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log-094 見えてくるもの、蠢くもの

「---さぁ、大闘争会も昼食を終え、午後の部へ突入!!」

「今のところ、両陣営、どちらもデッドヒート!!」


「「「うぉおおおおおおお!!」」」

「「「負けるかぁぁぁ!!」」」


 貴族側、平民側、どちらとも一歩も譲らないと言わんばかりの気迫で、激突しあう闘技場内。


 ガツンガツンと火花を散らし、得点を少しでも稼ごうと必死になって争い、お互いの誇りと勇気とやる気とその他諸々を炎として燃え滾らせて、熱くなっていく。


「さて、次の種目は‥綱引きでス!!」


「よっこいせぇぇ!!」

「うごぉぉぉ!!」


 様々な種目がある中、割と普通の運動会らしい種目もある模様。

 とはいえ、そうやすやすと勝利できるものでもないのだが…



「「「うぉおおおおおおお!!」」」

「「「おわぁぁぁっつ!!」」」


「おーっと、ここで貴族側の勝利!!ずるずると、見事に引きずって見せた!!」

「子供であっても、集えば相当の力を発揮できるようですネ。それでも、この力の差は凄まじいものでス」


 貴族側の生徒たちがこの試合では勝利し、得点を取られてしまった。


「くそっ、めっちゃつえぇぇ!!」

「あとちょっと、って思いたいのにそれが出来なかった!!」


 口々に今の敗北の感想を漏らし、悔しがる生徒たち。


「確かに悔しかったけど…力の差があったねぇ」

「でも、かなり強かったが…おかしくないか?午前中も、結構力を使う競技があったけど」

「今の綱引き、数人ほどそれ以上の力を出していたような‥?」


「ん?」



 何やら違和感を覚えた生徒たち。

 力の差で負けたのは悔しいが、妙なものを感じ取ったのだ。


 それはほんの少しのもので、悔しさから産まれる理由付けや、気のせいだとも思いたかったのだが…徐々に、その違和感に対して抱く思いは大きくなっていった。





「ふしゅーっ…ふしゅーっ…」

「お、おい大丈夫か?息が荒くなってきたようだが」

「大丈夫だ、問題ない。それどころか体の底から力が湧いてくるようで…どんどんたぎってきたところだ」


 次の種目前の短い休憩時間の時、貴族側のほうの休憩所で何名かの生徒の息が荒くなっていた。


 その様子を見た他の人が声をかけたが、極度の疲労でなっているわけではないらしい。


「ならいいけど…体調管理に気を付けろよ?こういう場で管理しないと、後々響くからな」

「わかっているわかっている…ふしゅーーっ」

「本当かよ…?」


 色々と怪しむべき点もあるが、本人が大丈夫だと言っているのであれば、これ以上何も言えない。


 仕方が無いので、本当に具合が悪くなったら無理せず休めと彼らは告げたが…既に、その声は届いていないようにも感じたのであった…


異変は割と見えるもの

でも見えた時点で、遅いモノ

さて、これはどうなのか…

次回に続く!



…たまにはこう、叫びたい時もある

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