log-174 公平性は保ちつつ
…決闘、それは様々な方法をもってして、決着をつけるやり方。
その方は多々あれども、可能であれば公平にしてやりたいのはあるだろう。
圧倒的な力で叩き潰す…そういう光景も見たくはありそうだが、ギリギリの争いを求める声もある。
だからこそ、双方で互いに決闘方法に関して模索し、妥協案を探っていった結果…
「…決闘方法は従魔は使用禁止で、剣や魔法が使える決闘になったよ」
【純粋な、実力勝負と言うわけか…ふむ、それはそれでありか】
【良くないですよ、私たちが使えないのが心配ですって】
真正面からの、実力勝負。
持てる力は何でもありだが、流石に従魔たちの力…ハクロ達の手助けは決闘中に得られないようで、自分の実力だけで争うことになる。
「とはいえ、時期としてはちょうど良かったよ。夏季休暇前ならば無謀過ぎたけど…今は、一応戦う力はあるからね」
【ですが、それも対悪魔用…人間相手を想定ではないので、そのあたりの調整は必要ですネ】
彼女たちに守られてばかりではない。
あの地獄のようなハコニワを生き延びてきたからこそ、ジャックは戦う技術を獲得している。
たとえそれが対悪魔用のものばかりだとしても、扱い方を変えれば対人戦向けにできなくもない。
【ふみゅ…戦うの苦手…ルミ、やれる?】
【まぁ、我のほうがこの面子の中で、対人戦向きだからな…ならば引き受けるか】
調整を行うぐらいであれば、問題は無い…はずである。
【しかし、我が君と真正面からの実力勝負か…よくもまぁ、相手もそれで妥協したぜ】
「まぁ、ルトライトたちが無しであれば、まだ弱そうに見えるのかな」
見た目は悲しいが、まだ幼さの残る少年の姿。
これでもあの地獄を乗り越えただけの実力がついてもうちょっとこう、立派な男らしさを得たと思いたいのだが…
【ジャックはジャックですから、私の番であるという事実以外に変わりはなくていいですよ】
【男らしさを求めずとも、大事なのは変わっていないぜ】
【二人とも、ちょっとだけ目を背けて良い感じに言ってごまかしていないのなの?】
【【…】】
「…そのフォローしようのない感じは…いやまぁ、ちょっとした気遣いなんだろうけれども…」
決闘を前にして、微妙な精神的なダメージを受けたような気がしなくもない。
とにもかくにも、男らしさはまた後で模索していくことにして、今は決闘へ向けて準備を進めていくのであった…
【ふみゅ…抱き心地、変わらないのが良い】
【良くも悪くも、主殿の芯が変わらぬようなものだと捉えればいいか】
【マスターには、残酷な真実を告げないほうが良いですからネ】
「そこの三人も、ごまかしきれていないからね?」
…悪魔ゼリアスに頼る内容は、悪魔に対抗する力ではなく、身長を伸ばすなどの容姿の変化だっただろうか。
身長を望むのはある意味しょぼい願いか
でも、人によっては物凄く貴重な願いか
それはさておき、決闘へ向けて準備をして…
次回に続く!!
…しょぼくないな。作者も身長、超欲しかった…




