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log-閑話 ある悪魔の独白 その①

―――悪魔には、()()()()という制度がある。


 様々な時代、ありとあらゆる国々や人種、その他世界の垣根すらも超えて、悪魔は呼ばれたらその願いを代償と共に叶えるわけなのだが、同時に願い事も幅広く、叶えきれないことがある。


 そのため、今はどのぐらいの願い事がちょうどいいのか、どういうものが好まれるのか、代償としてはどこまで差し出せるようなものになっているのかなど、自分たちを呼び出す人間に関しての調査を行うために…人間そのものになって、過ごす研修会が時々行われるのである。






『…その中で、かつてアウトフェルノ聖国と呼ばれた国に人間として、俺は研修氏に入ったことがあったんだ』

 


 悪魔ゼリアスが語る、かつて存在した国での日々。


 人間研修をする以上、人として生を謳歌し、人として生を終え、得られた成果をもとに悪魔としての仕事でどうするのかが決めていく。

 まぁ、人間になっている間は悪魔としての部分が邪魔をしないように記憶や力も何もかも封印した状態で、本当にただの人として過ごす…はずだった。



 だがしかし、運命のいたずらと言うべきか、運命の神がいるならばその時、ゼリアスは全力でぶん殴りたかったのだろう。


 

『当時は世界的にも色々とヤバいことが多くて…特に、瘴気と呼ばれるものが発生していた。モンスターが湧きだす原因にもなり、穢れなどと呼ばれるようなものが活発に湧き出して…それを収めるために、聖女が各国を回っていたのさ』


 聖女、それは聖なる力を有した人であり、聖魔法の頂点にも君臨する慈愛の象徴。

 聖国においては最高権力を有し、瘴気を浄化し、モンスターを根本から打ち滅ぼすような存在。


 関わり合う気はなかったが…相手が向こうからやってきたのであれば、どうしようもない。

 いや、むしろ超絶迷惑な日々がそこから幕を開けてしまった。



『…何で、ああなったのだろうか。あの聖女。俺と出会う前からまず、聖女としてのイメージをぶち壊すような奴だった』


 たまたま近くにできたという、瘴気だまり。

 そこを浄化するために聖女がやってきたのだが、その近くに人間だったゼリアス…その時はリアと言う名を持った青年が近くを通ってしまったことで、普通の人間として過ごす運命を狂う羽目になった。



 そう、彼は…運の悪いことに、聖女に一目惚れされたのだ。


『あの時は一瞬、なんだと首をかしげて考えたが…そんなことをせずに、逃げれば、本当に全力でその場から逃げるかあるいは別の道を行けばよかった…!』

 

心の底からの、絶望を吐き出し、嘆くゼリアス。



見つかったその時から、その運命は色々とおかしくなったのであった…


ぷちっと過去話

ちょっと続きそうなので、そこはまぁ各所で分割して…

次回は本編予定で、少しづつ出したいなぁ…

次回に続く!!


…どこでも災難に遭っているな、この悪魔

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