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log-189 改築案

―――あの決闘や誘拐騒ぎから時間も経ち、無事に入院期間も過ぎた。


 そうすれば後は、穏やかな学園生活の時間だけで…


「…と言いたいけど、気が付いたら留学期間も短縮されて、後1か月ほどで帰国になるんだよなぁ」

「寂しくなりますわね。でも、決まりなら仕方がないですわ」


 入院していた分で時間が食いつぶされたというのもあるが、一番大きなのは悪魔の騒動が多かったこと。


 各国では今、悪魔に対抗するための手段の構築がされつつあるようだが、悪魔から国民を守ることと戦力確保も兼ねて、自国へ一時帰国をさせるようなところもあるようで…ジャックのグラビティ王国も例にもれず、留学中の生徒の安全確保のために、帰国を少し早めたようだ。


 帰国させて安全性が確保できるのかと言いたいところだが、国としては誰かいるか把握できる場所にいたほうが都合が良いこともあるらしい。


「噂ですと、ある国の護衛騎士が、悪魔になっていて…知らずのうちに情報を抜き取られていたり、惨殺されたこともあるから、本物がきちんといるかどうか確認したいという話もあるそうですわ」

「何それ怖い…けれども、悪魔ならやりかねないといえばそうなのか」


 ガワとか言っていたが、人間…いや、それ以外の肉体でも利用して、悪魔はそれに成り代わることもできる。


 ルトライトの父親オーガの例があるように、親しい相手を着て…悪趣味なものもいるのだ。


【あれは今でも悔しいぜ…結局潰せたとはいえ、それでもな…】


 思い出したのか、ぎゅっとこぶしを握り締め、悔しそうな声を出すルトライト。


 あれで大きな力を手に入れることができたとはいえ、それでも悪魔に対しての恨みが消えたわけではない。


「というか、そもそも何でそんなものを着るのかと言いたくなるな…」

【まぁ、力の弱くて顕現できなかったり、あるいはより強い依り代として利用するなどの目的があったりするらしいからな】


 悪魔のそのガワに関してつぶやけば、ルミがそう答える。


 悪魔にも色々あり、そのような方法を使うものがいるとはいえ…それでも、厄介なことには変わりはない。


「まったく、勘弁してほしいよ、そんなのは…」


 大事な人のもの利用されたりしたら、それこそ最悪だろうと嫌な気分になるのであった…









【…まぁ、それでもそのガワの元となった人が分かっていれば、指名手配等で注意を促しやすくなるという点もあるようですが…これ、噂どころかマジですカ】

「そうらしいよ、ファイさん。ギルド内にも回ってきたけれども…ある国の、聖女様の護衛騎士様が悪魔のガワになっていたらしいよ」


…一方その頃、帝都内のギルド内にて、ジャックの帰国事情に合わせてファイの方も、ギルド内の引き継ぎ作業をしていた。


 元々、留学の名目に合わせての派遣に近い形でもあったはずなのだが…いかんせん、こっちはこっちでやり過ぎた部分もあり、ファイのやる仕事が多くなっていたのだ。


 そのため、戻ることを考慮してすぐにとはいかないが、より効率化された仕事をしっかりと引き継ぐための作業に追われているのである。



 そんな中で回ってきたのは、とある手配書。

 曰く、悪魔の手に堕ちたというべき、ガワになったものの情報だったが…警戒するために、しっかりと細かな情報が書かれてもいた。


【護衛騎士…それも聖女付きのですカ。それだけの知名度があれば、すぐに悪魔がガワになっている情報は出回りそうですが、情報が出回り切る前に利用されまくりそうで恐ろしい話でス】

「だから今、大慌てでやっている話もあるわよ」

「結構なイケメンなのに、悪魔の笑い声が酷くてさらに残念感を増しているとか…」

【うわァ…】


 大体誰が付いたのか、予想が出来てしまうファイ。


 だが、それはもはや誰にも変えようがない事実だとすると、相当悲惨な末路になっているだろう。



【…そう考えると、同情したくなりますネ】


 そんな恐ろしい話を聞きつつ、配られたその手配書を見て、ファイはそうつぶやくのであった…









【…そういえばリア、お主の場合はそれガワなのか?】

「いや、自前のモノ。高位の悪魔なら必要無いからな。あんな悪趣味なもの、よっぽどのことがない限り手を出す気はねぇよ…一度、聖女様からの逃亡に使えないかなと思ったこともあったが…」

【一瞬で見破られ、ガワだけ爆散して飛び散る光景が思い浮かんでやめたと】

「ああ…そんなギャグのような下手するとグロテスクな光景は、見たくはない…」

何やら出てきた怪しい話

指名手配されていても、

相手はどう動くか…

次回に続く!!



…案としてはあったのだよ

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