2 ライトパレス
「そうですか。それはたいへんでしたね」
美しい手でティーカップをとりあげ、一口お茶を飲みながら言ったのは紫の瞳も美しいオリヴィア王妃だった。
レオ王は帰国したばかりのイザベル王妃、オリヴィア王妃、ロゼリーネ王妃とライトパレスの広く美しいガーデンで話していた。
よく手入れされた芝生の上に置かれた白いウッドテーブルには、洒落たティーポットが置かれてあり、皿にはワッフルが盛られている。
オリヴィア王妃とロゼリーネ王妃は、恒例となったミィテラの世界最大のファッションイベント『Myteraファッションウイーク』に参加して来たのだ。
「ねえ、ママ、もうお一つワッフルを食べてもいいかしら?」
オリヴィア姫そっくりの美しい紫の瞳の美少女がそっと聞く。
「いいわよ。マリステラちゃんとアンジェリーネにももって行ってあげなさい」
「はい。ママ」
少女の名前はミシェリ。
ジュニアファッションモデルで、ミィテラの世界でもっとも美しい少女モデルと呼ばれている娘だ。
母親譲りの深い紫の瞳と漆黒の髪。整った目鼻立ち。
年は12歳だが、身長は160センチ近く、この分ではあと数年で母親を追い抜くのも確実だ。
胸も最近、目にみえて成長しつつあり、こちらもあと4、5年すれば母親を追い抜くかもしれない。
「マリステラ、アンジェリーネ!ワッフルいっしょに食べようよ!」
オリヴィア王妃とイザベル王妃が、紙ナプキンにていねいに包んでくれたワッフルを両手にもって、ブランコに乗っておしゃべりをしている女の子のところに走って行く。
ショートパンツから伸びた白い足がまぶしい。
レオ王は、そんなミシェリの後姿を見ながら、テーブルの前に座っている紫の瞳の王妃を見た。
「あら、レオさま、どうかなさいました?私の顔をじろじろと見ていますけど?」
「いや、ミシェリはオリヴィアに瓜二つだから、12歳のころはあの娘そっくりだったんだろうな、と思ってね!」
「そうですね。あの娘は私以上にきれいになりそうですわ。私はあの年であんなに伸びていませんでしたもの...」
「胸もかい?」
「いやですわ。レオさまったら、すぐそんな話をするんですから...」
「そうよね。さっきからマリステラもよく見ているけど、どう、レオ、私が18のときと比べて、どちらがきれい?」
マリステラはイザベル王妃の娘で、もちろん父親はレオ王だ。
今年18歳になったマリステラは、すでにトップモデルだったオリヴィアに影響を受けてか、モデルの道を歩き始めた。 今も三人でブランコを揺らしながらキャッキャ笑っているマリステラは、三人の娘の中でもっとも年長であり、モデルとしても先輩になっている。
彼女もイザベル王妃譲りの赤い髪と青い目の美女で、今や超売れっ子モデルとして活躍している。
身長もイザベルをすでに追い抜いて168センチになっており、バストも母親に負けないくらい成長している。
「マリステラも...」
「胸が大きくなりました。はい」
レオ王が言おうとしたのを遮ってイザベル王妃が言う。
「いや、オレは胸のことを言おうとしたんじゃ...」
「じゃあ、マリステラのオシリ?それとも足?」
「ヒドイなあ... オレはマリステラの父親なんだよ?なんで娘の胸とかオシリとか...」
「いつも穴が開くほど見ています!」
「そ、そうなのか?」
「きゃーっ!」
悲鳴が聞こえたので見ると、 アンジェリーネがブランコから落ちて尻もちをついた。
「きゃーっはっはっは! アンジェリーネのドジ!」
「あっはっは! アンジェリーネちゃん、オシリ全治5分間!」
「やーん!お姉さまと マリステラちゃんのイジワルぅ!」
ミシェリに負けず劣らず白い足を天高くあげてわめく美少女。
アンジェリーネもモデルとして歩き始めている。
彼女は父親譲りの茶色の髪と茶色の瞳だが、すでに身長は150センチ近くまであり、胸のサイズなどはまだまだだが、美少女でチャーミングだというので早くもファッション界では熱い注目をあびている。
その姿を微笑ましく見ながらロゼリーネがつぶやいた。
「女の子もいいですわね... 私はルシエルだけですから...」
「あら、レオにお願いして女の子のタネ植えてもらいなさいよ!」
「そうですわ。ロゼリーネさんはまだ若いんですから!」
「ええっ、そんなつもりで...」
「だって、ロゼリーネさん、今33歳でしょう?」
「は、はい...」
「だったら工場はまだ閉鎖してないから作れるわよ!」
「そうそう。ロゼリーネに似た女の子なら、モテてモテて困るわよ?」
「そ、そんな... 無体なことおっしゃらないで!」
年甲斐もなく真っ赤になった元ノーブレ・デーモン美女だった。
しかし、彼女は心に決めたのだった。
“私もかわいい女の子を産むわ!”
「レオ、わたしはガジーマにもどるぞ!」
ソフィア王妃がやって来てレオ王に告げた。
ガジーマは鬼人族国の首都で、三年前、ソフィア王妃は鬼人族国のドウジュ・シュテン大王と三番勝負をして三回とも勝った。試合は非公式であったが、ドウジュ大王は負けたことを恥じてリタイアを宣言したのだった。
実はソフィアはドウジュ大王の娘で、その実力は鬼人族の間でも早くから噂されていたが、まさかそのような圧倒的勝利をするとは誰一人予想してなかっただけに、当時はミィテラの世界中の話題になった。
したがって、ソフィアは勇者王国では“ベンケイ”の愛称で知られるレオ王の王妃のひとりであるが、鬼人族国では大王としての仕事が山ほどあり、正直な話、ソフィア王妃は大王であることにもう辟易していた。
しかし、彼女を負かす挑戦者が出てこない限り大王を務めなくてはならない。
勝負に勝つは易し、その地位にとどまるは難し、である。まあ、本来は別の意味なのだが、ソフィアの場合にも当てはめておこう。
「おう、そうか!わざわざ来てくれてありがとう!」
「う... うん。それは構わん... どうせタイクツしていたところだし...」
「?」
なんだかまだ何かを言いたそうなソフィア。
「レオさま、ベンケイちゃんはお別れのキッスを求めているのよ!」
オリヴィアが微笑みながら言う。
「な、なにを言う、オリヴィア?わたしはキスなど... フギュっ!」
素早く立ち上がったレオ王は、ソフィアの腰を引き寄せ、深いキスをした。
「ふにゃ~ん…」
さすがの鬼人族国の勇猛な女大王も、愛するレオ王の前ではかわいい女だった。
「そ、それじゃな!金曜日にまたトンシー大先生の家で会おう!」
ソフィアはニコニコ顔で、ポータルゲートで鬼人族国へ帰るために宮殿の中にはいって行った。
ポータルゲートは移動魔法を使えない者が、あらかじめ目的地が決まっている地点へ移動できるために作られた魔法陣で、魔法陣の天才キュィポラ先生が勇者王国のVIP用に開発したものだ。
ソフィアと入れ違いに現れたのは、濃紫色のトゥニカを着た美しいエルフ女性。
ちなみに彼女もレオ王の妻のひとりでもある。美しいエルフ女性はひとりのエルフ少女をともなっていた。
美しいエルフ女性はエルフ女王のアイミ。彼女が着ている濃紫色のトゥニカを着はエルフ国女王としての儀式・祭典用式服で、同色のウィンプルを頭にかぶり、青白い石‐蛍石‐で作られた新しいロザリオを首から下げている。エルフ少女の方は水色のトゥニカを着ている。巫女であることは確かだが若い。
アイミはひとりのエルフ少女をともなっていた。
ちなみにアイミもレオ王の妻のひとりでもある。
アイミが着ている濃紫色のトゥニカはエルフ国女王としての儀式・祭典用式服で、同じ濃紫色ののウィンプルを頭にかぶり、青白い石‐蛍石‐で作られた新しいロザリオを首から下げている。
エルフ少女は水色のトゥニカを着ているので、巫女であることは確かだが若い。
「あら、イザベルさんにオリヴィアさん、それにロゼリーネさん、帰っておられたのですか?」
「こんにちわ。アイミさん。相変わらずお忙しそうですね」
「アイミ、やっほ!アルフヘルムも結構忙しそうね」
「アイミさん、こんにちは。昼食前に帰ってまいりました」
「みなさん、こんにちわ!」
アイミといっしょに来たエルフ少女がペコリと頭をさげて挨拶をする。
「リディアーヌちゃんも、すっかり女王のアシスタントとしての役割が板について来たみたいだね!」
「ありがとうございます。レオ王さま」
亜麻色の美しい髪と青い目の少女は、レオ王から声をかけられて頬を染めて礼を言った。
「エスティーナさまはお変わりありませんか?」
「ありがとうございます、オリヴィアさま。妹のジュリエッタが少しやんちゃで...」
「あら、そうなの? きっと、お父さまに似られたのでしょうね」
イザベルがちらっとレオ王の方を見ながら言う。
「お父さまは、子どものころからおとなしかったって、この前聞きましたけど...」
「そ、そうかい。きっとジュリエッタはおじいちゃんかおばあちゃんにでも似たんだろうね」
リディアーヌは知らないが、ジュリエッタがレオ王の子どもであるということは、王妃たちの間では公然の秘密だった。前エルフ女王であったエスティーナは、イケメンエルフのアラン・ドロンバック・プロンソンと結婚していたが、十年ほど前に“性格の不一致”というもっとも代表的な理由で離婚・別居していたのだ。
しがない勇者王国のスズメたちは― この場合、スズメとはおしゃべりな王妃たちのことである― エスティーナがアランと別れた最大の理由は、エスティーナ女王がレオ王に一度抱かれて以来、レオ王から離れられなくなったからだともっぱら噂していた。その噂はレオ王の耳にもはいっていたが、彼は否定しなかった。
それに、エルフ国のエスティーナ前女王に近しい古老のひとりが、アランから「僕は小さい時に病気で高熱を出して、それ以来、子どもができなくなったのですよ」と言ったのを聞いたという話も伝わっていた。
なにを隠そう、その古老とはエスティーナ前女王の父親のオジロンじいさんだった。
アイミも当然、その話を聞いてはいたが、エルフ女王として、また勇者王国の王妃として、確証のない噂話を信じるわけにはいかなかった。
しかし、アイミはエルフ女王として大恩あるエスティーナ前女王に、あらゆる形で支援をしており、リディアーヌを彼女の側近のアシスタントとして採用したのもその一つだった。
リディアーヌは賢い少女で、仕事の飲み込みも早く、エルフであれ、人族であれ、獣人であれ分け隔てなく接したのでアルフヘルム宮殿でも評判がよかった。
アイミ女王としては、エスティーナがそうしたように、リディアーヌを時期エルフ女王にすべく訓練をしていたのだ。
それはレオ王も同じで、DNA鑑定をしなくとも リディアーヌもジュリエッタも自分の娘同様に扱い、毎年、誕生日にはそれなりのプレゼントを贈っていたし、学校関連の行事があり、父兄の出席が不可欠なときも万難を排して参加していた。
また、それとは別に、ユウシャコ・グループの社長として、自分の利益の中から毎月『教育支援』という名目で十分すぎるほどの教育費をエステイーナの口座に振り込んでいた。
もちろん、匿名でしていたのだが、エステイーナは誰が送ってくれているのかを知っていた。
「オリヴィアさま、サーリちゃんとミホコちゃん、それにセレシアちゃんとイマジャーとナラジャーが到着しました」
そこにオリヴィアのファッション・ビジネスのマネージャーをしている耀春玲が知らせに来た。
耀春玲もレオ王の妃のひとりであり、紫釉という男の子がいる。
オリヴィアはユウシャコ・グループの高級女性ファッションブランド『オリヴィーユ』のゼネラルマネージャーであり、またトップモデルでもある。
ちなみにブランド名『オリヴィーユ』は彼女の名前にちなんだものだ。
「あ、はい。ありがとうございます。すぐに行きます」
そう答えると、オリヴィアはブランコで遊んでいた娘たちを呼んだ。
イザベルもマリステラを呼んでいる。
「それでは、私も失礼させていただきます」
ロゼリーネも立ち上がって、レオ王に一礼すると歩き出した。
(じゃあ、あとでオレの部屋で待っている!)
その背に向かってレオン王は念話で伝える。
ビクっと一瞬歩みを止めたロゼリーネ。
(あ... はい。よろしくお願いします)
と答えて恥ずかしさのあまり速足で歩き出した。
(レオさまは、私が今日「排卵日」って知っていたのかしら?)
首を少し傾げながらオクタゴンハウスに向かうロゼリーネだった。
「あ、私もシーノちゃんがお話をしたいと言っていたので失礼します」
アイミがオリヴィアたちの後を追うべく立ち上がる。
リディアーヌもすぐにアイミ女王に続こうとしたが、
「あ、 リディアーヌちゃん、あなたはここで少し、レオ王さまに甘えてなさい」
「はい?」
芝生の上のテーブルにはレオ王と リディアーヌだけが残された。
アイミ女王も足早でライトパレスの中に消えていくのと入れ違いだった。
ひとりの少女がレオたちの方に歩いて来るのが見えた。
少女の年は10歳くらいだろうか。茶色の髪、青い目、そしてすらっと小鹿のように伸びた手足。
「ジュリちゃん?」
「あ、ミルティーお姉さま!」
少女は リディアーヌの妹のジュリエッタだった。
「あなたも来ていたの?」
「うん。お母さまといっしょに来たのよ!」
「お母さまと?」
「うん。なんかアイミ女王さまとお話があるみたい」
「アイミさまと?」
「私には、アイミ女王さまと話している間、 久しぶりにミルティーお姉さまとお話でもしていなさいって言われたの!」
「あら、そう...」
「うん!」
元気よく、かわいい茶色の目をくりくりさせながら、
レオ王と リディアーヌが二人だけで何を話しているか気になるようすだ。
「お茶飲むかい?」
「はい。いただきます」
先ほど、ネコ族のかわいいメイドが新しく持ってきたティーポットからお茶を注ぐレオ王。
「ワッフル食べるかい?」
「はい。いただきます」
おいしそうにワッフルを食べながらも、どんな話をしているか興味津々だ。
「あ... あの... 」
リディアーヌも妹のそんな視線を感じて、何をどうすればいいのかわからず、少しオロオロしている。
「 リディアーヌちゃん、いくつになったの?」
「じゅ、14歳になりました!」
そう言うと真っ赤になってうつむいてしまった。
「ということは、ジュリエッタは...」
「10歳です!」
相変わらずクリクリした茶色の目で見て元気よく答える。
「そうか... 二人ともそんな年になったんだな...」
感慨深そうに二人を代わる代わる見るレオ王。
「?」
「?」
なぜ、そんなに見つめられるのかわからない姉妹は、
おたがいの顔を見合わせたり、またレオ王の顔を見たりしている。
「さあ、二人ともオレのひざに座りなさい」
「えっ?...」
「へっ?」
予期しない言葉にしばし茫然とする少女巫女とクリクリ目の少女。
「オレのひざの上にお座りって言ったんだよ!」
ニッコリ微笑んでふたたび言うレオン王。
「は、はい!」
「おけー!」
レオ王のところに歩み寄って、ちょこんと座る。
リディアーヌが右ひざに座り、ジュリエッタが左ひざの上に座る。
リディアーヌは何だか居心地が悪いのか、モジモジしているが、
ジュリエッタの方はすっかりどっしりと座って背をレオ王にあずける。
「そうか。 リディアーヌも14になったか...」
そう言いながら、髪をやさしくなでる。
リディアーヌはレオ王の優しさに胸がいっぱいになった。預けている。
“今よ... 勇気を出して訊いてみなきゃ。今しかないわ…”
そう決意すると リディアーヌはレオ王のひざから降りた。
「ん?」
レオ王はどうして娘が自分のひざから降りたのかわからない。
ジュリエッタの方はひざに座ったままで、なぜ姉が降りたのかわからないという顔をしている。
“れれっ... まさか、この娘はオレが欲情しいていると思って...?”
しかし、 リディアーヌが発した言葉は「エッチ!」でも「ヘンタイ!」でもなかった。
「レオン王さま、あなたは私の本当のお父さまなのですか?」
ジュリエッタは唐突な姉の質問にかわいい口を開けたままだ。
口の中にワッフルが見える。
「.........」
しばしの間沈黙するレオ王。
「やだー! リディアーヌお姉さま!レオン王がお父さまであるはず...」
沈黙を破ったのはジュリエッタだった。
最後まで言わせずに、レオ王は片手をあげてジュリエッタの言葉を遮ると
おもむろに口を開いて告げた。
「どうやらそうらしいね、リディアーヌちゃん!」
「お父さまー!」
思いっきり抱きつかれた。
「えーっ?ウッソー!」
ジュリエッタもひざから折りて茫然と姉とレオ王が抱き合っているのを見ていたが…
「お父さまー!」
と抱きつきた。
ワーン!
エ―――ン!
泣きじゃくりはじめる少女たち。
ふくらみはじめた胸を押しつけられ、満更でもない感じのレオお父さんだった。
「お、お母さまが... ワーン!...私が巫女になるって決まったときに... ワーン!…
『あなたの本当のお父さまは、さる国の王さまなのですよ』って言ってくれたんです... ワーン...」
「そうか。お母さんがね... おまえ、髪と目はエステイーナそっくりだけど、情熱的なところは
オレそっくり、ってアイミが言ったよ!」
「え?アイミさまが?」
「うん。女王は知っていたんだよ。だから、おまえを彼女のアシスタントに抜擢したんだよ」
「し、知りませんでした... ワーン... てっきり、お母さまへの恩返しだとばかり... ワーン...」
「よしっよし... いい子だ。いい子だ」
「エーン... だから私の髪はお父さまに似てなかったんだ... エーン...!」
ジュリエッタはエステイーナとアランが離婚したあとも、ときたま会っていたと思っていたのだ。
しかし、父親であるはずのアランの髪はダークブラウだった。
なので、子ども心にも“ちょっと違う感じ!”と思っていたのだ。
そして、ときおり、アイミ女王といっしょにアルフヘルムに来るレオン王を見て、
レオン王はいつも彼女たちにやさしく、誕生日にはプレゼントを必ず送ってくれるし、学校である大きな行事にもいつも来てくれるのがうれしかった。
「まるでお父さんみたい!」
レオン王の髪がジュリエッタとまったく同じ茶色なのを見て
「レオン王さまが、私のお父さまだったらいいのに...」
つくづくそう思ったのだが…
なんと、レオン王は実の父親と言うではないか!
うれしくて、うれしくて、思いっきり泣いて、涙でレオ王の高価なシルクのシャツをベッタリぬらし、
ふくらみはじめた胸を押しつけるのだった。