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log-183 一方こちらは

ーーー感情は、時としてかなり厄介なものである。


 ある程度の自制は効くだろうが、それでも度を越せばどうにもならない。


 ましてやそれが、厄災種にとって何よりも大事な存在が奪われたのであれば…





『…いや、本当にヤバいのだが。流石に悪魔の俺が、この場で結界を張らないと、この怒りだけで近くの帝都もぶっ飛びかねなかったんだが…』

【…まぁ、良い判断だったと思うぞ。うん…彼女たち程ではないとは思いたいが、主君を奪われた身としては抱かないわけにもいかないからなぁ…ははは…】


ゴゴゴゴゴゴっという擬音が浮かび上がって見えそうなほど、とてつもない怒りの波動。


 それをひしひしと感じ取り、可能ならば今すぐにでも全力でこの場を逃亡したい気持ちに駆られながらも、悪魔ゼリアスにその手は打てなかった。


 何故ならば、確実にここで少しでも制御を誤れば、ほぼ間違いなく彼女たちが大暴走するのが目に見えている。


 まだ多少は抑えられるだろうが…いかんせん、分が悪すぎるのだ。


『全盛期ならばいざ知らず、厄災種×2にその予備軍…いや、厄災種に少しづつなりつつあるんだろうけれども、そんなものが怒りに我忘れて大暴れすれば、世界が滅びかねないからなぁ…』


 冗談でもなんでもなく、本当にこの状況は非常に不味い状態。


 なぜこうなったのかわかりやすく言えば、ものの見事に罠にはまって、大事な主を奪われた怒りを彼女たちが抱いているからだろう。


 



 たとえ、デバフが色々とかかっていない全力の状態だったとしても、この激怒している彼女たちを相手にして、無事にいられるだろうか。

 いや、無理だろう。



 古今東西、どこの世界だとしても、愛する者がいるものの抱く怒りと言うのは、強烈なもの。


 それを身をもってよーく思い知らされた過去も持っているため、本気で逃亡したい思いと全力で防止しないといけない思いに挟み撃ちにされる。


(できればもうちょっと、彼女たちを制御するすべを付けておけよあいつ‥‥)


 心の中でジャックに対して思うが、例え出来ていたとしても本人が不在の状況でうまく働くかはわからない。





【くくく…魔法陣の解析、完了したぜ!!どこに我が君が連れ去られたのかはっきりしたが、まともに向かうには時間がかかる場所のようだが…関係ない】


 と、そうゼリアスが考えている間に、魔法陣の解析を行っていたルトライトが直ぐに道を見つけだした。


【本当ですか?】

【間違いないぜ。これ、一方通行の一度きりで、制限をかけまくることでその効力を高めつつ、オレたちの追跡ができないようにしていたようだけど…甘い!!】

(うわぁ、流石厄災種の一体、魔法に関することに長けたやつだけあって、もうやっちゃったのか。うん、出来ればさっさと向かってくれ)


 常識外レベルの力を見つつも、追跡のためにこの場から離れてくれるのであればありがたいところ。


 多少は怒りが緩めども、それでも噴き上がるその圧力がさっさとどこかへ行ってほしい。




『…人のことは言えないが、強く生きろよ…と言うか、下手に死ぬなよ…』


 さっさと向かおうと準備する彼女たちを見て、ゼリアスはぼそりと心の底からジャックに対して無事を祈るのであった…

防がなかったら、この近隣が危なかった

個人的にはどうでも良いところもあるが、放置はできない

それゆえに、人知れず苦労を背負わされて…

次回に続く!!



…相手の狙いはさておき、実行するのならば先にこっちをどうにかしておけと、仕掛けたやつに向かって文句を言いたい

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