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log-123 空にも地下にもロマンがあるからこそ欲張って

…やってきた、社会見学の一環の授業、エルメリア帝国中心部にそびえたつ、エルメリア城。


 ただし、入れるのはその城内の中の見学が許されたエリア…流石に文官などが働く機密情報がありそうな場所は向かえないが、それでもこういう城の中の見学授業と言うのはそれはそれで面白くもあるだろう。



「エルメリア帝国にそびえたつ城…ただし、()()()()()()あくまでも各国からの来客対応用に使用されており、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と…」

「ええ、正確に言えばこの城自体はほぼ見せかけに近く、重要なものは上下…空に浮かぶものと地下に埋まっているものと別れており、そのどちらも国家機密レベルで隠されているんです」


 事前にエルメリア城に関しての資料が見学に来た生徒全員に配られているが、どうやらこの見える部分はあくまでも見せかけのもので、本当に大事なものは見えないようになっているらしい。



 と言うのも、このエルメリア帝国は今でこそ学業に力を注ぎ、国の発展に注力しているが‥‥かなり昔の帝国は他国へ戦争を仕掛ける日々が多かったそうで、今でもそれなりに敵が残っており、狙われることがあるらしい。


 そんな状態で、馬鹿正直に国家運営を担うものたちがいると知らせるものがあるのは危険であり、だからと言って何もない状態では国としては威厳がない。


 そこで、色々と策が練られた結果として、皇族やその他重要機密は見えない場所に移動させ、ある程度は見せても大丈夫な部分だけが解放されて見えるようになっているそうである。

 大丈夫なのは騎士の訓練場や帝国歴史の一部が詰め込まれた公開図書室、帝国の法律の一部改正や新規作成が行われる議会室など…まだ多少は見ても問題は無い部分だとか。




 なお、そのような大事な場所を許可なしに入ることも見せることもできないため、皇族は全員特殊な契約が結ばれており、迂闊にもらせば相当ひどい目に遭うのだとか。




「でも確かに、重要な場所を隠すために目立つものを利用するって言うのもありなのか…」

【地下にある方は、掘ればすぐに進入できそうですけれども、そのあたりの防衛はどうなっているのでしょうか?】

「ええ、そのあたりは機密もありますが、公開されている情報では何層にも特殊な金属板が埋め込まれており、そう簡単に進入できないのだとか。同じ理由で、上空にある方もまた見えないようにする技術も追加されて、より発見されにくくなっているそうです」



 ハクロの質問に対して、今回に引率を受け持った教師がそう答える。


 上下に大事なものがあるという情報は公開されていても、そこから先はしっかりと厳重に守られているらしく、わかっていても容易く知ることはできなさそうだ。



 空に浮かぶ城に、地下に秘められた城…どちらもちょっとロマンを感じるような気がしなくもない。


【なるほど…そのような守りは確かに大切だな。国の重要なものがあるからこそ、守るための工夫が必要だが、ここはより厳重になっているか】

【あー…だからミー、ちょっとここ苦手な感じがすると思ったら…地下に防壁あったら、根っこがいけないわけだね…】

【ギルドでも限られた上層部しか情報が無いようですネ。表彰や式典などで解放されるのもこの見えている城の場所だけのようですヨ】

【轟雷を落とせば多少は場所が分かるか…いや、でも地下への手段はないし、モンスターの群れが国の周囲の壁を突破しても大事な場所が破られないようにしているとは、恐れ入ったぜ】



 モンスターが存在している分、より一層その守りが厳重になっていてもおかしくはないだろう。

 地面を掘り進み、空を制覇するような種族も存在しているため、そういった者たちが来られても大丈夫なようにいくつもの対策が仕掛けられているようだ。


 絶対に無いとは思うけど、ハクロ達が侵入するとしても相当難しい時点で、結構厳重な守りに放っている様子。


 ただ、そんなに厳重にしていても、最終的には情報を握っているのが人と言うのもあってか、その部分でごくまれにやらかす者もいるようで…その場合は大抵、悲惨な結末を迎えさせられるようだ。


「そうですわよ、過去には情報漏洩で処分された皇族もいますわ」


 そんなことを考えていると、話が聞こえたのかミラージュが近くに来ていた。


「処分?え、そこまで…」

「当たり前ですわ。帝国の城の秘密は、相当重要なもの。そうやすやすと漏らさないように、城内勤めやその関係者には特殊な契約を使って制限をして守りますわ」


 帝国にとって大事なものだという認識は非常に強くあり、徹底されているそうである。

 だが、完璧ではないというのも人のさがというものか。



「ハニートラップに賄賂、かつては禁忌の魅了の魔法や道具などもあったらしく…色々と情状酌量の余地があったりするのならば多少は考慮されますけれども、大抵は無残な結末がやってきますわね」

「怖いな…でも、それだけ大事か」

「ええ、そのとおりですわ。ちなみに、処分例は軽ければギロチン、重ければ…伝える手段を根こそぎ削ぎ取って活かし続けるということがあったらしいですわね。公式記録だと、その状態で約3年はもったとか…」

「削ぐって何を!?」


 思った以上に猟奇的な面も感じさせるレベルだが、それだけの罪の重さをしっかりと実感させるためにやっていたらしい。

 記録としてその刑が処されたのは2件あり…自ら惚れた相手が他国の調査員だったハニートラップによるものと、皇位継承権争いで他の皇子を落とそうと冤罪を賭けるために画策した結果、みごとにやらかしたものがあるそうだ。


 後者はまだわかるが、前者は多少情状酌量の余地はありそうだが…魅了とか関係なく、気を引くためだけに大量の国家機密を流していたらしいので…まぁ、そうなるだろうな。




 色々突っ込みたいところもあるが、ちょっとばかり闇が深そうな面も見えそうでもある。

 なのでここは気持ちを切り替えて、見学に意識を向けることにするのであった…



「それにしても、空と地下にか…移動はどうしているの?」

「それは一応答えられますわよ。魔道具か、もしくは秘密の階段ですわ」


…前者は良いけど、後者はやると結構きつくないかな?

いけるのは見えている部分だけ

そう制限があっても、楽しめるなら良いだろう

いや、防犯上としては多分これも良いのだが…

次回に続く!!



…大事な場所はしっかりと守っている模様

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