26 アキュアローム(前編)
【Aquaroum アキュアローム】
東への旅は続いた。
十日もたつと、さすがに最初のころのウキウキ気分もなくなり、毎日テントで野宿するということが、どんなにたいへんかと言うことをみんなも実感しはじめた。
ラィアやロリィも文句を言い始めた。
「テントの中で寝るって狭いし!」
「下がゴツゴツしててオシリが痛くなります!」
「せっかくの私のふくよかな体が、朝起きたら変形している感じです!」
「それにお風呂もシャワーもないから、川が近くになかったら体を洗えません!」
キャンプ用のエアマットもスリーピングバッグもない世界なのだ。
ユリアたちは野宿用にふかふか絨毯を2メートルの長さに切ったものを巻いて持って来ており、寝るときはそれを広げてマットレス替わりにしていた。
体を洗うための川や湖も、毎日都合よく見つかるわけではない。
そんなときは、各自、夜寝る前にテントの中で濡れたタオルで体を拭くのだった。
それまで至りつくせりの生活を送って来たミモ・パラスピリトであるラィアやロリィにとっては、野宿は想像を絶するシビアなことだった。
だが、クリスティラは文句ひとつ言わなかった。
彼女はエイダさまに会うという目標を持って旅に出たのだ。
旅で多少の苦労があるというのは想定済みだった。
一方、ユリアたちはそれほど苦にはならなかった。
彼女たちも、それぞれ王女、王子として何一つ不自由しない生活を送って来ていると思われがちだが、レオ王もカイオ副王も、それぞれの母親たちも、“贅沢三昧”“お姫さま”“王子さま”の生活はさせなかった。
「子どもの時から、そんなに贅沢をし、何でも欲しがるままにあたえていると子どもをダメにする!」
というのがレオ王の考えだった。
ユリアの父カイオ副王もその考えに同意し― カイオ自身はテラのある小国の王子なのだが― レオン王の王妃の一人で、テラの世界とミィテラの世界の両方でもっとも美しい女性と言われる、紫の瞳の美女オリヴィア王妃も王族出身でありながら、レオ王の考えに賛成し、彼女の娘で母親の美貌を受け継いでいると評判で美少女トップモデルとなって大活躍しているミシェリと次女で、こちらもジュニアモデルとしてファッション界の注目を浴びているアンジェリーネの二人を甘やかせずに育てていた。
ユリアたちは、“異世界で冒険の旅をする”、と決意したとき、野宿や質素な食べ物、それにお風呂にも何日も、何十日も入れないことがあると予想していた。
ただ、やはり食べ物だけは、ラピテーズが好んで食べる分厚い肉入り煎餅みたいなファストフード風の食事に干し肉、燻製腸詰め、それに粉末フルーツのジュースは、さすがに一週間も続けて食べると飽きてしまった。
ラピア(チルリ)とリーアは、ラピテーズの知識を生かして、野山に生えている草やフルーツで食べれるものをよく知っていたので、彼女たちに教えてもらってユリアたちもそういう草やフルーツを集めて食べることでビタミン不足を補ってはいたが…
草は草、ふつうにサラダで食べたりする葉野菜などとは味がまったく違う。
「これはおクスリね!」
「ビタミン、ビタミン!」
などと苦笑いをしながら食べる始末だった。
「あ――あ… 御飯が食べたいなぁ!」
「私もスシがなつかしいわ...」
「あ、いいよね、いいよね!私アトゥンのスシ大好き!」
「オレはケシャのネタがいい!」
「わたしはガゼが大好き!」
「ガゼもいいよな!」
「ハララゴもいいぜっ!」
「だねー!口にいれて噛んだときプチプチって鳴って、濃厚な甘さが口中に広がるのはたまらないわね!」
勇者王国では、レオ王が寿司が大好きなので、何かイベントがあるたびに、レオ王がある国の有名なヤマト食レストランから引っこ抜いて来た一流の寿司職人によく寿司を握らせ、子どもたちも小さいころからスシにたしなんで来ているのだ。
「そ、そのアトゥンって、どんな草なのですか?」
「ケシャって、どんな肉?」
「ガゼって何?」
ラィアもロリィも何だか美味しそうな食べ物の話に、分厚い煎餅をモグモグしながら訊く。
「その口に入れるとプチプチするハララゴって... 興味深そうな食べ物ですね?」
クリスティラまでが関心を示した。
そこでユリアたちは寿司とネタの話をした。
『スシ』とは、酢を混ぜた飯を手でにぎったものの上に、魚や貝の肉などの具をのせたもので、アトゥンは赤身の魚であり、脂が乗ったものが美味しいこと、ケシャはピンクがかったオレンジ色の身の魚で、脂のりがよく、しっかりした味であること。
ハララゴはそのケシャの卵で、同じくピンクがかったオレンジ色で 旨みを引き出す調味料で味付けされているので噛むと中からトロッと甘い味が口の中に広がるのが人気であり、ガゼというのは丸く固い殻をもち棘がある海の生物で、中に抱える卵を食べるのだと説明した。
「お... おいしそうですね...」
ジュルリ
思わず口からたれた涎を手の甲で拭いながらロリィがつぶやく。
「わたしも一度食べてみたいです...」
ラィアもかわいい口から涎をたらしている。
「私もためしてみたくなりましたわ...」
クリスティラも上品に草サラダを食べながらポソっと言った。
「そうね... コメは少し持ってきているから...」
「あとは新鮮な魚とかあったら出来るかもね?」
「リュウは寿司握るのけっこう上手いからね!」
「ヘヘっ、かなり練習したからな!」
「マサさんかなり迷惑顔だったけどね?」
マサさんというのは勇者王国の寿司職人で、リュウは彼から手ほどきを受けたのだ。
「まあ、海はまだ見たことないのでアトゥンがいるかどうかもわからないし、ケシャのいそうな川もないようだしね...」
「そのうち、機会があれば作ってみようぜ!」
「ワォっ!楽しみ!」
「待ちきれない感じ!」
「早くそんなお魚見つかればいいですね!」
クリスティラたちも食傷気味で肉煎餅や草サラダを食べながら、期待でキラキラと目を輝かせていた。
* * *
オーゾンリオ集落を出発してから11日目。
ユリアたちは朝飛び立ってから3時間ほど飛行したのち、まるで海のような広大な湖の上に出た。
これがクリスティラが言っていた“大きな大きな湖”なのだろう。
(これは 『モグノアガローム湖』 よ!)
(ここを渡るのに半日かかったってクリスティラさまはおっしゃっていましたよね?)
リーアとラピアが念話で伝えてくる。
たしかに広い。
しばらく飛行していると水平線上に陸地がまったく見えなくなってしまった。
モグノアガローム湖を三分の一ほど渡ったかと思うころに、湖に変化が見えて来た。
なんだか湖面にさまざまな形の色がついたものが浮かんでいる。
「あれは何だろう?」
先頭をエレノアに乗って飛ぶレンが後ろにまたがっているアイに訊いた。
エレノアは3.8歳のメス・ボルホーンだ。元気がいいのとかわいいという理由でレンが選んだ。
「お魚にしては動いていないわね?」
「あんなに鮮やかな色彩の魚ってあまり見たことないな」
とてつもなく広大な湖の上空500メートルからは、湖面にさまざまな色のモノがあるのが見える。
(湖面に見える色とりどりのモノが気になるんでちょっと見てくる!)
レンはエレノアの手綱を操って、降下をはじめた。
(おう!じゃあボクもいっしょに行くよ!)
(オレも!)
(じゃあ、みんなで行きましょう!)
((((((((((((は――い!))))))))))))
ユリアの呼びかけで一斉に高度を下げ始める。
モグノアガローム湖の水面には、花が咲いていた!
それも3メートルも5メートルもある巨大な花が!
色とりどりの巨大な花が水面に咲いていた。
「なんだ――っ、これは――っ?」
「花よ――っ、花――っ!」
「きっれ――い!」
レオタロウが大声で叫び、ラィアとロリィが身を乗り出して湖面を見ている。
今にも落ちそうだ。
さらに低下して湖面に近づいてよく見ると、巨大な花の下の水中には森のようなものが生い茂っているのが見えた。
「これは... 藻の一種なんでしょうね!」
「藻の花か... それにしても、すごい花だな!」
ユリアとリュウもおどろいている。
「これもクリスティラさまがお作りになられたんですか?」
「いえ、ミアさん。このあたりのモノは、私の作ったモノではありません。私はシーウォス海と名付けた、 イーストゾーンの西端にある海でイキモノを作りはじめましたから」
「えっ、じゃあ...」
「おそらく、ほかのマザー・パラスピリトがこのあたりに住んでいるのだと思います...」
そう言って、クリスティラは湖をずっと見渡した。
はるか前方に小さな島がいくつか見えるが、町らしいものはないようだ。
「あ!何か大きなモノが水の中を泳いでいる!」
「どこどこ?あ、本当だ!こっちに向かっているよ?」
ラィアとロリィが騒ぎはじめた。
ユリアたちも見てみると、なんだか白っぽくだだっ広いモノが近づいて来るのが見える。
「ホ、ホエーラゲ?」
「ホエーラゲは水の中にいないよ!」
「空しか泳がないの!」
ラピア(チルリ)とリーアが首を横にふって否定する。
「なにか、そのでっかいモノの上にいるよ?」
「えっ?あ、本当だ!」
「たくさんいるぞ?」
その白っぽくだだっ広いモノは水面に浮かび上がってきた。
そこだけ波が大きく盛り上がって、まるで白い津波のようだ。
とにかくでっかい。
そして、その上には、2メートル近い魚らしいモノが20匹ほどいて、ボルホーンに乗ったユリアたちを見上げていた。しかし、そいつらは魚の顔をしていなかった。人間の顔をしていた!
白っぽくだだっ広いイキモノの上にいたのは人魚だった。
人魚たちは、白く平べったいイキモノの上で、まるでサーフィンをしているように波を楽しんでいるようだった。
「に、人魚?」
目のいいマユラが小さい声で叫んだ。
「えっ? 人魚?」
「なんだって?」
「人魚?」
「人魚だ!」
「人魚よ!」
「セレシアおばさまのお仲間?」
「いや、全然関係ないんじゃない?」
「そうだよ。ここはエスピリテラなんだ!」
「セレシアおばさま?」
それは誰ですか? ユリアたちの騒ぎを聞いたクリスティラが訊いた。
アイとミアがセレシアが人魚の王女であり、レオ王の王妃の一人となった経緯をかいつまんで話した。
「それはたいへん興味深いお話ですね... そのセレシア王妃の種族― 人魚族が、今、私たちが見ているイキモノたちと同じだとは...」
物珍しそうにボルホーンとそれに乗ったユリアたちを見あげている人魚たちは、美しい顔をしていて、濡れた長い髪をもち、上半身には当然、何もつけていないので豊かな胸がよく見える。
下半身は人魚の特徴である鱗がびっしりとついた魚そのものだ。尾びれは水平で大きなウチワのように広がっている。
唯一、セレシアなどのミィテラの世界の人魚と違っているところは、背中に2列背びれらしいものが腰のあたりまであるというところだろう。
よく見ると、その人魚たちはほとんどがメスらしく、中には子どもらしい体の小さい人魚も5、6匹いて、その子どもたちは何だかはしゃいでボルホーンを見ているようで、白っぽくだだっ広いモノの上でしきりに動き回ったり、飛び跳ねたりしていて、それを周りの大人の人魚たちがたしなめている感じだ。
「あまり低く飛ばない方がいいぞ。驚かすからな!」
レンがそう注意したので、みんなは50メートルほどの高度をたもったままボルホーンを飛行させていた。
すると、ユリアたちを物珍し気に見ていた子ども人魚たちが、一斉に背びれを広げた。
周りの大人人魚たちが騒いでいるのが見えるが、子ども人魚たちは、ちょうどトンボが羽をはばたくように
バサバサバサ――っ と鳴らしたかと思うと…
一斉に白っぽくだだっ広いモノの上から飛び上がった!
そしてあっという間にボルホーンの高度に達して、ピュキ、ピュキ、ピュキっと鳴きながら目をくりくりさせてユリアたちの横を平行して飛びはじめた。
下を見ると、大人たちも背びれを広げて子どものあとを追って来ようとしているのが見える。
「ピュッピュキ ピュピュ―?(あなたたちだーれ?)」
「ピュピュッキ ピピュ―?(どこから来たの?)」
「ピッピュピッピュ ピピー?(この翼のあるモノはなんて言うの?)」
どこの世界でも子どもというものは好奇心旺盛で、怖いもの知らずだ。
さっそく話しかけて来た。
ユリアたちは念話ができるので、子ども人魚たちの言葉がわかる。
(私たちはミィテラの世界から来た者よ!)
(わたしたちはハイ・パラスピリトよー!)
(これはボルホーンっていう動物で、とても速く飛べるし、賢いのよ!)
ラィアたちも念話で話している。
そこに大人の人魚たちがかなり遅れて飛んで来たが、ユリアたちが害意をもたないことがわかったのだろう、子どもたちに付き添って飛びながら念話での会話を注意深く聞いている。
「おまえたちは、西から来たのか?」
人魚の中のリーダーみたいなメスがレンとアイに訊く。
「私の名前はアイ。西の山脈を超えて来ました」
「オレはレン。イーストゾーンの中心、エペロン・ミドリウムを目指して旅をしているんだよ!」
「わたしの名前はイヴィ。見ての通りプリュース族よ」
イヴィと名乗った空飛ぶ人魚はあとに続くボルホーンの列を見て、クリスティラ、ロリィ、ラィアがハイ・パラスピリトの特徴である青白いオーラを放っているのに気がついた。
「!... あの者たちは...」
「ハイ・パラスピリトよ。もっと強い光を放っているのが元マザー・パラスピリトのクリスティラさま。そしてロリィちゃんとラィアちゃん」
「マ、マザー・パラスピリトさま?!」
それから大騒ぎになった。
「ピュッピュッ ピュ――――!(別のマザー・パラスピリトさまがいるわっ――!)」
「ピピュ―? ピピュ―?(ええっ、どこに?どこに?)」
「ピッピュピッ! ピッピピッピッー!(本当!この三人、ハイ・パラスピリトよ――っ!)」
プリュースたちは、大騒ぎをしたあとで、ユリアたちはそっちのけでクリスティラたちのそばに飛んで行って恭しく頭をさげた。
「西から来たマザー・パラスピリトさまにハイ・パラスピリトさま。どうかわたしたちのマザー・パラスピリトさまがお住まいになっているアキュアロームにお寄りください!」
「あら、ここを治めているマザー・パラスピリトさまに会わせてくださるの? 行きましょう、行きましょう!」
イヴィによれば、モグノアガローム湖一帯を治めているマザー・パラスピリトの名前は「アキュアマイア」という名前だそうだ。そして、あのホエーラゲのように大きな湖のイキモノは「マレーオーラゲ」と呼ぶそうだ。
「空を飛ぶホエーラゲを見て、アキュアマイアさまがお作りになられたのです」
イヴィは誇らしげに大きな胸を張って言った。
レンたち男の子はプリュースたちの胸から目を離せない。
「じゃあ、ホエーラゲはクリスティラさまがお作りになったのですか?」
ミアがクリスティラに訊く。
「いえ、あれは私の創作ではありません。だれかほかのマザー・パラスピリトが作ったのでしょう」
「そういえば、エイダさまは、たくさんのハイ・パラスピリトをお作りになったって言ってましたね...」
「あなたたちが、ひとり一人それぞれ性格や感受性が違うように、マザー・パラスピリトもひとり一人性格と感受性が違うのです。“このエスピリテラに生命を増やしなさい”という使命をあたえられた私たちは、それぞれの性格・感受性にしたがって生命を産み出し、育んで来たのです...」
「でも、イーストゾーンの西端の自然の風景とか、森や草花や虫などは、中にはちょっと変わったものもいましたけど、概ね私が知っているミィテラの世界やテラの世界のとそっくりでしたけど... クリスティラさまは心の中にすでにどんな植物や動物を生み出すのかイメージがあったのですか?」
「確固としたイメージなどは一切ありませんでした。だって、エイダさまから生まれたばかりだったのですよ? ただ、エイダさまから“漠然としたイメージ”をいただきましたので、それをベースにしたのです」
モグノアガローム湖のほぼ中心にあるというアキュアマイアの住む町 アキュアロームを目指して飛んでいるユリアたちの下には、さながらお花畑のように、大小さまざまな花が、色と美しさを競うかのように湖面に咲き乱れ、それらの花の間を、これも色鮮やかな大小の魚らしいものが泳いでいた。
プリュースの子どもたちは、水面すれすれを飛んで、水面近くを飛んでいる虫などを食べている色鮮やかな魚たちの頭をなでたりしている。
「おっ、なんか大ダコみたいなのが光ながら泳いでいるぞ?」
レオタロウが大声をあげた。
見ると、たしかに大ダコのようなモノが体中にLEDライトでもつけたみたいにピカピカと点滅させながら優雅に泳いでいた。
「でっかいね!」
「まるで水の中のクリスマスツリーみたい!」
ギガタンとモモコが仲睦まじくボルホーンの上でしゃべっている。
もうすっかり恋人同士になっている。
「あれは何だ?!」
リュウが突然叫んだ。
「えっ、なに?」
「あれだ!大ダコの後ろの方!」
青黒い体のため、かなり接近するまで誰も気づかなかったが、十数匹が急速に迫ってくる。
「あ、何かメッチャ速く泳いで迫っているわ!」
「ピッピッ ピュ――――!(人魚食いギャンゴラゲよ――!)」
「ピッピュ! ピッピピッ―――!(子どもたち、早く高く上がりなさ―――いっ!)」
「ピッピピッ―――!(早く高く上がりなさ―――いっ!)」
イヴィたちが大声を出し、水面で遊んでいた子どもたちは、慌てふためいて羽を高速で振るわせて上昇しようとする。
高速で近づいたギャンゴラゲたち― 青黒い体を持ち、鋭い歯並びの広い口に見え、なんと2本の腕の先に大きなハサミを持っている― のうち、10メートル近い大きな体をしたヤツが突然ジャンプをした。
上昇し遅れた子どもプリュースの下半身目がけて、鋭いギザギザのあるハサミが閉じられようとした直前、アイが雷属性攻撃魔法『雷禍』を放った。
バシ――ツッ!
ド―――ン!
1億ボルト、50万アンペアの雷撃が一瞬にして巨大なギャンゴラゲが黒焦げになった。
単一指向性雷撃なので、子どもプリュースには火傷一つ負わせなかった。
水の中にいた残りのギャンゴラゲたちは仰天し、方向転換して目標を大ダコに変えて追跡しはじめた。
おどろいたのは大ダコだった。なんと、赤、青、緑、黄色とさまざまな色のスミをまき散らしながら逃走をはじめた。
「ピピッピッ ピュッ?!(魔法使い?)」
「ピピッピッ! ピッピゥピゥッ!(魔法使いよ!ありがとう!)」
「ピッピゥピゥッ!(ありがとう!)」
「ピッピゥピゥッ!ピッピキ―っ!(ありがとう!でも、スゴイね!)」
プリュースたちもたいへんおどろいているが、子どもが助けてもらって心から感謝している。
それからまたしばらく飛ぶと、ようやくアキュアロームが見えて来た。
アキュアロームは、湖上の町だった。周囲を丸く堤防のようなもので囲まれていて、堤防の内側に円形ハーバーがあり、大小さまざまな大きさの船が泊まっており、さらにその内側に町があった。




