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log-192 送別会

…留学生たちが自国へ戻る前の、最後の思い出作りの場として設けられる送別会。


 自国ではない、この国ならではの良いところをしっかりと心に残せるように、様々な催しが行われたりもするものだ。


 諸事情によって通常よりも時期が早められているが…それでも、この場をもって他国へ渡る前に、思いを伝えて、つながりが途切れる前に少しでもつなげていこうとするものもいるらしいが…



「ーーーそんなわけで、姐さん、好きでしたので付き合ってください!!」

【済まないが、断る。我、そのようなものを考えてないしなぁ】

「ぐあああああああああああああああ!!」


「カトレアさん、あなたの花壇のその手入れする姿、まるで妖精のように、いえ、妖精だからこそみられる華やかで慎ましいその献身的な姿に惚れましたのでどうにか、今後も…!!」

【…ごめんね、なの】

「おっぐあぁぁあ!!」


 盛大にフられる姿を見せる、学園の生徒たち。一世一代の各々の告白が見事に轟沈されていく。


「うわぁ…阿鼻叫喚の悲惨な光景が」

「ジャックの従魔たち、モンスターと言えども見た目が麗しい女性の方々ばかりですものね。別れる前に、せめてもの機会がないかと思うのですわ」

【ちなみにさっき、私も似たようなことがありましたが、しっかり(ジャック)がいますのでと言って、断りましたね】


 憐れむべきか、魔性の炎(ハクロたち)に引き寄せられて、燃やされた(男たち)を。

 なんとなく同情しつつも、彼女たちに対して恋慕を抱く思いはわからなくもない。



 モンスターとはいえ、見た目だけならば美しい女性でもあるからなぁ…彼女たち。

 そのしぐさもそれぞれ個性もあるし、見ていて虜になる人が出ていてもおかしくはないだろう。



 だがしかし、実らぬ恋も当然あり…ここできっぱり切って清算したほうが良い。


【ふみゅっ…でも、お食事が美味しい…うまうま】

【送別会上の食材は、ギルドの方から手配されたのもありますしネ。こういう時に、味が分かるタイプのスライムで良かったと思いますヨ】


 もぐもぐと、立食形式で手に取った食事を摘まみながら、レイやファイがそう口をこぼす。


 まぁ、レイの場合は手ではなく翼だが器用に食器を扱っている模様。


 なんにせよ、一夜の過ちで永遠の傷を負いそうな人も多いだろうが、盛大にフられた者たちには元気に生きろとしか言いようがない。


「これも、ある意味青春か…」

【ふふふ、微笑ましくはありますね】


 送別会の会場は、本来留学生たちとの別れの場のはずだが…青春との別れの場にはなるか。


「ええ、それも良いのですけれども…出来れば、帝国のものたちにとって、失恋のトラウマに放ってほしくないですわね」

「…それは、どうしようもないかなぁ」



…送別会。またの名を、恋心粉砕劇場とも呼べるようであった。




「ちなみにこの告白、彼女たちに限らずに結構あり得ることですわよ」

「うっそでしょマジで!?」

哀れ玉砕劇場

けれどもそれを糧にして、強くなるものも多い

だからこそ、多少は犠牲が出るが…

次回に続く!!



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