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log-131 用意は事前に済ませておくもの

―――壁が粉砕玉砕爆散をし、邪魔な障害物は取り除かれた。


「物理的に排除しまくったけど…ようやくついたか」

【ええ、ここでは今ファイが、先に対峙しているはずです。しかし…城自体がすでに悪魔の手中に堕ちているのは明らかすぎますね】

【堕ちたというか…】

――――グォオオオオオオオオ!!!



【…思いっきり、化け物にされているようだぜ】



 ジャックたちが当初遠目で目測した時はまだ、グラグラと揺れ動いていた程度の城。


 しかし、彼らがたどり着いた今、その城の姿は大きく変貌していた。



 

 あちこちから伸びた大きな口に、ぎょろぎょろとあちらこちらを向いていた無数の目玉が一斉に彼らを凝視し、その視線の圧力だけでも相当な異形の圧を感じさせられるだろう。


【魅了に支配され過ぎて、やばい自我をもった化け物城に変貌したようなの。どくどくと、何かエネルギーはあの中へ流れ込んでいるのが感じられるのなの】


 悪魔の力は、こんな化け物を作り出せるのか。

 いや、地脈から得たエネルギーがあるからこそなせた業であり、普通はこうはならないだろう。


 それはつまり、相手は相当力を得ていることを示し…


―――グォオオ!!ブベッツ!!


「あ、何かこっちに吐き出して…」

【~~~~~アアアアアーーーー!!】

「って、ファイ!?」


 城の口の一部が動いたかと思えば、吐き出すように何かを飛ばしたが、よく見ればそれは先行して悪魔と対峙していたはずのファイ。


 素早くハクロが糸で彼女をキャッチした。


【っとっと…液体状になって、隙間からどろりと溶け落ちてますね…】

「ファイ、大丈夫!?」

【ま、マスター…あたしは大丈夫でス。魅了対策をしながらどうにか立ち回っていたのですが、内部が何やら内蔵のような色合いになったかと思えば、そのまま外に吐き出されただけなのデ…】



 どうやらジャックたちが到着するほんの少し前に城の内部も変貌を遂げていたようであり、体外へ排出したようなものなのだろう。


―――グォオオオオオアァアアア!!

『---ははははは!!素晴らしいじゃないか、この地脈の力、この圧倒的なパワー!!この城は既に、掌握しきったが、まだまだ育つだろうよ!!』


「この声…悪魔か!!」


 城が雄たけびを上げる中、響き渡る笑い声。

 すぐにそれが、この騒動の元凶である悪魔のものだと皆は理解した。




『ああ、その通り!!どうやらそのスライム以外のお仲間が…ちょっと前までは脅威だった弱者たちがそろっているとはねぇ!!ならば改めて名乗らせてもらおうか!!司るは支配と色欲、我が名はゼルモンドラ!!既にこの城は、我が血肉も浸透した手足と化した!!安直だが、ゼルモンドラ城とでも呼んでもらおうかぁ!!』

―――グォオオオオオオ!!


 悪魔の言葉と同時に、雄たけびを上げる化け物城、いや、ゼルモンドラ城。


 あの内部にゼルモンドラがいるらしい。


『そして、さようならだ、弱者たち。ああ、名乗る必要はないよ、今ここで消さないと、確実にヤバいのは既に呼び出される前から聞いているからねぇ!!やれ、ゼルモンドラ城!!』

ーーグォオオゥ!!



 その命令と同時に、ゼルモンドラ城が多くの目玉と同じように、多くの口を触手のように伸ばし、一気にジャックたちへ向かわせる。



【何あれ気持ち悪っ!?】

【こいつら、我らを喰らう気か!!】

【そんなの嫌だぜ!!雷撃の魔法で…】


 バチバチと音を立て、ルトライトが魔法をぶちかます。


【『ブロークンサンダー』!!】


 轟音を立て、雷の巨大な拳が生成され、打ちだされる。

 そのまま口たちと激突し爆発を…



ヂュルルルルルルルルルルルル!!


【なっ!?】

【魔法を、吸い上げたのなの!?】


…するかと思いきや、無数の口が雷の拳に口づけを下かと思えば、一気に吸い上げてしまった。


『はははははは!!刺激的な味、ご苦労さん!!地脈を魅了する過程で、良い感じにエネルギーを吸い上げる力も得たからねぇ』



 城の中から高笑いを上げながら、そう答えるゼルモンドラ。

 どうやら厄介さが増したようで、むやみな攻撃が出来なくなったようだ。


「支配と色欲…魅了する過程で大地の力を得ていたけど、その得るための力を更に邪道な方向へ発展させたのか…」

 


 色欲の魅了と相性が良かったらしい、支配の部分。

 そこがさらに発展し、魔法を吸収できるようになったらしい。


【そんなのありか!?オレの十八番ともいえる魔法が使えないのかよ!?】

【だったら物理はどうなの!!】

【何も纏わずに、叩き切ってみる!!】


 ばっとルミが大剣を振りかぶり、城にぶつける。


ザグウウンン!!ジュワジュワジュワジュワ!!


【切れないことはないが、再生するか…厄介な】


 大きく城壁が切り裂けたかと思えば、じゅわじゅわと音を立ててふさがっていく。



 魔法の吸収に再生能力と、これまた厄介な物の詰め合わせの権化に成り果てているようであった…

相手の情報が出てきたが、結構面倒な予感

魔法吸収、再生能力…半端な方法ではまずいか

いっそより強力に…

次回に続く!!

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