102 ロイアル・エアズ
【Royal Heirs 王家の跡継ぎ】
みんなが再会をよろこび、イーストゾーンが無事だったことをよろこび合い、そのままラダントゥースとキアヌーラ妃が気を利かせて戦勝パーティーになった。
「あるだけのご馳走を出せ!」
「酒蔵から、どんどん酒を出せ!」
「戦いで頑張ってくれた戦士たちにもふるまえ!」
「フリスゴレスロームの市民にもふるまえ!」
上機嫌のラダントゥースは、次々と命令を出し、グォルム・ナールと呼ばれるラダントゥースの居城の大ホールでも、フリスゴレスローム市内でも、飲めや祝えやのお祭りになっていた。
大ホールでの宴もたけなわになった頃、メイドが二人競うようにパーティー会場に走って入って来た。
メイドたちは、レオタロウとレンを見つけると、人目も憚らずに大声で叫んだ。
「レオタロウさま!」
「レンさま!」
「うん?どうした、ガビちゃん?」
「おう、どうしたんだ、そんなに大声出して、ネイマちゃん?」
レオタロウもレンも、メイドたちがそれぞれエラインとタミレスの世話をしているメイドだとわかって少し驚いて訊く。
「エラインさまに、赤ちゃんがお生まれになりましたっ!」
「タミレスさまに、赤ちゃんが生まれました!」
「えっ、赤ちゃんが生まれた?」
「ええっ?赤ちゃんが生まれた?」
レオタロウとレンが一瞬、呆然とする。
「なんだって?赤ちゃんが生まれた?」レオがおどろき、
「レオタロウに赤ちゃんが生まれのか?」ベンケイが目を丸くし、
「レンに赤ちゃんが生まれたの?」ランが笑顔になった。
「レオタロウさんがパパに!」
「レンさんがお父さんに!」
「おめでとうございます!」
「レオタロウさま、おめでとうございます!」
「レンさま、おめでとうございます!」
みんながおどろいたり、祝いの言葉を言っているのを後にレオタロウとレンは競うように走って妻たちの部屋へと向かった。あとに、レオやベンケイ、ランが続き、イザベルやアイミたち、それにユリアやアイたちも続く。
レオタロウは部屋のドアを開けて入った。
ベッドには、お産をしたばかりで少し疲れた、それでいてよろこびいっぱいのエラインが、生まれたばかりの赤ん坊を胸元に抱いていた。
と言っても、エスピリティラではお産のときは裸になるらしく、大きなおっぱいの間に丸々とした赤ん坊を抱いているのだが。
そばには助産婦らしいハイ・パラスピリトとその助手らしいパラスピリトのミノアングォ人が二人いる。
ちなみにミノアングォ人とは、パラスピリトに寄生されたミノアン人のことだ。
「レオタロウさま、元気な女の子が生まれました!」
エラインがよろこびにあふれた顔で言う。
「おう!エライン、よくがんばったな!」
そう言うと、レオタロウはベッドに近づき、エラインにブッチュとキスをした。
「あなた... みなさんがいらっしゃるのに恥ずかしいです...」
ポッと頬を染めるエライン。
「何も恥ずかしがることないよ。もう結婚しているんだし、ここにいるのは、パパにママ、それにおばさんたちに仲間たちだからな!」
レンはタミレスをおどろかせないように、そっと部屋のドアを開けた。
ベッドには、生まれた赤ちゃんを誇らしげに両のおっぱいの間に抱いているタミレスがいた。
ベッドのそばにはミノアングォ人の助産婦と助手がいる。
「レンさま!ライサが生まれました。この通り元気です!」
タミレスはレンの顔を見て、お産で少しやつれた顔を輝かせて告げる。
「よく頑張ったね!」
そう言うと、レンはタミレスのそばに寄り、チュっとその唇にキスをした。
「うふふ... うれしいです。後ろにいる方たちは?」
「うん。ミィテラの世界からやって来た、オレのパパとママとおばさんたちだよ!」
「あら、初めまして。レンさまの妻のタミレスです」
「おう。オレが父のレオン王だ。おめでとう、タミレス。これで勇者王国の跡継ぎがまた一人増えたな!」
「タミレスちゃん、おめでとう!私がレンの母のランです。レオン王は私の夫です」
イザベルたちも、それぞれお祝いの言葉を言って自己紹介する。
「どれ、オレの子を抱かせてくれ」
レンは腕を伸ばしながら言った。
「はい。お父さん、どうぞ!」
レンは生まれたばかりのライサを両手で抱いてニコニコと見ていたと思うと、
タミレスの足の方にライサを置いて、ひっくり返すと…
ベッドの上で生まれたばかりのライサの小さなオシリを揉みもみしはじめた。
それを見ていた妻のタミレス。
「あの... レンさま... それはミィテラの世界の慣習なのでしょうか? なにか意味があることなんですか?」
「おうともよ!... これはな、生まれた娘が美人に育って、みんなから愛されるようになるための“おまじない”なんだ!」
「そうですか。それはいいことですね!私もライサがレンさまに似て美人に育ってほしいです!」
だが、実際は“おまじない”などでは決してない。
レンはレオパパが、小さい時からいつも自分の娘たちのオシリを揉んでいるのを見て、“ボクもパパになったら娘のおしりを揉むんだ!”と強く誓っていたのだ。
レンが思春期にはいり、女の子たちに興味を持ちはじめ、デートに誘った女の子のオシリを知らん顔して揉んだことがたびたびあるが、毎回、「ヘンタイ!」とか「エッチ!」と嫌がられたのも、その決心をますます強くしたのだった。
レオもランもイザベルたちもアイたちも何も言わなかった。
誰かが非難ぽいことを言えば、間接的にレオを非難していることになり、もし、レンが開き直って「パパだってやっているんだから、いいじゃないか!」とでも言えば、レオの王としての威厳に傷をつけかねない。
そういう事は、とくにエスピリティラでは避けなければならないと全員が知っていたからだ。
ただ一人、少し居心地の悪さを感じていたのはレオだけだった…
戦勝パーティーは、レオタロウとレンに娘が生まれたことも加わって、さらに盛り上がった。
グラニトルゾリオからは、マザーパラピリストのミモ・クラナがミモ・パラスピリトたちやオルト、バンゾウ、ブボ・ケトゥパ、ギガタンコックなどの族長やケイラやイクシー、マーギュ、ピリュラーなどの妻やアダ、ビナ、メル、フィラ、ベラ、エリなどのヤドラレ人の美少女たちまで連れて参加し、アキュアロームからはマザーパラピリストのアラベラが夫のペルセーイスやプリュース族のイヴィたちを連れて来た。
サンクメライ・ロームからも、アスクレピオスやセレーネー、カロリエー、クリューネたちも参加し、|ハーヴニュンプ・ビーハイブ《森の妖精たちの町》からは、新たにマザー・パラスピリトとなったマモ・クリュメネやミモ・パラスピリトに昇進したリーアやラピア、それにハーヴニュンプ族のソレル女王や副女王エルミたちが参加し、『|エペロン・アンティロン《(イーストゾーンの北部》』や 『エペロン・ヒルメン』の地域で新たにアライアンスに参加した町々のマザーパラピリストたちやファザー・パラスピリトたちも招待され参加した。
すでに司令部でクリスティラをサポートしている、レーグライロームのアスビリア、アリスタイロームのアリスタイオス、イェファスピルスのキャイラーネ、ポーセステスタムのデニィーゼ、ローディエルルのマイアーラとクラリスたちも当然、それぞれの町のミモ・パラスピリトたちとともに参加している。
ジン族のジャンナハム、ジャーヒリーヤ、パンナハムたちも参加し、もちろん、男神ラダントゥースの地元であるフリスゴレスロームからは、ヴァルゴースを始めとする側近神たち、それに尚女官たち、デウスカリオン族長たちミノアン族の戦士たちも続々とやって来た。
それに、サクロス・サイピズ山脈に住むドヴェルグ族のドルバル・ドゥルバ村長たちも招待されてやって来た。
ただ、刀鍛冶のドウジギ親方とウマルギオ親方は招待に応じなかった。職人というのはへそ曲りが多く、この二人のドヴェルグ族の名刀工たちもその例に外れなかった。
レオとガィアは何回の無人島からスケさんの瞬間移動でフリスゴレスロームに帰って来たが、ほんの1秒ほど姿が消えたのに気づいたのは、クリスティラとアキュアマイアとシルレイだけだった。
しかし、三人のマザーパラピリストたちは何も言わなかった。
彼女たちも、たっぷりとレオに抱かれて“女の悦び”を教えられたのだが、ほかの女性がレオによって“真の女の悦び”に目覚めることについては、肯定的な考えをもっていた。
たとえ、それがアモンの娘、ガィアであっても。
レオは、彼とガィアがもどってからすぐに始まった戦勝パーティーで、レオはクリスティラやラダントゥースたちが紹介してくれるアライアンスの諸リーダーたちと挨拶をしたり、談笑をしていた。
だが...
先ほどから、レオの目から離れない二人の娘がいた。
それはラィアもなくロリィでもなく、リーアでもなく、ラピアでもなかった。
それは...
レオの娘であるマユラとリディアーヌだった。
悪霊軍との戦いが終わってフリズスゴレルロームの第二司令部に帰って来てから、リディアーヌとマユラは手を取り合って無事だったことをよろこんでいたのだが、それは姉妹という間柄だけでは理解し難い親密さだとレオは感じたのだ。
そして、戦勝パーティーがたけなわになった頃、レオは心に抱いていた疑惑を決定づける光景を目撃したのだ! リディアーヌとマユラは大ホールの片隅にいたのだが...
なんと、二人はキスをしていたのだ!それも口に!
リディアーヌとマユラはしっかりと抱き合って― まるで恋人同士のように― はた目から見てもわかる“熱いキス”をしていたのだ!
感性のするどいリディアーヌはレオの視線を感じた。
ビックリしてマユラから離れ、レオを見た。きまり悪そうな顔で。
マユラもすぐに気がつき、レオを見たが、彼女は悪びれたようすはまったくなかった。
平然としてレオを見ていた。
それがカチンと来て、レオは人混みを分けてツカツカと二人に近寄った。
「今の抱擁とキスはどういうことなんだ?さあ、説明してもらおうか?」
レオの後ろには、ミユとイザベルとランが来ていた。レオが念話で呼んだのだ。
リディアーヌは、かなり困惑し、レオの気勢におどろいているようだったが、マユラの方は胸をそらしてレオたちを見ている。
「マユラ、リディアーヌちゃんと何をやっていたの?」
ミユが、本当に困った顔で娘に訊く。
「私とリディアーヌはつきあっているのよ、パパ、ママ!」
「つ、つきあっているぅ?!」
ミユが卒倒しそうな顔でわが娘を見た。
イザベルもランもかなりおどろいている。
レオはラダントゥースに言って、大ホールの近くにある控室を借りて娘たちと向き合っていた。
部屋には、ミユ、イザベル、ラン、アイミ、ベンケイ、モモ、アナ、エマ、アシュマナーダと、ユリア、アイ、ミア、モモコ、レオタロウ、レン、リュウ、それにビルがいた。
「さあ、みんなの前できちんと説明してもらおうか!」
事ここに至っては、何も隠す必要はない、と開き直ったのか、リディアーヌとマユラは手を繋ぎ合って座っていた。
「私は、リディアーヌが好きだし、愛しているから、ずーっといっしょに二人で暮らしていくつもり。パパとママが反対するのなら、ミィテラには帰らないで、ここで二人で生きて行くわ!」
「マ、マユラ、何と言うことを言うんだ? それがおまえを産んで育てた親に言う言葉か!」
「マユラ、パパの言うことを聞いてちょうだい!ふつうにギャロンみたいなステキな男の子を見つけて結婚してちょうだい!」
「いやよ!私はリディアーヌといっしょになるの!」
「まあまあ、レオもミユもマユラも落ち着いて」
モモが口論の間にはいる。
モモは参謀長をやっただけあって、いつも冷静で理性的なのだ。
なので、レオたちもモモの意見をとても尊重する。
「リディアーヌちゃんとマユラちゃん、あなたたち一体、いつからそんな仲なの?」
「もう1年になります...」
「そうだね。グラニトルゾリオを出て、カイラーサ山脈を超えるころだったから、もうすぐ1年になるわね」
「1年?まさか!3ヵ月じゃないかったのか?」
「レオ、落ち着いて。エスピリティラの時間はミィテラの世界の時間より3倍ほど早く経過するのよ!」
守護天使シーノがレオに教える。
「い、1年??」
あらためてレオはリディアーヌの胸を見る。
そう言えば... エスピリティラにやって来て、リディアーヌをしっかりと抱いた時、リディアーヌのおっぱいが大きくなったと感じたが、あの時は“わずか3ヵ月で、よくこれだけ立派になったものだ!”と単純によろこんだものだが、実際は1年経っていたのだ。そう、思春期の女の子の胸は1年もあれば急成長するのだ。
マユラは豹人族のミユを母親にもっているため、体の成長が早く、豹人族はふつう8歳から10歳で成人し、12歳ころまでには結婚して子どもを産むのが普通なので、マユラは13歳とリディアーヌより3歳若いのだが、すでにリディアーヌより大人の体をしているので、胸も成長がとまっており、レオも気がつかなかったのだ。
「まあ、しかたないんじゃないの、レオ。誰も知る人もいないエスピリティラに来て、ユリアもアイもミアもモモコも結婚したり、カレシを作ったり...」
「ええっ、何だって? ユリアが結婚?!」
カイオがモモの言葉にびっくりして大声をあげ、
「アイとミアが結婚?!」
アイミが口に手を当てて二人の娘を見て、
「モモコが結婚したァ?」
ベンケイが目を剥いてモモコを見た。
実は、モモは持ち前の観察力の鋭さで、ユリアやアイやミア、モモコたち女の子が、レオタロウやレンやリュウやビルと“深い関係”にあるということを見抜いていた。
当然、リディアーヌとマユラの仲にも気づいていたが、ユリアたちの生死に関わる問題の解決と、そのすぐあとに起こった戦いで、レオたち―親とユリアたち―子どもと落ち着て話す機会がなかったのだ。
「お父さん、私、リュウと結婚しました」
「えええーっ、リュウと結婚したぁ?!」
「ママ、私、レンと結婚したの」
「レ、レンと結婚したって... レンは兄妹でしょう?!」
「ママ、私、ビルコックと結婚したんだ!」
「ビルと結婚した? ま、いいんじゃないか。いいオトコらしいし!」
ただ一人、心の中でホッと胸を撫でおろしたのはベンケイだけだった。
「ア、アイにユリア、お、おまえたちパパを差し置いて、そんな重大なことを告げるのか?!」
憤るレオ。
「レオおじさん、レオおじさんは、私のお父さんじゃないしっ!」
ユリアが反論する。
「し、しかし、オレはおまえのお父さんから、おまえの面倒を見てくれってたのまれ...」
「レオ、父親のボクがここにいるんだ。ここはボクにまかせてくれ!」
カイオがヤレヤレといった感じでレオに言う。
「むぅ...」
ユリアの実の親のカイオにそう言われては、レオも二の句が次げない。
「パパ、ママ、この際だから言っておくけど、私はレンと結婚したけど、ミアももう処女じゃないんだよ!」
アイが決定的なダメージをレオにあたえる。
「ミ、ミ、ミアも...処女じゃないィイ? 相手は誰だ? オレがフラガラッハの剣でぶった切ってやるっ!」
「オ、オレです、パパ...」
レオタロウが首をうなだれる。
「こ、このォー!」
「レオ、わたしの息子に手を出すなら、最初にわたしが相手だ!」
ベンケイがレオタロウの前に立ちはだかる。
「レオ、もうやめなさい!」
イザベルがビシっとたしなめる。
「む...ぐぐぐ...」
イザベルはレオの幼馴染で、年上妻だ。
さすがのレオもイザベルだけには頭が上がらない。
「すこし状況が複雑ですけど、ここは本人たちの気持ちを尊重してあげた方がいいのではありませんか、レオさま?」
オリヴィアがたまらずに、アドバイスする。
「そうよね。だいたい、レオの息子たちはパパ似で精力が強いし、娘たちは、全員ママ似で美少女ぞろいなんだから、おたがい惹かれ合っても当然じゃないの?」
「エマの言う通りよ、レオ。問題は、血が濃い者同士が結婚すると、奇形児とか、知能障害の子が生まれる確率が大きくなるということね!」
モモが問題点を集約する。
「あ、それなら問題ないと思います」
モモの言葉を聞いてビルが発言した。
「ビル、その解決法を詳しく聞かせてちょうだい」
モモの要請の応えてビルは話しはじめた。
彼はダトーゥ族出身で、ギガタンコック族長の息子だということを。
そして、ダトーゥ族は全身を鱗甲板で覆われていて、外見はユリアたちとはかなり異なることを。
そう言えば、レオたちもグラニトルゾリオでダトーゥ族のギガタンコック族長を見たが、たしかに巨大なアルマジロのような風貌をしていたのを思い出した。
しかし、今、レオたちの前で仲間を窮地から救うべく熱弁をふるっている若者は、ユリアたちとまったく変わらない外見だ。
「ぼくはモモコさんと結婚する決意をした時、ぼくの体のせいでモモコさんがレオパパさんから勘当されたりしないように、クリスティラさまにお願いして“イデンシ”とかいうのを変えてもらって、この体になりました。なので、同じように、ユリアさんやアイさんがリュウさんやレンさんと結婚して子どもが出来ても、子どもに異常が現れないように、マザーパラピリストさんたちにお願いして“イデンシ”を変えてもらったらいいのではないかと思います」
「そう。クリスティラさんやアキュアマイアさんたちは、そんなことまで出来るのね!じゃあ、あらためてレオからお願いしたらいいじゃない?これで一件落着じゃない!」
モモが問題解決とばかり、席を立とうとする。
「し、しかし、リディアーヌとマユラは...」
「本人たちの意志を尊重すること!」
またビシっとイザベルに言われてしまった。
「ただし... リディアーヌもマユラも若いんだから、もし、気が変わって男の子が好きになったら、そのときは未練なしにキッパリ分かれるんだよ?その覚悟あるの?」
モモが鋭く訊く。
「はい... もし、そうなっても、私はマユラを尊敬し続けます」
「私はそうならないことを祈っているけど、万一、私よりほかのだれかをリディアーヌが好きになったら、そのときは潔く諦めるわ!」
親子会議のあとで、渋るレオを代表にして、クリスティラに兄弟同士で結婚したレンとアイ、リュウとユリアの遺伝子変換についてお願いに行った。
クリスティラは快く引き受けてくれ、「4人同時にしましょう」ということで、クリスティラ、アキュアマイア、シルレイ、ミモ・クラナの4人のマザーパラピリストが、それぞれ別室で遺伝子変換の術を行ったが、20分もかからなかった。
もはやどんちゃん騒ぎになった観のある戦勝パーティーにもどったクリスティラだが、彼女が唯一、気がかりになっていたのは、エイダの事だった。
エイダはイーストゾーンに攻め込んで来たアモンの悪霊軍団との戦いが一段落したら、クリスティラに会って、“なぜ、彼女がライトムーンにいなかったのか”について説明してくれると言っていた。そして、その時にレオン王たちにも会うと。
エイダが無事だったということはわかった。しかし、エイダからはまだ何も連絡がない。
それがクリスティラにとっては気がかりだった。そして、そのクリスティラの気がかりを察知したかのように、エイダから念話がはいった。
(クリスティラさん、そちらは大へん賑やかなようですね?)
(エイダさまっ!)
(少し時間がかかりましたけど、わたくしの方もようやく落ち着きましたので、みなさんをご招待したいと思います)
(招待?ライトムーンへですか?)
(いえ、イリュミーヘイムにです!)




