log-閑話 大人は見ているものでもあり
…エルフの見た目は、基本的に美男美女が多いと言われている。
だからこそ、その見麗しさゆえに、過去には狙われることも多々あったらしい。
しかし…
「…これでどうにか、例の神獣ちゃんを思いっきり観察しまくりたいけど、駄目でしょうか」
「…多分、この光景を見たら見麗しいよりもむしろ哀れに思うのかもしれないな…」
全力で土下座を行っているエルフもとい、モンスターに関してマッドで三日三晩語ってトラウマを植え付ける悪名が響き渡っているシルフィの姿を見て、彼女の監視役でもあるカンナは思わずそうつぶやく。
このような奇行は珍しいものでもなくなれたものではあるが、世間一般のエルフに理想像を抱く人が見れば儚い夢のように散ってしまうだろうと思えたからだ。
まぁ、このようなことをする理由に関しては、今回は明白だから良いだろう。
「例の神獣種…レイでしたっけ。またあの厄災種を連れた彼が、加えたというセイレーンの神獣種でしたか。貴女の悪名があちらにも思いっきり嫌と言うほど伝わってますから、確実に断られそうですよ」
「それでも、モンスターだからこそじっくりと観察し、調べたいんだよぉ!!何しろ、セイレーンってだけでもまともに相手をすれば破滅が待ち構えていたりするって話だけど、さらに神獣種で性質が結構変わっているようだし、色々と気になる点が多いんだよぉおおおおお!!」
カンナの言葉に対して、熱弁をふるうシルフィ。
モンスターに関してのこれだけの熱意を、まともな方に出せればいいのだが、いかんせん暑すぎて何かと捻じ曲がるというか、過去にやらかした呪いもあってうまく付き合えない点もあるせいで、接触させづらくあるのだ。
「特に神獣種、って点が重要なんだよ!もしかしたらこの身に宿る呪いの解呪になって、今後のモンスター研究が捗るかもしれないだろ!!」
「…呪い云々関係ない気がするんですけれどね」
ぐぅっと拳を力強く握りしめるが、そもそもその呪いにかかった原因を覚えているのかと、ツッコミを入れたくなるカンナ。
とあるモンスターによってやられたわけなのだが、その呪いをぶちまけた原因もシルフィ自身にあるため、呪いがあろうがなかろうが関係ない気がするのである。
と言うよりも‥‥
【…呪いが無くても多分、逃げますね、私たち】
【あれはある意味、呪い以上に悍ましいというか…人って怖かったんだなと、アンデッドの身になって理解させられるものでもあったな】
「と、聞いてますよ。モンスターである彼女たち本人から」
「それでもぉおおおお!!」
呪いが無かったら大丈夫なのかと、実はカンナは過去にこっそりハクロ達の元へ伺い、問いかけたことがあった。
その時の回答から予想できるのだが、合っても無くても多分変わることはないだろう。
(…本当にこの人は、本来は高貴な身の上のはずなのに、どうしようもないんですよね…)
呪いの有無、人であろうとなかろうと、なんにせよもう少しまともにやってもらえなければ意味がないと、彼女は確信しつつ、シルフィの絶対に変わらないであろうその気性に呆れてしまうカンナ。
今はとりあえず、やらかすことが無いように祈りながら、どうにかこうにか諫めておくのであった。
…なお、彼女のそのモンスターに対する熱すぎる熱意に関しては、悪魔側の方にも伝わっており、一時期はそれを利用できないかと作戦が練られていたりもしたが…利用したら、それはそれでコントロール不可のやばいモノだと早々に判断されて、無かったことになっているのは知る由もない。
ある意味、悪魔にすら恐れられる凶器のエルフとして、色々と有名であった…
収めてはいる
しかし、それでも飛び出そうとする
どうにかこのまま、何事もない方がいいが…
次回に続く!!
…飛び出していけ、宇宙のかなた‥の勢いにならないように…




