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エスピリテラ漂流記  作者: 空創士
番外編
123/123

119 メイミンズ・ラブストーリー(後編)

【スピンオフ Mei‐min's Love Story-2 メイミンの恋物語②】



 タケルのアクションは早かった。


その夜のうちに、メイミンと話をつけたのだった。

もちろん、タケルもバカではないから、その夜のうちに祖母のキミコ女王に話しをした。


美雨(みう)さんの娘のメイミンちゃんなら、私も大賛成です」

キミコ女王の承認を得てから翌朝一番に勇者王国にいるユウキとタケルの母親ミヨカにマソデンワで事情を話した。


ミヨカはタケルの話に驚いたが、すぐに折り返し母親のキミコにマソデンワし、キミコが賛成したことを確認すると、すぐにタケルに折り返した。

そこでキミコ女王はタケルとともに勇者王国へ赴き、ミヨカと同伴で美雨(みう)を訪問することにした。



 美雨(みう)は、ミヨカが、キミコ女王とタケル王子同伴で訪ねて来たことに驚いた。

ミヨカとはほとんど毎日ライトパレスで会っているが、用事があったりするとミヨカはすぐに美雨(メイユイ)に頼んだり、マソデンワで連絡したりして来る。

 それが、装いも新たにして、美雨(メイユイ)を訪問したのだ。

何か、“重大な事”だと美雨(メイユイ)は考え、応接間に通した。


 そして、ミヨカから、ユウキ王子が娘のメイミンのことをとても愛していると伝えられ、結婚を前提として正式にユウキ王子とメイミンの交際を申し入れたのだ。

 それを聞くと、美雨(みう)はメイミンが授業中であるにも関わらず、すぐに学校にマソデンワして急いでライトパレスに呼び戻した。

 ライトパレスに帰ったメイミンは、応接室にキミコ女王、ミヨカ王妃、タケル王子の3人がいるのに驚いたが、いつも美雨(みう)から躾けられている通り、礼儀正しくあいさつをした。


 その姿を目を細めて見ていたキミコ女王。


「さすが美雨(みう)さんの娘さんだけあって、見目麗しいのはもちろんですけど、とても礼儀正しいですわね?」

美雨(みう)とメイミンを褒めちぎった。

「いえいえ、これでも人見知りというか、人づきあいがあまり上手ではないので、もっとコミュニケーションをしなさいっていつも言っているのですが...」


「ときにメイミンちゃん、あなた今いくつ?」

「はい。17歳になりました、キミコ女王さま」

「そう。じゃあちょうどつり合いがとれるわね」

「?」


何にも知らないメイミンはキミコの言葉の意味がわからなかった。


「ところで、メイミンちゃんは、ユウキのことどう思っているの?」

「え?...」


突然のキミコ女王の問いにメイミンは驚いたが、聡明な彼女はすぐにキミコ女王の問いが何を意味するかを理解した。


“私がユウキ王子を好きかどうかを聞いているのだわ…”

そっと母親の顔を見ると、美雨(みう)は小さく頷いた。

“思っていることを言いなさい”

美雨(みう)の顔はそう言っていた。



「お慕い申し上げています」


静かだが、きっぱりとキミコ女王の目を見つめて言った。


「ほ!」

「よかった!」

「おお!」


キミコ女王、ミヨカ王妃、タケル王子の3人が三様に反応した。





 それからは、すべて順調に進んだ。


「ユウキ王子がメイミンを愛していて、メイミンもユウキ王子を慕っているのなら、おつきあい期間など必要ありません。なるべく早く婚約式を挙げさせなさい!」


キミコ女王の言葉で、早速にも婚約式が行われるはずだったが... 

「レオさまがお留守ですので、婚約式はレオさまがお帰りになってからの方がいいと思います」

美雨(みう)の言葉にキミコ女王もしかたなく頷くしかなかった。


 婚約はおあずけとなったが、タケルのアイデアでユウキとメイミンはステディになることになり、ステディ・リングをおたがいに嵌めることになった。

 ユウキとメイミンにとっては、すぐに婚約してもよかったのだが- 親たちがそう望むのであれば- だが、父親であるレオン王の不在中に出来ないとわかり、その代わりステディになったのだが、かえってその方が恋人気分を味わえることになってシアワセだった。これが、もし、レオが滞在してたなら、すぐに挙式を挙げることになり、デートどころではなかったからだ。



 最初のデートは...  


恥ずかしくて手をつなぐこともできなかった二人。


それを知ったタケルから笑われた。

「今どき、幼稚園児でも手をつなぐぞ?」


次ぎのデートでユウキは恐る恐る訊いた。

「あの... 手をつないでもいいですか?」

「...... え? は、はい...」

真っ赤になって答えるメイミン。

そっとつないだ手は熱かった。


 

 3回目からは、何も言わなくてもおたがい手を差し伸べてつなぐようになった。

二人で歩くところはたくさんあった。ヤマト国の首都エドの町、エド郊外、エルフ国、ナンバ市、エトセトラ。

 ただ、必ずガードマンがついた。ユウキはヤマト国の次期王なのだ。

護衛がつくのは当たり前だ。ただ、キミコ女王の命令で、二人のデートの邪魔にならないように、特別にエルフ魔術師の護衛がついた。


 キミコ女王とミヨカ王妃の要請に応じて、アウロラがリョースアールヴ(光のエルフ)隊の中から、危険予知と防御&攻撃能力に優れたエルフを二人つけたのだ。なのでユウキもメイミンも護衛に気兼ねなくデートを楽しむことができた。


 二人のファーストキスは、つきあいはじめてから1ヶ月後だった。

ナンバ市のマソシアターで、評判のラブロマンス作品を観て気分が昂ぶった二人は、公園の木陰で初めて抱き合った。


“柔らかい…”

ユウキはメイミンの身体の柔らかさにおどろいた。


“がっしりしている…”

そしてメイミンは服の上からではわからないユウキの身体の筋肉におどろいた。


ユウキもタケルも、レオから「男と言うものはだな、いざって時に自分の愛している女や家族を守らなきゃならないんだ。だから武術の修行だけは怠るなよ!」と耳にタコが出来るほど言われて育ったので、毎日2、3時間は武術の修行を続けていたのだ。武術を修行すれば体も健康になるということで、ミヨカもキミコも大いに彼らの修行を応援したのだった。

 

 ユウキはメイミンのブラジャー越しにふっくらした乳房が自分の胸にムニュっと当たり、無意識にジュニアが反応したので恥ずかしくなった。


それが理由でモジモジしているユウキにメイミンはそっと言った。


「ユウキ... いいわ... しても」



 当然、彼女とセ〇クスしていいという訳ではないことをユウキは知っている。

だが、万一、その機会が訪れたときに「男はな、女から抱いてくれと言われて緊張のあまりポシャッたりしないように、常にこれを持っておくんだ!」と言われて渡されたエルフの強精剤をポケットにいれていた。


「パパ、な、何を言っているんだ?!」

レオパパから、エルフの強精剤を渡された時は、顔を真っ赤にして恥ずかしがったのだが、タケルが平気な顔をして強精剤をポケットにいれたのを見てユウキももらったのだった。



 一方、メイミンの方も、初めて生理が来たときに、母親の美雨(みう)からエルフの避妊薬をあたえらていた。


「月経不順もコントロールできるし、もし、好きな男の子とセ〇クスするときは、妊娠を避けるために必ず飲むのよ!」

「やだァ、ママ。私、生理が来たばかりなのよ?」

「女の子は、生理が来れば妊娠できるってことよ。つべこべ言わずに持っていなさい!」

というわけで、メイミンも小さなバックの中に避妊薬をもっていた。



ユウキはメイミンの胴を引き寄せると、そっと唇を重ねた。

メイミンの唇は... やわらかくふっくらとしていた。


ユウキはすぐに唇を離した。

最初からガツガツしているとメイミンに思われたくなかったのだ。


 メイミンは、あまりにあっけないファーストキスだったで、少し拍子抜けしていた。

彼女もよく本を読むし、同い年の女の子たちがクラスで男の子との交際のことなどを話すのを耳にしている。

 何より、毎週金曜にトンシー大先生の屋敷で開かれる夕食会で、ユリアとかモモコとかマユラなどの男の子とつきあった経験のある女の子たちが、キスや抱擁やエトセトラについて赤裸々に語るのも()()()()()()()()()しっかりと聞いていた。


「ギャロンったら、キスをする時に舌を口の中にいれて来るのよ!そして、私の口のなかをベロベロ掻きまわすの!」

「アレックスとのキスは、おたがいの舌を出して舐め合うの!」

「ロマニオったら、いつもキスのあとでわたしの胸を触るのよ!この前なんか、ブラの中に手を入れようとしたんだから!」

「アレックスもいつもスカートの下に手をいれてくるの... だから、私、スカートはやめたわ」

「あら、それくらいならかわいいものよ。あたしはギャロンにパンティの中に手をいれさせているわ!」

「ええっ?それってアブナくない?もし、無理やりチ〇ポをいれられたらどうするのよ?」

「フフフ... 遅かれ早かれそうなるでしょうね。今どき、花嫁が処女であるべきなんて考えている若い子はいないわよ!」


 自分の男性経験を自慢げに言うマユラだったが、リディアーヌとの関係は何ひとつ口にしない。

レオン王をはじめ、王族も勇者王国の住民たちも、性に関してはかなり保守的なので、女同士の愛など急に受け入れることが出来ないと知っているし、母親のミユからも固く口留めされていたのだ。

もちろん、レオもリディアーヌとマユラの関係を表立てるのは時期尚早だとミユとマユラに伝えていた。


「そうでもないかもよ?ほら、さっきから黙って聞いてばかりいるメイミンなんか、たぶん結婚するまで処女だと思うな!」

「あ、それ言えてる!」

「メイミン、まだそのかわいいお口も下のお口もバージンなんでしょ?」

訊かれたメイミンは、何も言えずに真っ赤になるだけだった。

「こら、メイミンをいじめるんじゃないわよ!」

「そうよ。メイミンはメイミンの生き方ってのがあるんだから!」

ユリアやマユラはメイミンを庇ってくれた。




 でも、メイミンはうれしかった。

想像していたキスとは少し違ったが、ユウキとキスができたことはうれしかった。

ルンルン気分でオクタゴンハウスに帰ると、部屋を掃除していた美雨(みう)が少しおどろいた顔をした。


「お母さん、ただいま!」

「あら、どうしたのメイミン?なにかいいことがあったの?」

「ううん。ユウキとナンバ市でおいしいレストランに行ったのよ!」

「それはよかったわね!あなたも17だから、もう一人前。何でもやっていいけど、結婚前の妊娠だけは避けてちょうだいね」

「はい。お母さん...」

メイミンは美雨(みう)の勘の鋭さにおどろいた。

まあ、それくらいでなければ、お父さんの秘書なんてやっていられないのだ。


 美雨(みう)はアイミたちのような魔術も、ベンケイのような勇気も怪力も、モモのような卓越した戦略・戦術計画・執行能力ももたないが、聡明さと勘の良さではだれにも負けなかった。

だが、彼女は決してそれをひけらかすことはなく、いつも控え目で目立たないようにふるまった。


 

 それからは、毎回、デートのたびにユウキと唇を重ねるようになった。

回を重ねるにつれて、マユラたちが言っていたように、()()()()()()()()()濃厚なキスもするようになった。



 そして... 


ある夜、公園の木陰でキスをしていた時、ユウキの手がメイミンの胸にふれた。

メイミンはそっとユウキの手を胸から外したが、なおもユウキの手は胸にふれてくる。

そういうことが2、3度続いた時、メイミンは抗うのをあきらめた。


“パンティの中に手をいれるわけじゃないし、服の上からさわるだけならいいわ…”

拒むのを止めると、ユウキはただメイミンの胸の上に手をおいただけでキスを続けた。

ただ、メイミンの胸のふくらみを感じたかったかのように。

 


 だが、男というものは― 

女が一度許すと、その後はいつでもオーケーと思ってしまう動物なのだ。

そのことをメイミンは、ユウキでおぼえた。

なぜなら、あの日から、ユウキは毎回メイミンの胸をさわるようになったからだ。


 それは次第にエスカレートしていった。

ユウキは、メイミンのブラウスの上から胸を揉むようになった。


 しばらくすると、ブラウスのボタンを外してブラの上から揉むようになった。

それ以上エスカレートして結婚前にセ〇クスをするようなことになると困ると思ったメイミンは、ユウキが胸にさわるのを拒否することがあった。

 するとユウキはいかにも悲しそうな顔をするのだ。

それが可哀想に思えて、結局許してしまう心やさしいメイミンだった。


 そして、とうとうユウキはブラの中に手を入れて直接ふれるようになった。

メイミンはおどろいたが、ブラの上からさわるようになった時から予想はしていたことだった... 

 だが、とても恥ずかしく、心臓がすごくドキドキした。


 ユウキも興奮した。

 初めてふれた女性の乳房は

 やわらかくて、しっとりしていた。

 

ユウキは夢中になった。

メイミンの胸をさわり、揉み、突起にふれた。

メイミンの突起が固くなった。



それからは毎回、ユウキは胸にじかにふれるようになった。

そして、いつか胸にキスをし、突起を吸うようになった。


ユウキとのデートのあとでオクタゴンハウスに帰ると、真っ先にトイレに行った。

デートのとき、下は洪水のようになるから、トイレで洗わないと、とてもじゃないが寝られないからだ。


メイミンは自分の身体が、そうなるのが恥ずかしかった。

心ではセ〇クスを求めてないが、身体はユウキの刺激に対して生物的に反応し、

彼と生殖行為を行うことを求め、スムーズに生殖行為が出来るように、受け入れる準備を体がしているのだが、そんなことは知らないメイミンは、まるでオシッコを漏らしたかのようになるのが恥ずかしかった。


 デートでは、毎回、メイミンは上半身をほぼ裸にされるようになった。

メイミンは、いつユウキの手が彼女のパンティの中にはいってくるか、

いつパンティを脱がされて丸裸にされるかを恐れたが... 

ついにユウキはメイミンのパンティをとることもなければ、アソコにふれることもなかった。



 *   *   *

 



「......というわけで、ボクがいなければユウキはメイミンと婚約も結婚もできなかったろうってわけさ!」

得意げにトンシー先生の夕食会でみんなに語るタケル。


「へ――え!そうかぁ。そうだよね、ユウキはシャイだし、メイミンもシャイだから、そんな二人がどうやってつきあうようになったのかなーって、みんな不思議に思っていたんだよね!」

「タケルは女の子のあつかい慣れてるもんね!」

「それにしてもタケル、すごいね――っ!」

「さすがタケルだわ――っ!」


アヤとチズルが頷きあいながら言い、春燕(シュンヤン)春鈴(シュンリン)がタケルを褒める。 

春燕(シュンヤン)春鈴(シュンリン)は、それぞれレオの王妃たちである麗花と愛花の娘で、この二人の母親は耀貴妃(ようきひ)夫人の孫で、いとこ同士だ。


「私もタケルにカレシ見つけてもらおうかなーっ!」

「あ、 春燕(シュンヤン)、それグッドアイデア!私も見つけてもらうかしら?」

「いや、春燕(シュンヤン)春鈴(シュンリン)もそんなの必要ないだろ?」

「えっ、どうして?」

「なぜよ?」

「フフフ... ここにボクがいるじゃないか?」

「やだ――!」

「私はタケルの30番目だか40番目のカノジョにはならないわ!」


 キャーハハハハハ!

 ワーッハッハッハッハ!

 アーッハッハッハッハ!

 ギャハハハハハハ!


勇者王国の後継者たちの笑いがはじける。


 


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