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log-140 文字違いの悲しきもの

「…ドライアド?」

「そう、ドリアードじゃなくてドライアド。字は似ているが、別物だろう」

【なのなのなのぅ…】



 カトレアが進化した翌日、授業等でなかなか聞く機会がなく、その種族に関して悪魔ゼリアスもとい教師リアに対して確認ができたのは、放課後のことだった。


「元々アルラウネ系列はドリアード…まあ、下半身に木の椅子が追加される美女のような姿に進化する可能性は大きかった。だが、このモンスターの場合はアルラウネとしては変わったほうにあったようで…様々な経験も経た結果、こちらになったのだろう。正確に言えば亜種の『フェアリー・ドライアド』、妖精妖花などとも呼ばれることがある種族だろうな」

「フェアリー・ドライアド…つまり、妖精のようなものにもなっているってこと?」

「ああ、その認識で良い。その証拠に、彼女には今足が出来て、妖精の翼が生えている。従来のドライアドはより大きな花の中に身を潜め毒の蔓で獲物をしとめる食虫植物のようなものになっているが、こちらは飛行性能が追加され、より広範囲を移動できるようになった種だ。その鱗粉は土地を豊饒にさせる作用もあり、一説では好きな花畑をどのような地域でも咲きほこらせることができるようにするためともいわれているな」


 説明によれば珍しい種族になったようで、悪魔である彼であってもなかなかお目にかかれないらしい。


「凄いじゃん、カトレア。そんな種族になって」

【でも、豊穣させるっていっても…ミーのココはどうして実らなかったの‥?】


「…ドライアド系も基本はドリアード同様、いや、食虫植物に近い面があるからこそ、より妖艶な体形になることはあるが、フェアリー・ドライアドの場合は飛行性能の獲得のために、余分な部分は削り、スレンダーな体形になるようだ。翼をもつ種族全般が大体そうだから、フェアリー・ドライアドだけが例外と言うわけではない」

【なるほど…で、納得できるわけがないなのぉおおおおお!!この周囲の脅威の胸囲の暴力に負けなくなるかと思ったのに、滅茶苦茶悲しいのなのぉおおおおおおおおおお!!】


【心の声が、物凄く籠ってますね…】

【今の我らが言うと、思いっきり逆なでするから黙ったほうが良いぞ】

【それだと何も言えなくなるぜ】

【ふむ…ギルドのモンスター図鑑に記録されていなかったら記載しておきましょうカ】


 カトレアの心からの叫びに、それぞれ何とも言えない表情になる。

 ファイだけは、ギルド職員としての部分があるために、この情報はしっかりと記録しておくつもりらしいが…うん、まぁ、何がとは言わないが、それで相当カトレアが憤っていることは嫌でも理解できるだろう。


「まぁまぁ、カトレア。まだ希望があるじゃん。進化は一度っきりって決まったわけでもないし、その姿でも十分可愛いよ」

【そうですよ。実際、今日姿を目撃された生徒たちからは、「新しい姿が可愛い」「羽根が綺麗」「もっと凛々しかったらお姉さまと呼びたい」「あれはあれであり」などと噂している声が聞こえましたからね】


 嘆くカトレアに対して、ジャックとハクロはフォローをいれる。

 実際に、今の姿になってもそんなに不都合はないだろうし、この面子の中でまともに飛翔できるようになったものが出来たのは大きいだろう。


「それもそうだな。モンスターの進化と言うのは、一度で終わるような物じゃない。環境やその他の要因で何度も繰り返しなるものでもあり…実際に、目撃することがほぼ少ないとはいえ、フェアリー・ドライアドからさらに別のものになった事例なら確認したことがある。永遠の0ではないからこそ、待て、しかして希望せよ、のようなセリフで希望を持つのもありだ」

【なのぉぅ…そうするのなの。次、そう、次こそは胸囲の暴力に負けない、立派なモンスターになるのなのぉおおお!!】


 励ましを受け立ち直り、力強くそう宣言するカトレア。


 ひとまずは元気になってくれたようで良かったと、皆喜ぶのであった…



「…ところでご質問ですが、その進化事例の中でカトレアが望みそうな姿になる割合はどのぐらいでしたか?」

「…3分の1だったか。一言で表現するなら特盛、並、無かな」

「3分の2はわかるけど無って何?」


 それはあるのかないのか…無いにしても並ではないとなると…何?



【なれなかったらその時は、ミナモグノナノ。悪魔はクビネジキルナノ】

【【【【「ひぇっ…」】】】】

希望はあるはず

だからこそ、悲観せずに前向きに進むべき

一応飛べるようになった利点とかも生かして…

次回に続く!!



…ねじきれるかどうかは、需要次第


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