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エスピリテラ漂流記  作者: 空創士
ブレイブス・チュードレン
7/123

6 エスピリテラ・デビュー

【Espiritera Debut】


「な、なに、ここはっ?!」

一番先に声をあげたのはユリアだった。


「太陽が六つあるわ!」

「それに空の色がどんどん変わっていくわ!」

アイとミアがほとんど同時に叫んだ。


空には六つの太陽が輝いていた。

中心に大きな太陽があり、その周囲に五つの小さい太陽がある。


いわゆる五芒星(ごぼうせい) と呼ばれる形で、中心の太陽はなぜだか水色で、周りの小さい太陽は、それぞれ橙、緑、青、黄、赤の五色だった。


そして空の色は数分ごとに変わっていく。

まるでオーロラの色が変わるように、見る見るうちに七色に変わっていく。


ドクーン ドクーン ドクーン......

地の底から響くような重々しい音が聴こえる。


「それに、なあに、あのでっかい月?」

マユラが地平線からあがりつつある巨大な月を指した。

マンガに出て来るようなでっかい月だった。

まるで歩いて行けそうなところにあるように見える。


その月の表面には雲が流れているのが見え、かなり大きな町や川までも見える。

そして、奇妙なことに、その月からまるでヘソの緒のようなチューブみたいなものがエスピリテラにつながっているではないか?!


ドクーン ドクーン ドクーン......


「ここがエアレンアース?」

「あのバカでっかい月、エアレンアースとつながっているのか?」

ジオンがバカでっかい月から出てエアレンアースにまでとどいているチューブを指して叫ぶ。


「あの月、町や川や海が見えるよ!雲が流れているし!」

モモコが言うとレオタロウも

「ゼリアンスロゥプ大王さまが歩いているのが見えそうだ!」

ゴチン!

「イテっ!」


早速モモコからゲンコツを食らった。

「なにすんだよ、モモコ(ねえ)っ?」

「大王さまがあんなところ歩いているわけないじゃない!」

「もののたとえだよ!」

「たとえがアホすぎる!」


ドクーン ドクーン ドクーン......


みんながワイワイ騒いで驚いているのを見て、

ガイド役兼ボデイガードのティーナ(守護天使)が答える。


(ここはエアレンアースじゃないみたい...)


「「「「「「「「エアレンアースじゃない?!」」」」」」」」

全員がズッコケた。


「別の世界に来たってこと?」

「どうしてエアレンアースじゃないところに来たんだよ?」

「何が間違ったの?」

「どうもおかしいって思っていたわ!」

「エアレンアースじゃないって... じゃあ、ここはどこだよ?」

ワイワイと子どもたちが騒ぐ。


「みんな、ちょっと静かにして。今、調べているから!」

ティーナの言葉に、みんな固唾を飲んで彼女を見守る。


ティーナは、創造主さまの能力の1京分の1の能力をもつ守護天使シーノが作り出した、子どもたちのガード兼異世界ガイドなのだ。

シーノほどの能力はないが、それでもシーノの100分の1の能力をもっている。


しばらく目を閉じて集中していたが、パッチリと目を開けた。

「どうやら、エアレンアースへのゲートを開けて跳躍する時の演算に誤差があったみたい...」

肩を落として言うティーナ。


「... ティーナちゃん、そう気を落とさないで。ここが何て言う世界か知らないけど、たぶん、ここも創造主さまが創った世界であることは確かよ!」

「そうよ、ティーナちゃん。ちゃんと息を出来る世界みたいだし!」

「そうだよ、元気だしなよ、ティーナ!」

「うん。オレたちが力を合わせれば、無事にこの世界で冒険できて帰れるよ!」

子どもたちが口々にティーナを元気づける。


「うん。わかった。エタナールさまがお創りになられた世界なら、それほど悪い世界じゃないはずだもんね!」

「そうだよ」

「そうよ!」

「それに、シーノお母さまも、わたしたちがここにいるってすぐわかるはずだし!」

ティーナの言葉を聞いて安心した子どもたちだった。



とにかく、異世界に来たことは確かなのだ。

じっと止まっていてもしかたがないので、歩き出す。


「それにしても...」

「かなり奇妙な世界だね、ここは...」

ユリアが言いいかけた言葉をリュウが継いで言う。


ドクーン ドクーン ドクーン......


「おい、見ろよ!あっちがわからは、灰色のでっかい月が現れたぜ!」

リュウが指さす反対側を見ると、たしかに灰色の雲で表面を覆われた月が、その巨体をはるかな山々の間から姿を現しはじめていた。


ドクーン ドクーン ドクーン......


目の前の野原には、風車のようにクルクル回る花々が咲き乱れ、

その上を大小さまざまな大きさのムカデのような長い胴をもつ蝶が五対の大きな(はね)を羽ばたかせて飛んでいる。


ドクーン ドクーンドクーン ......


「ところで、この地の底から聞こえてくるような音はなに?」

「そうだよ。まるで心臓の音みたいじゃん?」

「規則正しく響いているしね...」

子どもたちが、この世界に来たときから聞こえている音のことを言う。


(ああ、これは、この星のコアの音みたいよ。鼓動とでもいうのかしら?)

守護天使ティーナの答えにみんなおどろく。

「コア?」

「鼓動?」

「心臓があるの?この惑星?」


ドクーン ドクーンドクーン ...


(そのうちに気にならなくなると思うわ)

あっけらかんとした守護天使だった。



シーノのサポートで異世界に来たのは9人の子どもたちだった。

ユリア、アイ、ミア、リュウ、レン、マユラ、リディアーヌ、レオタロウにモモコだ。


 ライトパレスの会議室にシーノが子どもたちの親を集めた。

シーノは、『子どもたちの夏休み―有効な利用法』と言う提案を出したのだが、レオ王を含む子どもたちの親たちから総スカンを食らった。

 頭に来たシーノは「シャーラップ!」と叫ぶとともに、時間遅延スキルを使って時間を止め、歳をとって頭の硬くなった大人たちに、創造主エタナール様直伝の脳手術― “信頼”と“理解”の刷り込みを― 行った。

 その結果、親たちは全員“子どもたちが夏休みを利用してテラへ旅行する”ことに、もろ手を挙げて賛成した。守護天使にやらせれば、何事も朝飯前なのだ。


 ミオン、ルシエル、マックス、それにジオンの4人は、それぞれの事情で異世界へ冒険の旅に行くことを断念した。アイのふたごの弟ミオンは、アイやミアのように魔術も使えず、剣術の才能もないことをこの前の魔大陸でのゴブリン狩りでつくづく感じて「みんなの足手まといになりたくない」と言って残った。

 マックスもミオンと似たり寄ったりの理由だ。

ジオンは、マユラの兄だが、どうしても3年前から同棲しているジュセリアというかわいい豹族の娘と離れたくないという理由で冒険を断念した。


 ルシエルの場合は、母親のロゼリーネに心配をかけたくないという理由だった。

アイとしては、ぜひ、ルシエルとともに精霊界で冒険の旅をしたかったのだが、無理強いするわけにはいかない。ルシエルがアイに「ボクは行けないよ」と言ってから、二人の間は気まずくなってしまった。


 4人の男の子が何やらかにやらの理由でエスピリテラへの冒険旅行を断念したのとは対照的に、リディアーヌが女の子で、それもアイミ女王付きの巫女でありながら、エスピリテラでの冒険への参加を希望してみんなをおどろかせた。


 リディアーヌは前エルフ女王エステイーナの娘であり、アイミ女王のアシスタントになったばかりだった。

リディアーヌは亜麻色髪に青い目の14歳の美少女エルフで、父親はレオ王なのだが、回復魔法と記憶操作魔法を使えるというので、ヒーラー(回復魔法術者)も必要よ、というアイの言葉で仲間入りが認められたのだ。

 リディアーヌの師であるアイミ女王も、「見分を広めるのは、あなたの将来にとっても重要なことです。ぜひ、行ってらっしゃい」と快諾してくれた。



ドクーン ドクーンドクーン ......


「本当に気にならなくなればいいんだけど...」

「まったくだね!」

などとユリアがリュウと話していると、100メートルほど先にある丘の向こうから上半身が人族で下半身が馬のようなもの十頭ほど現れた。


向こうもすぐにユリアたちに気づいたようで立ち止まって、興味深そうにユリアたちを見ている。

害意はないようだ。ただ、奇妙なヤツらがいるみたいな感じで見ているようだ。


「あれ、ケンタウロスとかいう神話に出てくるやつじゃない?」

目のいいマユラが目ざとく特徴を見て言う。

「ケンタウロスって、半人半獣の種族の名前だろ?そんなイキモノがここにはいるのか?」

リュウも興味深そうにケンタウロたちを見ている。

どうやら家族のようで、成獣らしい体格の大きいのが4頭と小さいのが2頭いる。


 その中の二頭の子どもケンタウロが、こちら目がけて走り出した。

成獣のケンタウロスたちが制止しようと大声で叫んでいるが、一向に構わずパカッパカッっと駆けて近寄って来た。

一頭は男の子らしく、青い髪で1メートル半ほどの槍を手にもっていて、もう一頭は女の子らしく、緑の髪で胸が少しふくらんでいる。そして手には矢をつがえた弓をもっていたが、ユリアたちを狙ってはいなかった。


「(こんにちわ!このあたりでは見かけない人たちだね)?」

「(どこから来たの?)」

念話ができるユリアたちは、2頭のケンタウロスの子どもが言っていることが理解できた。

「ミィテラから来たのよ」

「ミィテラ?知らないな」

「私も聞いたことないわ」


 そこに成獣のケンタウロスたちがたちがやって来た。

ひとりの茶髪のたくましい体格のケンタウロスがリーダーのようだ。

体高は2メートルを超すだろう。

大きな弓を手にもち、腰には長刀を差している。

彼の横には若いオスのケンタウロスが3メートルほどの槍を構えて鋭い目でユリアたちを見ている。

その後ろには明らかにメスとわかる4頭のケンタウロスたちがいた。


 それぞれ弓や小槍を手にしている。

だが、メスたちは張り出した胸には何もつけてないので、大きな乳房が丸見えになっている。

腰回りだけ革製の衣服みたいなのをつけている。


 彼らのいでたちを見ると、どうやら狩りに来ていたらしい。

ウサギのようだが耳がゾウみたいに平べったい獲物を数頭とピンクと青と黄色の派手な色のキジのように尾が長い鳥を数羽、それぞれ腰に吊るしていた。


「儂はオーン。このあたりのラピテーズ種族の長だ。オマエたちは誰だ?」

この世界では、神話でケンタウロスの名前で知られている半人半獣はラピテーズと呼ばれているらしい。

オーンと言ったリーダー・ラピテーズは、そばで今にも矢を撃ちかけそうな若いオスを手で制して言った。


「私たちはミィテラという世界から来ました」

ユリア ―すでに少年たちのリーダーのようになっていた― が、冒険をするためにやって来たのだと説明した。

「ミィテラ…? ずっと以前に先代のリーダーから聞いたことがあるな... そうか。そういう世界がやはり存在したのか?」

「ところで、ここは何と言う世界なんですか?」

「うん? そんなことも知らないのか? ここはエスピリテラだ!」


「「「「「「「「「エスピリテラ!」」」」」」」」

子どもたちが驚く。


「最初の精霊、イヴンとアーヴァが “生まれ出でよ!”と念じて創った(惑星)、それがエスピリテラなのだ」

「なんだ、そのイヴンとアーヴァって、ティーナちゃん?」

「まるでパパがおとぎ話でしてくれた『アダムとイブ』みたいじゃない?」

リュウとミアがティーナに聞く。

(わたしも知らないわ。何だかエアレンアースとは設定が違うみたい...)


オーンは、子どもたちが話しているのを興味深そうに見ていたが、ティーナは姿を消しているから見えない。

「まあ、こんなところで立ち話もなんだ、狩りもまあまあ収穫があったことだし、儂の部族の集落へ行って続きを聞きたいが、来るか?」

「あ、はい、よろしくお願いします!」

「よろしくお願いします」

「お願いします!」



 オーンが先頭になって、ポックリ、ポックリと野原を歩いて行く。

先ほど彼らが現れた丘を越えてしばらく行くと道に出た。

もちろん舗装道路ではなく、馬車が通れるほどの道幅の道だ。


「ねえ、ねえ、あなたなんていう名前?」

「君はメスだろう?なんで胸をかくしているんだい?」

「えっ、私たちの種族では男も女もふだんは服を着るのよ」


 ラピテーズたちは、ユリアたちにとても関心があるようで、あれこれ聞いて来る。

先ほど、矢を射かけんばかりに警戒していた若いオスのラピテーズはイクシーという名前らしい。

ユリアたち女の子が上半身に服を着ているのを不思議そうに見ている。

若いメスラピテーズ4頭の名前はケイラ、マーギュ、ピリュラー、リアーにラピア。

子どもはテースとテッサーという名前だと話しているうちにわかった。


プリプリしたメスたちのおっぱい。

リュウ、レン、レオタロウたちは気になってしかたがないようだ。

リュウがユリアの目を盗んで、ラピテーズの若いメスたちのおっぱいをちらちらと見ていると

「リュウ... ちゃんと前を見て歩くのよ!」

ユリアから注意された。

 

「でも、あのバカでかい白い月とバカでかい暗い月、本当に奇妙だな!」

「町や海川がある方がライトムーンだ。反対側にあるのがダークムーンと呼ばれている」

レオタロウが大きな月を見ながら言うのにオートが説明する。


「ライトムーンとダークムーン...!」

「名前を聞いただけで、なぜそう呼ばれているかわかりそうだね」

「ライトムーンには善霊が住んでいて、ダークムーンには悪霊が住んでいる」

「悪霊と善霊?」

「なんか精霊界に似ている感じね」


「じゃあ、このエスピリテラには、善霊と悪霊が両方の月から来ているってこと?」

「そして、おたがい相手を滅ぼそうと太古の昔から戦いをくり広げているのだ!」

「つまり... ここはバトル・ワールドってことね?」

「こんなのどかな自然のある世界で戦争が起こっているなんて... ちょっと信じられない感じね...」

オーンの言葉にユリアとアイが目を見合わせる。



道路はやがて鬱蒼とした森の中にはいった。

森にはいると、木の枝の上から多くのサルが彼らを見て


ギャッ ギャッ!

ギャ ギャ ギャッ!

ギャッギャッ ギャ!

 

けたましく騒いぎだした… 

と思ったら… 人族だった!

それも真っ裸だった!


「えーっ、あれサルじゃないよ?」

「本当だ!なんでハダカなんだ?」

「いやねぇ... あんなモノぶらぶらさせて!」

「いいねぇ!おっぱいをぶらぶらさせて!」

「ちょっと、もませてくれないかな?」


ゴチン!

「イテぇ!」


「どこ見ているの、レオタロウ?!」

「そんなこと言ったって... ラピテーズの子たちもおっぱい丸出し、

木の上のニンゲンザルもおっぱい丸出し。いったい、どこを見りゃいいんだよ?」

「地面だけを見て歩きなさいっ!」


ユリアたちがハダカの人間を見て驚いているのを見て、ピンク髪のラピアが説明してくれた。

「あれはヤドラレ人という種族で、パラスピリト(寄生霊)が寄生するとヤドリレイ人に進化するのよ」

パラスピリト(寄生霊)?!」

「そんな生き物いるんだ!」

「それで、そのパラスピリト(寄生霊)って、ここにいるんですか?」

みんな興味をもって、次々と質問をする。


パラスピリト(寄生霊)はね、ふだんは自分たちだけで町に住んでいるのよ。

そして新しい宿主― つまりヤドラレ人の体が必要になったら、ここに来て自分の好きなヤドラレ人を選んで寄生するの」

橙色の髪のマーギュがていねいに説明してくれる。


ヤドラレ人は森の大木に巣穴を作って住んでいるそうだ。

そういえば、よく見るとたしかに幹に戸らしいものや窓らしいものがついていて、それらの戸から出入りし、窓から彼らを見下ろしているヤドラレ人の顔も見える。


オーンの群れの中でのリアーの地位を聞くと、彼女はオーンの2番目の妻だそうだ。

「えっ、2番目の妻ってことは? あの人の次がリアーってこと?」

アイがおどろいて聞くが、レオパパだって100人くらい奥さんや恋人がいるので彼女たちは多妻ということになれている。


「オーンの一番の妻がケイラで、次が私。そしてピリュラーが三番目」

「三人の妻...」

「いえ、集落にはあと7人いるわ」

「全部で10人の妻!」

「ラピテーズのオスは、力が強いほど多くのメスを所有できるの」


ラピテーズの生活などを聞きながら歩いていると、急にオーンがピリュラーと手をつないで道の脇の小藪にはいっていった。


“小藪の中に獲物でも見つけたのかしら...? それにしては弓を構えてなかったわね…”

見ていると突然、オーンがピリュラーの上に馬乗りになり、激しく体を動かしているのが見えた。

ユリアたちが見ているのに全然気にしてないようだ。


ギュヒヒヒーン! 

ピリュラーが嘶き

グワヒヒーン!

オーンが嘶く。


 ラピテーズたちの交尾は5分とかからないで終わった。

みんなのところにもどって来た2頭は、何事もなかったようにポックリ、ポックリと歩いていたが…


しばらくすると、オーンはマーギュの後に来て、しきりに彼女のオシリあたりを嗅ぎはじめたと見ると

マーギュの手をとって、また道脇の小藪にはいり、マーギュの背に乗ってふたたび交尾を始めたではないか!


道からは2頭の様子がよく見えた。

オーンはマーギュの首筋に噛みつきながら― おそらく軽くだろう― 一生懸命に交尾しており、

マーギュは気持ちよさそうに目を細めオシリをふっている。


ギュヒヒヒーン!

グワヒヒーン!


2頭の嘶きが森の中に響く。



 ユリアたちは唖然としてしまった。

少々のことでは動じないリュウやアイも、おどろきのあまり、何も言わないで歩き続ける。

ミアなどは嘶き声が聞こえないように耳をふさいで歩いている。


 しかし、イクシーやリアー、ラピア、テース、テッサーたちは、“それが特別なことでもなく”、“隠すべき行為”とも思ってないらしく、平然とおしゃべりをしながら歩いているし、子どもたちもムカデ蝶をキャッキャいいながら追いかけたりしている。


 マーギュに続き、ケイラも小藪へ連れこまれ、オーンと交尾をはじめた。

これも5分ほどで終わって、ケイラはさっぱりした顔でもどって来た。


「ユリアたちもヤリたくなったらヤってもいいわよ。私たちゆっくり歩いているから」

ピンクの髪のラピアが、“ちょっとそこらへんでも散歩でもして来たら?”みたいな口調でユリアとリュウを見て話しかけた。

「「「「ええええ――――っ?」」」」

4人ともズッコケた。


「私とリュウは、清く正しい...」

「おつきあいなんだ...!」

「あら、だって、あなたたち交尾したいって匂いがプンプンしているわよ?」

「に、匂い?!」

「こ、交尾したい?!」

「最初に会ったときから匂っていたんだけど、今はもうすごく濃くなっているわ!」


「!...」

「!...」


ユリアとリュウがおたがいを見つめ合う。

そして真っ赤になった。


(ユリア...)

(なに?...)

(おれと......... )

(しないわ!するわけないでしょ!)

(............)


リュウは何も答えなかった。




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