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log-202 これはいつかやらなければいけないこと

…長い間、一緒に過ごしておいて、気が付かないわけではない。


「というか、一番最初のころからハクロの場合、番だと言っていた時点で…わかっていたことなんだけどね」

【でも、そのせいでひどい目に遭ったのなの】

【さよう、主殿も身をしっかり固めてもらわぬと…我らも中々大変だからな】


 真夜中ではあるが、約数名除き行われる会議。


 元凶となった二人は、復活したカトレアが丁寧に別室に連れこんでお仕置きをして、今は音が聞こえてこないが気絶しているのだろう。



「いつまでも目を背けることができないと分かっていても…家族、として過ごす時間が長いのもあって、切り替えにくいってのもあるかも」

【あー…そうかもしれぬな】



 彼女たちが求めているのは、単なる家族としてではない。


 もっと深い部分でのつながりを求めているのはわかるのだが…それゆえに、深入りしにくい部分もであるのだ。


【だけど、ミーとしてはいい加減にくっつけと思うのなの。…嫌いではないのなの?】

「そんなわけないよ!!みんな大好きで…口にして言うと、こっぱずかしい気持ちが出るな」


 大事なのは、間違いない。


 大好きなのは、変わらぬこと。


 血のつながりのあった家族そのものは失われているとはいえ、それでも過ごしてきた彼女たちとの思いは変わりはない。



 だからこそ、その最後の一歩を踏み越えるのが…



【我々との、今までの関係性を破壊しそうで、踏み出しきれぬという事か、主殿】

「…そうだね」



 ごまかすことはできない。


 けれども、今の関係が変わることに対しても、恐れを抱いている部分もある。


「ああもう、なんといえばいいのかな、コレ‥‥もどかしいというか、伝えきれない部分があるのに、どうしようもないって言うのが…」

【まぁ、くどくなるのは仕方がないのなの。心の底から望もうにも、その気持ちをあえて知りたくない部分が、全力で目をそらすためにごまかすものがでてくるのなの】

「ううっ…」


 カトレアの指摘に、耳が痛くなる。


 くどい、しつこい、いつまで逃げているつもりなのか。


 そう告げられているようで情けなくもあり…同時に、腹をくくらなければいけない時が来たとも感じさせられるもの。



「…はぁぁぁっ…分かったよ。ごまかさずに、はっきりと正面から行けばいいか」

【うむ、主殿はそれが一番だと思うぞ】


 こちらだって、思うところがないわけではない。


 無理やりではなく、しっかりと真正面から向き合えば、どうにかなるだろう。


 ひとまずはそれで気持ちをはっきりとさせてから、伝えあえるようにしようとジャックは心に決めたのであった‥‥


【あ、でもやるのなら明日からにしてほしいのなの。今晩は無理なの】

【そういえば、そうか。先ほど覗いたら…アレはな】

「ん?ああ、お仕置きで気絶しているからとか?」




【…ちょ~~~~~~~っとその認識で、良いかなと思うのなの。うん】

「何で真っすぐこっち見て言わないの」

【…まぁ、主殿。世の中には尊厳を守るために見て見ぬふりをする必要もあるということだ】

「いったいハクロとルトライトに何をしたの!?」

【【…そりゃまぁ、こちらも巻き添えに遭ってぼっこぼこにされたので(なの)…】】




…世の中、知らないほうがいいということはかなりあるらしい。




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