える人が多い模様。

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