log-195 対策は色々と用意するに越したことはなく
…エルメリア帝国からグラビティ王国に帰還したところで、悪魔の脅威は去ったわけではない。
むしろ、以前に遭った転送の罠のような搦め手を使ってくる可能性も出てきており、いたちごっこになるのかもしれないが、それでも対策をどんどん練っていく必要があるだろう。
【あとは、ジャック自身の防御も固められるように、色々と専用装備も作ってみました】
「前のローブと似たような感じだけど…仕掛けが増えたのか」
【使っている素材も、糸だけじゃない…羽や、木の繊維…色々と、あるよ】
【実験として、オレが何度も魔法をぶっ放す耐久試験もクリア済みだぜ】
「その時点で、絶対にただのローブじゃなくなったよね?」
用意されたのは、見た目こそ決闘時に着用した白いローブだが、その中身は大きく変わっているらしい。
中の道具を入れるポケットの容量が増えたのはもちろんのこと、耐久性やその他の問題点を色々と改善したものになっているようだ。
【ミーのあげたバンブーで、立体機動が出来ていたけど、動くために結構体力を使ったのをみて、負担軽減のためのバネや軽量化を行ったのなの】
【ついでに加速時にスライムジェルや魔石も各部位にセットして、魔法の効率化や移動性能の向上も施してあるヨ】
彼女たちの知恵や力が結集した、ジャック専用装備。
正直言って、使用されている素材だけでも下手をしたら相当な金額がはじき出されそうな気がしなくもない。
「表に出すのはヤバそうだけど…まぁ、見た目は普通だから良いか」
【変に着飾ったものよりもシンプルな方が相手の油断も誘いやすいからな】
着心地も悪くはなく、しっかりとフィットしている感覚。
それでいて動けば風のように軽く、魔法を試せば発動までの速度も速い。
「いやはや、本当にとんでもないものになっているなぁ…」
悪魔から身を守るための道具でもあるが、それを考えずともこれだけで相当な代物。
本当は頼り過ぎたらいけないことも理解しているのだが、限界もあるため、ここはおとなしく彼女たちの好意を受け取っておくことにしたのであった…
【本当はさらに飛行性能や地中推進、水中制覇などもしたかったのですが…場面が極端すぎるのと、そこまで盛り込むと重装備になり過ぎて動けなくなる可能性があったので、断念したんですよ】
「一つのモノに、盛り込み過ぎたらむしろきついって…事前に分けて、状況に応じて変わればいいのかもしれないけどさ」
それだと巨大なロボット…いや、ゴーレムの類を作ったほうが楽そうではある。
巨大兵器に乗って操縦するのはロマンあるかもしれないが…絶対に維持費、相当ヤバそうだしなぁ…
予算や需要を考えると、そこまでなくてもいい
相手がもっと巨大な存在だったら、考慮する余地はあるが…
次回に続く!!
・・・なお、作者の初期作品で、某Gモドキみたいなのは出したことあったり…